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カーボンナノチューブ利用のバイオセンサー、
ミツミ電機と北大が開発

[2008年04月号]

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 ミツミ電機は、2008年2月に開催したプライベートショー「MITSUMI SHOW 2008」で、カーボンナノチューブを利用した電界効果トランジスタ(FET)構造により、感染症の原因となるウイルスを従来よりも大幅に優れた感度で検知できるバイオセンサーを参考出展した(図1)。北海道大学人獣感染症センターとの共同開発案件で、2006年10月に設立した有限責任事業組合「感染症診断キットLLP」をベースに2009年以降での事業化を目指している。

図1 高感度バイオセンサーの試作品
図1 高感度バイオセンサーの試作品
抗体を塗布したゲート部を表面にしてモジュールの中央に実装されている。


 カーボンナノチューブFETは、表面を酸化させたシリコンウェーハ上に、触媒を使ってカーボンナノチューブを成長させ、その上にソースとドレインとなる電極パターンを形成することで製造する(図2)。電極間の距離は約6μmであり、1~3本の半導体特性を持つカーボンナノチューブで電極を接続している。

図2 バイオセンサーに用いるカーボンナノチューブFETの構造(提供:ミツミ電機)
図2 バイオセンサーに用いるカーボンナノチューブFETの構造(提供:ミツミ電機)
左側のソース電極と右側のドレイン電極を、1~3本の半導体特性を持つカーボンナノチューブで接続している。裏側のゲート部に抗体を塗布しており、抗原抗体反応により生じる電圧電流特性の変化からウイルス(抗原)を検知する


 裏側のゲート部には抗体を塗布してあり、ウイルスなど感染症の元となる抗原が周辺環境に存在した場合には、抗体と抗原との間で起こる「抗原抗体反応」によりカーボンナノチューブFETの電圧電流特性が変化する。抗原抗体反応が起こる前の電圧電流特性を参照し、その差分から抗原の有無、濃度などを検知できる。「従来の製品に比べて感度は数千~数万倍」(ミツミ電機)だという。今後は、感染症診断キットLLPへの医療機器メーカーの参加を募り、検査機器としての実用開発も進める。将来的には、小型、軽量、安価なウイルス検出キットとして展開し、新型インフルエンザウイルスの感染拡大の防止などにも役立てていく方針だ。

 製造面での課題は、半導体特性を持つカーボンナノチューブを選択的に成長させる反応条件を明確にすることである。「金属特性を持つカーボンナノチューブが存在するとセンサー感度が低下する。電圧をかけることで金属特性を持つほうだけ焼き切るという方法もあるが、それでは製造に手間がかかる」(ミツミ電機)という。

(朴 尚洙)



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