Pulse

Jordan Plofsky 氏
Altera社 マーケティング シニアバイスプレジデント

40nm FPGAの開発で先行、
大規模ロジックへの対応で
用途拡大に弾み

[2008年07月号]

FPGAメーカーは最先端プロセスによる製品の開発競争でしのぎを削る。こうした中、米Altera社は2008年5月、40nm技術を用いたFPGA「Stratix IV」を発表した。「40nmプロセス技術によるチップ開発は、競合メーカーに比べて6~9カ月は先行できた」と語る同社のJordan Plofsky氏に、40nm製品が業界に与えるインパクトや、現在注力している分野などについて聞いた。


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40nm技術の新製品は業界にどのような刺激を与えるのか

当社のStratix IVファミリは、40nmプロセスを使ったFPGAとしては業界初のものとなる。同じプロセスを用いたFPGAベースのASIC「HardCopy IVファミリ」も同時に発表した。これらの新製品では、一般的なASICに換算すると1300万ゲート以上の規模のロジック回路をFPGAに搭載することが可能となった。40nm製品により、これまでゲート数が足りず従来のASICしか使うことができなかった用途でも、FPGAによる対応が可能となった。

 しかも、従来のASICの開発コストはプロセスの微細化に伴って肥大化している。大量生産が見込めない用途において、先端プロセスのASICを開発していたのではコスト面で採算が合わなくなった。この点でもFPGAはより優位となる。

一般的なASICの開発コストとして採算分岐点はどれくらいか

一例だが、90nmプロセス技術を使った場合、累計生産個数が20万個を超えればASICを開発するメリットがあった。それが40nmになると、累計生産個数が100万個を超えなければASICでは開発コストを回収できないのではないか。

 このような理由から、既存のASICユーザー以外にも、StratixファミリとHardCopyファミリを利用して製品開発を行う企業がすでに出てきた。40nm世代になればこうした動きが加速されていくだろう。

 ASICやASSPからFPGAやHardCopyのような製品に移行している大きな理由は開発コストの問題だが、開発期間の短縮とビジネス上のリスクの軽減を図る狙いもある。ASICやASSPを開発しても、そのチップを搭載した製品が市場で受け入れられるかどうかを事前に見極めるのは難しい。それが判明するまでの間、FPGAやHardCopyのような製品を利用すれば、在庫管理などの点でもそのメリットを生かすことができる。

次世代プロセスとして45mnではなく40nmを選択したのはなぜか

大きく2つの理由がある。1つは40nmを使えば、45nmより17%も集積度を高められることである。2つ目は生産を委託する台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社の技術的なアドバンテージだ。TSMC社の40nmプロセス技術は、193nm液浸リソグラフィ、Low-k材料および歪(ひずみ)シリコンなどを採用していることを特徴とする。2年前からテストチップを作るなど、両社で共同開発を続けてきた。その結果、チップの歩留りは65nmプロセス製品と同等かそれ以上のレベルに達している。単位面積当たりのチップの故障率も低い。40nmプロセス技術によるチップの開発は、競合メーカーに比べて6~9カ月は先行できたと考えている。

現在、特に注力している分野はどこか

民生電子機器や自動車分野に力を入れている。特に自動車向けは「オートモーティブグレード」の製品を用意しており、世界的に見て当社の売り上げは拡大している。米国の調査会社によると、自動車向けFPGAの世界市場は2007年で1500万米ドルと見られ、2012年には4億米ドルに拡大すると予測されている。

 当社のFPGAが使われる車載の用途としては、グラフィックスディスプレイの画像処理関連が多い。例えば、カーナビゲーションシステムは高機能モデルから普及モデルまで製品群は幅広い。このような用途では、FPGAを使うことで、画像処理用のASSPよりもスケーラビリティが得られるというメリットがある。

 現在、車載用途においては、当社製品の中ではCPLDファミリの「MAX」が多く使われている。最近では低価格FPGAファミリの「Cyclone」も車載用途で使われ出した。

 自動車向けのビジネスを展開していくために、当社だけでなく、前工程やパッケージング/テスト工程のパートナ企業も自動車業界の品質規格であるTS-16949の認定を受けている。

(聞き手=馬本 隆綱)



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