Design Ideas

ミキシング機能を備えた増幅回路

[2008年11月号]

By Guus Colman/Guy Torfs/Johan Bauwelinck/Jan Vandewege ベルギーINTEC/IMEC/ゲント大学
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図1 ミキシング機能を備える増幅回路
図1 ミキシング機能を備える増幅回路
オペアンプによって構成した非反転増幅器がオン/オフすることによって、ミキシング動作が行われる。

 周波数変換を要する多くの回路では、増幅回路(バッファ回路)、ミキシング回路、フィルタ回路が使われる。この種の回路では、ミキシング回路の前段に置く増幅回路にミキシング機能を担わせることができる。本稿では、これを実現するための低コストの回路を紹介する(図1)。

 この回路では、パワーダウン機能(スイッチ)を備えたオペアンプを使用する。発振器が生成する矩形波をパワーダウン用の端子に加えると、オペアンプがオン/オフのスイッチング動作を行い、結果として入力信号に対する周波数変換が行われるという仕組みである。この例では、オペアンプとして米Analog Devices社の「AD8063」を使用している。この製品は低価格で、300MHzの帯域幅を有し、レールツーレール出力で動作するという特徴を備えている。

 図1の回路は4kΩの負荷を駆動する非反転増幅器として動作する。増幅度は、2個の抵抗R1、R2で決まり、図の回路定数の場合、増幅度は20dBである。ただし、この増幅度については、スイッチングロスのことを考慮しなければならない。オペアンプ内部のパワーダウン用スイッチが理想的なもので、矩形波のデューティ比が50%であるとすると、増幅度は10dBとなる。また、スイッチングにより電源がオン/オフするが、デバイスのターンオン/ターンオフ時間が増幅度に影響を与えるので特性が非線形となる。AD8063のターンオン時間は40nsで、ターンオフ時間は300nsである。ターンオンに比べターンオフが遅いためデューティ比が50%以上になって増幅度は10dBよりも高くなる。

 図2に、この回路の増幅度の評価結果を示した。入力信号を12kHzの信号に変換した場合に、増幅度がどのように変化するかを表している。なお、この増幅度はR1、R2の値を変更することで容易に調整できる。

 この回路でもう1つ課題となるのは、ミキシング機能のAC特性における信号の歪(ひずみ)である。例えば、5MHzの入力信号を12kHz(1Vppの出力信号)に変換する場合、この回路では35dBの2次高調波と43dBの3次高調波が発生する。また、この回路で2つの正弦波の周波数を変換する場合、内部変調歪が問題になる。例えば5MHzと5.002MHzの信号をそれぞれ12kHzと14kHzの信号に変換すると、47dBの内部変調歪が発生する。


図2 図1の回路の増幅度
図1の回路において、発振器からの矩形波のデューディサイクルが50%で、入力信号を12kHzの信号に周波数変換した場合の増幅度を表す。図1の2個の抵抗R1、R2を変更することで、増幅度は容易に調整できる。




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