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富士通がLSI事業部門を分社化、
新社名は「富士通マイクロエレクトロニクス」

[2008年03月号]

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写真1 富士通マイクロエレクトロニクスの社長に就任する小野敏彦氏
写真1 富士通マイクロエレクトロニクスの社長に就任する小野敏彦氏

 富士通は2008年2月に開催した取締役会で、LSI事業を分社化して同年3月21日付で新会社を設立することを決めた。この半導体新会社は2010年度に売上高約6000億円、売上高営業利益率7%を目標とする。社名は「富士通マイクロエレクトロニクス」(本社=東京都新宿区西新宿)で、社長には富士通の副社長を務める小野敏彦氏(写真1)が就任する。資本金は600億円で、富士通が全額出資する。

 新会社は、LSIの設計や開発、製造、販売を行い、また電子デバイス製品の販売を行う「富士通エレクトロニクス」をはじめ、LSI事業に関連する富士通の子会社や関連会社を傘下に置く(新光電気工業、富士通コンポーネント、富士通メディアデバイスは従来どおり富士通の子会社)。

 また、90nmプロセス以降の技術開発拠点を現在のあきる野テクノロジセンター(東京都あきる野市)から、三重工場(三重県桑名市)に移管することも決めた。90nm以降の先端プロセス技術の開発と量産試作は三重工場に集結する。これまで、先端プロセス技術の開発と量産試作はあきる野テクノロジセンターで行ってきたが、今回の決定に従って、同テクノロジセンターにある関連の開発/製造設備の移管を2008年3月から始める。また、45nm世代のプロセス技術開発の拠点はすでに三重工場に移管中で、2008年度上期には移管が完了する見通し。三重工場への設備移管などに伴う費用は約100億円を見込んでいる。

 富士通のLSI事業部門は、ロジックLSIを中心にチップの設計から量産までを手掛けるIDM(integrated device manufacturer)と、顧客との共同開発を含めてチップの製造を受託するCOT(customer owned tooling)の特徴を組み合わせたビジネスモデル「New IDM」を展開している。製品分野としては、90nm/65nmプロセスを使ったASICやASSP(特定用途向け標準IC)をはじめ、マイコンやシステム電源などに力を入れている。また、富士通は同社が開発したモバイルWiMAX対応のベースバンドチップを使い、WiMAXを利用したアプリケーションプラットフォームの開発と技術サポートを行う新会社「台湾ソリューションAEセンター」(仮称)を、台湾の非政府系組織「Institute for Information Industry」と合弁で、2008年3月にも台湾台北市に設立する予定である。先端技術によるASIC/ASSPの設計力や製造力を同社半導体事業の強みとして、社内外でパートナとの連携を強めてきたが、分社化によりこうした動きをこれまで以上に加速していく考えだ。

 小野氏はLSI事業の分社化に踏み切った理由として、「市場の変化に対応するために最適な事業規模でタイムリーな判断と自由度の高い経営を行う」ことを挙げ、価格下落などが激しい半導体業界で生き残りをかけることを強調した。また、これまで4年間、先行投資して開発に取り組んできたASSPについて、チップ開発に必要となる画像処理や無線通信、セキュリティなどのコア技術や、それに関連するソフトウエア開発など、事業を推進していく上での技術基盤が整い、「2008年以降はASSP製品の売上高が伸びると確信している」(小野氏)と語った。ただ、次世代半導体技術の共同開発など他社との提携については「白紙の状態」と述べるにとどまった。

(馬本 隆綱)



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