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Sam Rogan 氏
ザイリンクス代表取締役社長

世界で得た知識を活用、システム提案力でASICに勝つ

[2008年09月号]

米Xilinx社は、世界市場で見ればFPGAベンダーの中でトップの座にある。しかし、日本市場に限ると2位という立場に甘んじているのが現状である。国内での巻き返しの鍵となるものとは何なのか。2008年5月、同社日本法人であるザイリンクスの代表取締役社長に就任したSam Rogan氏に話を聞いた。


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日本法人の新たな目標と、それを達成するための施策は

現状、Xilinx社の世界全体の売り上げのうち、日本での売り上げは10%くらいの割合を占める。この数字を5年ほどで25%くらいまでに高めることが目標だ。そのために注力する分野として、通信、放送、ディスプレイ(液晶テレビやプラズマディスプレイテレビ)、医療、テスト、車載、プリンタ、FA、ハンドヘルド、監視カメラの10個のテーマを考えている。

 中でも、通信、放送、ディスプレイの3つがポイントになる。これら3つはFPGA全体として見た場合には市場規模が大きいのにもかかわらず、国内では当社がシェアをとれていない分野。ここを強化すれば、競合するFPGAメーカーとのシェアを逆転できると考えている。

各分野での戦い方とは

まず、通信、放送については、顧客の数が限られている。これらの分野では、競合するFPGAベンダーとの勝負になる。ここで勝つための決め手となるのは、顧客に対する営業活動だ。これまで、日本法人はこの部分が弱かった。

 今後の当社の営業活動では、「走る」をキーワードにしたいと考えている。その意味は、切迫感を持って事にあたるということだ。例えば、顧客から何らかの質問や要求があったとする。ここで重要なのは、仮に今日答えられなくても、明日には必ず答えるという姿勢だ。海外では、システム設計において、Xilinx社の製品を使うことが前提になっているケースがあるが、日本ではそうではない。従って、顧客は1週間も返事を待ってくれはしないので、迅速な対応が重要になる。

 その上で、システム提案力で勝ち抜いていきたい。デバイスを販売するためには、提案力が鍵となる。当社の従来の営業活動では、これまで用途に応じて製品の優位性を説明するアプローチが不十分だった。顧客が抱いているイメージを覆すことができず、本来なら実現できることが実現できていない。デバイス単体での価格ではなく、システムコストを有利な方向に持っていける提案を行っていかなければならない。システム技術力についてはもちろん顧客のほうが上だが、Xilinx社はワールドワイドの活動を通じて多くの知識やノウハウを得ている。これは、国内外を問わず活用できる財産だ。そこを切り口として、顧客にも気付けなかった部分の提案を行っていきたい。

もう1つ、ディスプレイ分野を重視している理由を教えてほしい

ICベンダーから見た日本市場の魅力は、たくさんのアプリケーションが存在することだ。特に、ほかの国との違いは民生分野が強いところ。従って、Xilinx社の日本法人である当社としては、この分野を是が非でも強化しなければならない。

 民生分野では、ハンドヘルドなども重視しているが、特に市場規模の大きいディスプレイ製品がポイントになると考えている。液晶テレビやデジタルテレビのタイミングコントローラ、リセットコントローラのほか、追加のインターフェースがほしい、あるいは新しい仕様が登場してそれに対応しなければならないといった場合にFPGAが選ばれるだろう。

民生分野にかける意気込みは

この分野では、通信、放送とは異なり、競合相手はASICベンダーとなる。日本では、ASICが選択されるケースがほかの国よりも数倍多い。ASICとの勝負に勝つことができれば、FPGAベンダーのシェアを奪うよりも数倍高い効果が得られる。換言すると、FPGAのビジネスで半導体市場全体におけるシェアの拡大を図るためには、最大の競合であるASICとの勝負に勝たなければならない。

 日本市場で勝つためには、日本の民生アプリケーション向けにIP(intellectual property)を開発する必要も出てくるだろう。そしていずれは、日本法人を、Xilinx社の民生向け製品の仕様を決定する立場にまで持っていきたい。民生分野では日本がトップなので、この分野の製品仕様策定においては日本がリーダーシップをとるべきだ。

(聞き手=飴本 健)



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