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新日本無線、テレビ向けと車載向けのオーディオDSPを拡充
[2008年10月号]
「セリフの明瞭化」を実現
テレビやオーディオ機器では、小型化/薄型化が進み、スピーカシステムにもその影響が及んでいる。すなわち、より小型なスピーカが使われるようになり、高品位な音源の再生環境としてふさわしいとは言えないケースが少なくない。また、音楽などに比べ、テレビ放送などにおける人の声は、BGM(Background Music)や効果音などにかき消されて聞き取りにくいといった問題もある。
このような背景の下、新日本無線は以前から「セリフ(人の声)をより明瞭に聞かせること」を目標にDSP製品の開発を続けてきた。例えば、2007年5月に発表した同社のDSP「NJU26120」では、セリフの明瞭化のために「ダイアログブースト」と「DRC(ダイナミックレンジ圧縮)」という2つのアルゴリズムを新たに盛り込んだ。ダイアログブーストは、L/Rチャンネルの音声データを基に、センター位置における成分を強調する機能である。一方のDRCは、片側チャンネルのみ大音量である場合に、AGC(Auto Gain Control)処理によって反対側のチャンネルまで音量が抑えられて、セリフが不自然に聞こえてしまうことを防ぐ機能だ。そして、セリフの明瞭化のために、さらなる機能の追加/改良を加えた製品が今回のNJU26123である。
同社従来品のDRC機能では、全帯域に対して一律に圧縮処理を行う。それに対し、NJU26123ではDRC処理の部分にHPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)の処理も盛り込んだ。両フィルタによって高音域と低音域に分割し、それぞれの音域に対してDRCをかけるのである。そのため、システムのダイナミックレンジを最大限に活用することが可能となり、BGMなどの臨場感を損なうことなく、セリフも明瞭に聞くことができるという。また、HPF/LPFはFIR(Finite Impulse Response)型のフィルタ演算で実現されている。FIRフィルタを使用すると、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタよりも急峻な減衰特性を得ることができるが、演算数が多く、DSPの演算能力の多くの部分を費やしてしまうという難点があった。NJU26123では、DSPの演算性能を向上することでFIRフィルタの利用が可能になったという。なお、HPF/LPFのカットオフ周波数は、パラメータの設定により、10種類から選択できる。カットオフ周波数をいずれに設定しても、フィルタの減衰特性は変わらないという。
また、NJU26123は10バンドのPEQ(パラメトリックイコライザ)とトーンコントロールの機能も備えている。PEQについては、新日本無線の従来品では5バンドまたは7バンドであったが、各種機器のスピーカシステムの特性に応じてより細かい調整が行えるよう10バンドに増やしたという。機器設計者はPEQで音質を調整し、エンドユーザーはトーンコントロールで調整できるようになっている。
NJU26123の動作電源電圧は3.3V。内部回路の電源電圧は1.8Vだが、この電圧は、同製品が内蔵するレギュレータによって生成する。サンプリング周波数は32kHz、44.1kHz、48kHzに対応。制御インターフェースはI2Cで、入力ポート/出力ポートをそれぞれ3つ備えている。24端子SSOPで提供され、サンプル価格は500円。
このような背景の下、新日本無線は以前から「セリフ(人の声)をより明瞭に聞かせること」を目標にDSP製品の開発を続けてきた。例えば、2007年5月に発表した同社のDSP「NJU26120」では、セリフの明瞭化のために「ダイアログブースト」と「DRC(ダイナミックレンジ圧縮)」という2つのアルゴリズムを新たに盛り込んだ。ダイアログブーストは、L/Rチャンネルの音声データを基に、センター位置における成分を強調する機能である。一方のDRCは、片側チャンネルのみ大音量である場合に、AGC(Auto Gain Control)処理によって反対側のチャンネルまで音量が抑えられて、セリフが不自然に聞こえてしまうことを防ぐ機能だ。そして、セリフの明瞭化のために、さらなる機能の追加/改良を加えた製品が今回のNJU26123である。
同社従来品のDRC機能では、全帯域に対して一律に圧縮処理を行う。それに対し、NJU26123ではDRC処理の部分にHPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)の処理も盛り込んだ。両フィルタによって高音域と低音域に分割し、それぞれの音域に対してDRCをかけるのである。そのため、システムのダイナミックレンジを最大限に活用することが可能となり、BGMなどの臨場感を損なうことなく、セリフも明瞭に聞くことができるという。また、HPF/LPFはFIR(Finite Impulse Response)型のフィルタ演算で実現されている。FIRフィルタを使用すると、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタよりも急峻な減衰特性を得ることができるが、演算数が多く、DSPの演算能力の多くの部分を費やしてしまうという難点があった。NJU26123では、DSPの演算性能を向上することでFIRフィルタの利用が可能になったという。なお、HPF/LPFのカットオフ周波数は、パラメータの設定により、10種類から選択できる。カットオフ周波数をいずれに設定しても、フィルタの減衰特性は変わらないという。
また、NJU26123は10バンドのPEQ(パラメトリックイコライザ)とトーンコントロールの機能も備えている。PEQについては、新日本無線の従来品では5バンドまたは7バンドであったが、各種機器のスピーカシステムの特性に応じてより細かい調整が行えるよう10バンドに増やしたという。機器設計者はPEQで音質を調整し、エンドユーザーはトーンコントロールで調整できるようになっている。
NJU26123の動作電源電圧は3.3V。内部回路の電源電圧は1.8Vだが、この電圧は、同製品が内蔵するレギュレータによって生成する。サンプリング周波数は32kHz、44.1kHz、48kHzに対応。制御インターフェースはI2Cで、入力ポート/出力ポートをそれぞれ3つ備えている。24端子SSOPで提供され、サンプル価格は500円。
車載向けのDAEPに対応
車載向けのNJU26209の特徴は、米Dolby Laboratories社がカーオーディオ製品向けに提供するアルゴリズム「DAEP(Dolby Automotive Entertainment Program)ドルビーサラウンド・コンサート・エディション」を搭載したことである。このアルゴリズムには、大きく3つの技術が含まれている。1つ目の「ドルビープロロジックⅡ」は、ステレオ入力から5.1チャンネルのサラウンド信号を生成するデコード技術である。2つ目の「オーディオイメージエンハンスメント」は音像の前方定位を提供する機能で、自動車内の座席の位置にかかわらず、正面から音が聞こえるような効果が得られる。3つ目の「アドバンスドサラウンドフェーダー」は、センター用、サラウンド用の音源を任意の割合でフロントスピーカやサラウンドスピーカに振り分けることができる技術である。DAEPを搭載して、車内のどの座席にいても同じようなサラウンド効果や自然な音像定位を得ることができるという。また、例えば後部座席でDVDを鑑賞する場合に、その音声は後部座席のみに流し、運転席には静かな環境を提供するといったことも可能になる。
NJU26209の電源電圧は3.3V。サンプリング周波数は44.1kHzと48kHzに対応する。制御インターフェースはI2Cで、入力ポート/出力ポートはそれぞれ4つ備えている。44端子SSOPで提供され、サンプル価格は500円。
(村尾 麻悠子)
連絡先:問い合わせページ、http://www.njr.co.jp/j_frame/jf_00_con.html
NJU26209の電源電圧は3.3V。サンプリング周波数は44.1kHzと48kHzに対応する。制御インターフェースはI2Cで、入力ポート/出力ポートはそれぞれ4つ備えている。44端子SSOPで提供され、サンプル価格は500円。
(村尾 麻悠子)
連絡先:問い合わせページ、http://www.njr.co.jp/j_frame/jf_00_con.html
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