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富士通マイクロとD2S社ら、65nm以降の電子ビーム直描技術で協業

[2008年12月号]

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 富士通マイクロエレクトロニクス、イー・シャトル、米D2S社の3社は2008年10月、電子ビーム直接描画(直描)でのICの試作/生産に向けて協業することを明らかにした。3社は今後、D2S社の電子ビーム直描向けIC設計環境ソフトウエア「DFEB:design for e-beam(以下、DFEB)」を利用して、直描技術を用いたICの開発/実証作業を共同で行っていく。

 3社の役割は、富士通マイクロエレクトロニクスが設計を担当し、D2S社がDFEBを提供し、イー・シャトルが製造を担当する。当面の計画としては、直描によるICの試作サービスや小規模生産を目標とし、65nmプロセスでの評価用テストチップの製造を開始するという。

 富士通マイクロエレクトロニクスでASIC/COT事業部 国内ASICマーケティング部部長を務める朝日出弘之氏は、「電子ビーム直描では、フォトリソグラフィ技術で必要となる高額なフォトマスクが不要なため、ICの製造コストを大幅に削減することが可能だ」とそのメリットを説明する。

 従来の電子ビーム直描方式として知られる可変整形ビーム(VSB:Variable Shaped Beam)方式は、さまざまなパターン形状の描画に対応できる半面、ショット数が増加するためにスループットが低下するという課題があった。現状、スループットを向上させるために、繰り返し性のある図形を形成したステンシルマスクを使用することでショット数を削減する部分一括露光(CP:Character Projection)方式を併用する方法などが考えられている。

 このCP方式について、D2S社の会長兼CEO(最高経営責任者)を務める藤村晶氏は、「VSB方式のみの場合と比べて、CP方式を併用することでショット数を1/5ほど削減することが可能になる。ただ、これまではCP方式による高速化のメリットが十分に生かされていなかった。当社のDFEBを用いることで、VSB方式のみの場合と比べてショット数を1/25にまで削減できる。それにより、スループットを大幅に向上することが可能になる」と説明する。これまでのCP方式では、物理設計(レイアウト設計)後に図形を抽出していたのに対して、D2S社のDFEBではIC設計フローの上流にさかのぼり、論理合成の段階から図形の最適化を狙った処理を行うことで、ショット数を大幅に削減することを可能にしたという。富士通マイクロエレクトロニクスの朝日出氏は「今後はDFEBを導入することで、さらに電子ビーム直描でのIC製造コストの削減や製造期間の削減が可能になると期待している」と述べている。

 イー・シャトルの代表取締役社長を務める土川春穂氏は、「現在はシングルビーム方式の電子ビーム描画装置を用いている。その処理能力は300mmウェーハで0.1wph(ウェーハ/時)程度だ。DFEBを導入することで、2009年から2010年にかけて処理能力を5~10倍程度にまで高めていきたい。さらに、将来的にはマルチビーム方式の電子ビーム描画装置を導入することなどで処理能力のさらなる向上を図り、直描でICを量産できるレベルにもっていきたい」と語った。

(鉄井 亮一)



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