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インテルのモバイル向け45nmプロセッサ「Atom」、
高い性能と少ない消費電力を両立

[2008年05月号]

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 インテルは2008年4月、モバイルインターネット端末(MID:mobile internet devices)や小型パソコン向けプロセッサの新ブランド「Intel Atom」(開発コード名:Silverthorne)と、同ブランドの新製品5品種を発表した。同社のHigh-k(高誘電率)ゲート絶縁膜/メタルゲート技術を採用した45nmプロセスで製造され、小型化/低消費電力化が実現されている。インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏によれば、「300mmウェーハ1枚から約2500個のチップを製造することができる」という。

1.86GHzで消費電力は3W以下
 今回発表されたAtom製品は「Z500」、「Z510」、「Z520」、「Z530」、「Z540」の5品種。動作周波数はそれぞれ800MHz、1.1GHz、1.33GHz、1.6GHz、1.86GHzである。Atomの特徴について、インテル技術部長の土岐英秋氏は、「4700万個ものトランジスタを搭載しながら、当社製品としては最小となる25mm2(7.8mm×3.1mm)以下のチップサイズを実現している。消費電力3W以下のプロセッサとしては世界最速である」と語る。

 また、「Atomの熱設計電力(TDP:thermal design power)は、現在主流のノート型パソコン向けプロセッサが約35Wなのに対して、わずか0.65~2.4Wで、平均消費電力160~220mW、アイドル時の消費電力80~100mWを達成した」(同氏)という。

 Atomの開発に当たっては、「設計段階から高い性能と少ない消費電力の両立を目指した」(土岐氏)という。同氏は、「通常、プロセッサの性能を1%向上すると、消費電力は3%ほど増加する。当社のプロセッサでも、性能を1%向上させると、消費電力は2%ほど増加していた。Atomでは、性能を1%向上させるのに、消費電力の増加を1%に抑えることに成功した」と説明する。

 Atomでは、消費電力を大幅に低減するために、「Intel Deep Power Down Technology(C6)」、「CMOSモード」、「スプリットI/Oパワーサプライ」といった複数の電力管理技術を採用している。これらのうち、Intel Deep Power Down Technologyは、プロセッサのアイドル時の消費電力を下げる技術で、「これまでにない最低電力状態(C6ステート)を実現することに成功した」(土岐氏)という。C6ステートとは、CPUコア、PLL、L1/L2のキャッシュなどがオフになった状態であり、それらがすべてオンになった状態(C0ステート)と比べて、わずか6%の消費電力に抑えることができるという。実際に計測した数値は、C6ステート時に100mW(Z540の場合)で、これまでにない低消費電力を実現した。

Centrino Atomも併せて発表
図1 「Atom」(左)と「システムコントローラハブ」(右)
図1 「Atom」(左)と「システムコントローラハブ」(右)

 インテルは、Atomの発表と同時に、ポケットサイズのモバイル通信端末機器向けプラットフォーム「Intel Centrino Atom」(開発コード名:Menlow)の発表も行った。このCentrino Atomは、Atomプロセッサに加えて、グラフィックス機能を内蔵した低消費電力コンパニオンチップの「システムコントローラハブ(SCH)」、ワイヤレス接続機能などを搭載している(図1)。SCHは、ノースブリッジとサウスブリッジを1チップに収めたもので、3Dグラフィックス機能などを統合している。1080iと720pフォーマットに対応し、HD(高品位)ビデオコンテンツの再生が可能だという。

 インテルによると、Centrino Atomを搭載したMID製品は2008年夏にも複数の機器メーカーからリリースされる予定だという。

(鉄井 亮一)



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