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メモリー業界の“巨人”Numonyx社が始動、
Intel社とST社の技術融合で新市場を創出

[2008年07月号]

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 米Intel社、スイスSTMicroelectronics社(以下、ST社)、および投資会社の米Francisco Partners社の3社による合弁会社として設立されたスイスNumonyx社。この強力な新会社が、NOR型/NAND型フラッシュメモリーをはじめとするメモリー専業ベンダーとして2008年3月末より業務を開始した。

 Numonyx社が主に注力するのは、携帯電話機、データストレージ機器、組み込み機器などの分野である。中でも、組み込み分野については、「エンベデッドビジネスグループ」を設立し、民生用のデジタル家電、パソコン周辺機器、無線通信機器、産業用のロボットやFA(factory automation)機器などへの製品展開を推進する。

Intel社、ST社の技術を融合
Numonyx社のGlen Hawk氏
Numonyx社のGlen Hawk氏

 Numonyx社が手掛けるのは、NOR型フラッシュメモリー、NAND型フラッシュメモリー、RAM、相変化メモリー(PCM:phase-change memory)の4分野である。調査会社のデータによると、同社はすでにNOR型フラッシュメモリーでは世界市場でシェア1位、すべての不揮発性メモリー(NVM:non volatile memory)を含むメモリー市場でも世界市場でシェア3位のレベルにあるという。

 Intel社とST社が保有していたメモリー関連の特許を併せると2000件ほどにもなる。Numonyx社バイスプレジデント兼エンベデッドビジネスグループ担当ジェネラルマネジャのGlen Hawk氏(写真)は、「両社の技術を組み合わせることで相乗効果が得られる。また、これまで別々に行っていた研究開発を統合することにより、効率化やコスト削減が図れるというメリットがある」と述べる。

 ただ、NAND型フラッシュメモリーについてはST社の資産のみが受け継がれ、Intel社の技術は対象外となる。この件に関して、Hawk氏は、「Intel社は米Micron Technology社と、ST社は韓国Hynix Semiconductor社とNAND型フラッシュメモリーの開発を進めてきたという経緯がある。それらの技術は独自のものでり、互いに異なるものである。協議の結果、当社はST社の技術を継承することになった」と説明する。

 Numonyx社は、イタリアのアグラーテ、米国のフォルサムとサンタクララの3カ所で研究開発を行い、生産体制としては、前工程と後工程の拠点をそれぞれ3カ所ずつ有している。前工程を行う自前の生産拠点としては、200mmウェーハ対応の「Fab1」(イスラエル)と「Fab2」(シンガポール)、300mmウェーハ対応の「Fab3」(イタリア)およびHynix社とのジョイントファブ(中国)を有している。後工程の拠点としてはフィリピン、マレーシア、中国(上海)に工場を有する。Numonyx社の従業員数は全世界で7000人以上になるという。

45nmのNOR品を年内出荷へ
 Numonyx社は、すでに65nmプロセスのNOR型フラッシュメモリーの量産を行っている。次世代製品となる45nmプロセスのNOR型フラッシュメモリーについては、「2008年中にもサンプル出荷を開始する予定で、2009年半ばからの量産開始を予定している」(Hawk氏)という。

 65nmプロセスまでのNOR型フラッシュメモリーはIntel社とST社が別々に開発を行ってきたものだが、「45nmプロセスのNOR型フラッシュメモリーは、両社の技術を融合した初の製品になる」(同氏)という。同社は順次、200mmウェーハ対応のFab1およびFab2で45nmプロセスのNOR型フラッシュメモリーの生産を開始し、需要に応じて300mmウェーハ対応の工場で量産を拡大していく計画である。

PCMで新規市場の創出を目指す

 一方、PCMについてはすでにサンプル出荷を開始しており、2009年からの本格量産を計画している。Hawk氏は、「PCMは革新的な技術であり、新たな市場の創出が期待できる」と述べる。

 PCMは熱による相変化を利用するメモリー技術で、既存の光学ディスクなどに使用されているゲルマニウムアンチモンテルリウム(Ge2Sb2Te5:GST)材料を利用する。「当社のPCMの書き込み速度はピコ秒レベル(実回路ではナノ秒レベルで駆動)を実現しており、NOR型フラッシュと比較しても遜色(そんしょく)がない。さらに技術が進展すれば、NAND型フラッシュメモリーを超える高速性能も期待できる」(Hawk氏)という。

 また、PCMの魅力について同氏は、「NAND型/NOR型フラッシュメモリーなどと比べてスケーラビリティに優れている点に価値がある。また、データ書き込みの際に、データ消去のプロセスが不要であるという特性もポイントの1つだ」と語った。

(鉄井 亮一)



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