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三洋のLiイオン電池制御用MOSFET、オン抵抗10.5mΩ品などをラインアップ
[2008年09月号]
写真1 リチウムイオン電池制御用のMOSFETシリーズ
左から「EFCP」、「EMH8」、「ECH8」の各シリーズ。
一般に、携帯機器に使用されるリチウムイオン電池の制御回路では、充放電の制御や過剰電圧/電流からの保護のためにMOSFETが用いられる(図1)。このMOSFETは電池と直列に接続するので、MOSFETでの電力損失を抑えることが、機器の駆動時間を伸ばすことにつながる。そのため、MOSFETのオン抵抗を抑えることが鍵となる。また携帯機器の小型化、薄型化に伴い、MOSFETにも小型化の実現が要求されるようになっている。制御回路基板のサイズがMOSFETによって決まる場合があるからだ。こうした背景から、低オン抵抗化と小型化を追求した製品が、今回発表された3シリーズである。
その中でも特に低いオン抵抗を実現したのがECH8シリーズで、最も低いのは「ECH8651R」の10.5mΩ(ドレイン‐ソース間のオン抵抗とパッケージの抵抗成分を足した値)。このような値を実現できた理由は主に2つある。まず、全シリーズとも、三洋半導体の第4世代トレンチプロセス(セルピッチが2.1μmの0.25μmプロセス)のチップを採用し、寄生抵抗を低減したことが挙げられる。次に、クリップボンディング技術を適用し(ECH8とEMH8に適用)、パッケージそのものの抵抗成分を下げたことである。従来品ではチップと電極の接続に金線ワイヤーを用いていたが、この場合、金線ワイヤーの抵抗成分だけでオン抵抗が10mΩ~50mΩ増えてしまうことになる。ECH8シリーズでは、金線ワイヤーの代わりに幅の広い銅フレームを使う。銅フレーム(リードフレーム)で半導体チップを挟んで接続し、外部端子まで引き出すイメージである(図2)。これにより、パッケージによる抵抗値を1mΩまで引き下げることに成功した。ECH8シリーズの外形寸法は、リチウムイオン電池の制御回路で一般的に使われている2.9mm×2.8mm×0.9mmである。
低いオン抵抗を実現しつつ、小型化/薄型化を狙ったのがEMH8シリーズである。EMH8シリーズもクリップボンディング技術を適用した製品で、外形寸法は2.0mm×2.1mm×0.75mm。EMH8シリーズで最もオン抵抗が低いのは「EMH2407」の19mΩ。三洋半導体によると、「ECH8/EMH8シリーズは、同等パッケージサイズの製品に比べ、業界トップクラスだ」という。
さらに、EFCPシリーズでは、さらなる小型化を実現するために、CSP(chip size package)を採用している。同シリーズの外形寸法は、1.61mm×1.61mm×0.55mm、または1.81mm×1.81mm×0.55mm。これはECH8シリーズに比べて実装面積で約70%、実装高で約40%低減したことになる。現在、リチウム電池に用いられている制御回路基板の幅は2mmまたは3mmが主流だが、3シリーズともこれらの基板に余裕を持って実装できるという。なお、EFCPシリーズでオン抵抗が最も小さいのは「EFC4602」の28mΩ。この値はバックツーバック接続におけるソース‐ソース間のオン抵抗なので、トランジスタ1つ当たりは14mΩということになる。
また、11製品のうち9製品では、ドレイン‐ソース間の耐圧を標準的な20Vから24Vまたは30Vまで引き上げた。充電器からの電圧は通常、4.2Vほどだが、車のバッテリから直接電圧を得るといったイレギュラーな条件が発生したケースも考慮したいとの顧客の要望を受けてマージンを広げた。
三洋半導体によれば、1セルリチウムイオン電池の制御回路で用いられるMOSFETの同社世界シェアは、2006年度で14.6%。2008年度のシェアを16%以上に引き上げることを目標とし、積極的に生産、開発、販売を行っていきたいとしている。
(村尾 麻悠子)
連絡先:パワーマネジメント事業本部 ハイパーデバイス事業部 HD商品企画部、0276-61-8055
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