すなわち、ハイレベルの定格値とローレベルの定格値の平均値から、信号源であるドライバの駆動能力の非対称性に対する補正項を減算した値である。この式において電流の極性は、ソース(供給)電流IOHを正、シンク(吸い込み)電流IOLを負としている。従って、これらの電流の絶対値が同じであれば、加算値(補正項)は0になる。
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スプリットターミネーション
[2008年08月号]
図1 単一抵抗による終端と、2個の抵抗による終端(スプリットターミネーション)
抵抗R1が、(c)に示す式の終端インピーダンス条件、および(d)に示す駆動電流条件の両方を満足する場合、(a)と(b)の終端回路は同等に機能する。
ここで、終端抵抗、終端電圧、電源電圧(VCC)が任意に与えられているとする。ただし、VCCは終端電圧よりも高い値である。この場合、図1(b)の抵抗R1、R2を次式から求めた値にすれば、伝送ラインから見える回路動作は図1(a)の回路動作と同様になる。
上式に従ってきちんと計算すれば、スプリットターミネーションの設計の大半は完了したと言える。次なる問題は、得られた計算値がどのような値かにかかわらず、その値に正確に一致する部品が入手不可能なものであるか否かということである。それぞれの部品には許容誤差があるし、標準抵抗の値はとびとびになっているからだ。
終端抵抗の値に一定の誤差があると仮定し、電源電圧にある程度の変動を許容しても回路を正常に動作させるためには、図1(c)、(d)に示す式によって最悪の条件について検討する必要がある。このような条件を抵抗R1が満足するならば、図1(b)の回路は図1(a)の回路と同様に動作する。ただし、最小値や最大値を考える場合には、温度の変動や経時変化などの影響も考慮に入れなければならない。いずれにしても、適切な数値は求めるには、条件に応じた十分な検討が必要である。言い換えれば、どんな場合にでも無条件に使えるような設計法は存在しない。
図1(c)、(d)に示した条件が満足できない場合には、終端抵抗の目標値を高くして再検討するとよい。終端条件の精度が同等に保たれるわけではないが、終端抵抗の値を高くすれば、回路定数に対するマージンが大きくなる。また、R1とR2に対する許容精度にはある程度の融通が利く。つまり、R2を高精度に設定すればR1の許容範囲が広がり、その逆も成り立つ。
抵抗値の選定に関しては、これ以上に深くは立ち入りできない。アナログ回路の部品選定では、精度要件のすべてを満足させるために常に最後の最後まで検討を要するからである。
本稿のまとめとして筆者が指摘したいことは、図1(a)の回路をよく分析し、図1(b)の2個の抵抗が必要な理由と、それらの抵抗がドライバのインピーダンスおよび電流駆動能力に依存する制限条件を満足するためにどのように作用するのかを理解しなければならないということだ。
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Howard Johnson氏はSignal Consultingの学術博士。Oxford大学などで、デジタルエンジニアを対象にしたテクニカルワークショップを頻繁に開催している。ご意見は次のアドレスまで。


