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アセロスのIEEE 802.11n対応チップ、
仕様制定の遅れにも柔軟に対処
[2008年02月号]
アセロス・コミュニケーションズ(以下、アセロス)は2007年12月、IEEE 802.11nのドラフト2.0に準拠するノート型パソコン向け無線LANチップを発表した。ここでは、IEEE 802.11nの仕様制定の状況を踏まえ、この無線LANチップの概要を紹介する。
仕様制定の遅れへの対応
IEEE 802.11nは、MIMO(multiple input multiple output)技術などによってIEEE 802.11a/b/gの約2倍の通信距離と5~10倍の伝送速度を実現することを期待されている無線LANの規格である。基本仕様が複雑である上に多数のオプションを持つため、仕様制定時期の延期が繰り返されていて、いまだに内容が確定していない。しかし、市場ではIEEE 802.11n対応をうたう機器がすでに販売されている。その多くは、現状のドラフト2.0に準拠したものである。
アセロスの代表取締役社長を務める大澤智喜氏はIEEE 802.11n仕様の制定スケジュールについて、「2007年7月時点で、2008年10月に制定される予定から大幅に遅れて2009年7月に制定される見通しになった」と述べた。2007年9月に、最終仕様になると見込まれていたドラフト3.0に対してIEEE 802.11n委員会が投票を行ったが、議長が望んだ90%以上の賛同を得られなかった。そのためドラフト4.0を策定することとなり、仕様の確定が遅れることになったのだという
ドラフト3.0が認められなかった理由について、大澤氏は「議論の中心となっているのは、2.4GHzの周波数帯域における既存の規格との間の干渉の問題だ」と説明した。2.4GHzの周波数帯域を使用する既存の規格としてはIEEE 802.11bやBluetoothなどがある。これとIEEE 802.11nとの間の干渉の問題を回避する仕組みとしてCCA(clear channel assessment)の導入が考えられている。その仕様に関する議論が遅延の大きな原因であるという。
とはいえ、同氏によれば、「ドラフト1.0に対しては約1万件のコメントが寄せられたが、同3.0に対するコメントは884件に減少しており、議論は収束に向かっている。特に、クリティカルなコメントの数は大幅に減った」という。つまり、大きな仕様変更は行われないというのが大方の見方だ。また、「アセロスのIEEE 802.11n対応製品は、今後発生するであろう仕様変更に対してはソフトウエアの修正で対処できると考えている。すでに仕様は安定してきており、当社では心配はしていない」(同氏)と同社製品の柔軟性をアピールした。
なお、最新のスケジュールでは、2008年11月にドラフト4.0に対する投票を行い、2009年3月に上位組織であるIEEE 802.11ワーキンググループが承認して2009年7月に仕様が制定される予定だ。
一方、無線LAN製品に関連する業界団体であるWi-Fiアライアンスは、ドラフト3.0に対して認証プログラムを行う予定はない。最終仕様となる予定のドラフト4.0をベースとした認証テストのプランを2009年4月に作成し、2009年7月から最終仕様に対する認証プログラムを開始する予定だ。
アセロスの代表取締役社長を務める大澤智喜氏はIEEE 802.11n仕様の制定スケジュールについて、「2007年7月時点で、2008年10月に制定される予定から大幅に遅れて2009年7月に制定される見通しになった」と述べた。2007年9月に、最終仕様になると見込まれていたドラフト3.0に対してIEEE 802.11n委員会が投票を行ったが、議長が望んだ90%以上の賛同を得られなかった。そのためドラフト4.0を策定することとなり、仕様の確定が遅れることになったのだという
ドラフト3.0が認められなかった理由について、大澤氏は「議論の中心となっているのは、2.4GHzの周波数帯域における既存の規格との間の干渉の問題だ」と説明した。2.4GHzの周波数帯域を使用する既存の規格としてはIEEE 802.11bやBluetoothなどがある。これとIEEE 802.11nとの間の干渉の問題を回避する仕組みとしてCCA(clear channel assessment)の導入が考えられている。その仕様に関する議論が遅延の大きな原因であるという。
とはいえ、同氏によれば、「ドラフト1.0に対しては約1万件のコメントが寄せられたが、同3.0に対するコメントは884件に減少しており、議論は収束に向かっている。特に、クリティカルなコメントの数は大幅に減った」という。つまり、大きな仕様変更は行われないというのが大方の見方だ。また、「アセロスのIEEE 802.11n対応製品は、今後発生するであろう仕様変更に対してはソフトウエアの修正で対処できると考えている。すでに仕様は安定してきており、当社では心配はしていない」(同氏)と同社製品の柔軟性をアピールした。
なお、最新のスケジュールでは、2008年11月にドラフト4.0に対する投票を行い、2009年3月に上位組織であるIEEE 802.11ワーキンググループが承認して2009年7月に仕様が制定される予定だ。
一方、無線LAN製品に関連する業界団体であるWi-Fiアライアンスは、ドラフト3.0に対して認証プログラムを行う予定はない。最終仕様となる予定のドラフト4.0をベースとした認証テストのプランを2009年4月に作成し、2009年7月から最終仕様に対する認証プログラムを開始する予定だ。
1チップで802.11nに対応
アセロスが発表したドラフト2.0対応の無線LANチップは、「AR9280」と「AR9281」の2製品。両製品とも無線機能やベースバンドプロセッサ、MAC(media access control)レイヤー処理、PCI Expressインターフェースなどを1つのダイに集積し、10mm×10mmのQFNパッケージに封入したものである。競合他社の製品と比較して、チップ面積が約30%小さいという。
AR9280とAR9281の違いは対応周波数とMIMO構成数である。AR9280は2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯に対応し、IEEE 802.11nのほかにIEEE 802.11a/g対応機器との接続が行える。MIMO構成は2×2(送信×受信)であり、送信/受信の物通信速度は最大300メガビット/秒である。一方のAR9281は、AR9280の低価格版であり、2.4GHzの周波数帯だけに対応する。そのため、接続可能なのはIEEE 802.11nのほかにはIEEE 802.11g対応機器のみだ。また、MIMO構成は1×2で、送信/受信の物理速度はそれぞれ150メガビット/秒と300メガビット/秒である。主にノート型/ハンドヘルド型パソコンに向ける。量産は2008年の第1四半期を予定している。
IEEE 802.11n対応の同社従来品は、ベースバンドプロセッサとMACレイヤーチップの2つのチップで構成されていた。そのため、基板上ではMini PCI Cardサイズの実装面積を必要とした。それに対し、新製品は1チップでIEEE 802.11n対応の無線LAN機能を実現し、従来と比較して半分のHalf Mini PCI Cardサイズに抑えられる。
また、新製品はノート型/ハンドヘルド型のパソコンに採用されやすいよう、低消費電力化を目的とした以下のような機能を搭載している。
●Dynamic MIMO Power Save:データ通信量に応じてMIMO構成を変更する
●Unscheduled Automatic Power Save Delivery:受信待機時に行われるポーリングで多くの電力が消費されるため、受信側から通信の開始を知らせるトリガーを送信して無駄な受信待機の時間を削減する
●Wake-on-Wireless:自ら直接、起動パケットを解読し、メインCPUを待機状態にすることができる
大澤氏は、「2008年中に従来のIEEE 802.11a/b/gから802.11nへの移行が始まる。2009年にはIEEE 802.11n対応製品が半数以上になるだろう」と成長への期待を語った。
(小野 明久)
連絡先:代表、03-5501-4100
AR9280とAR9281の違いは対応周波数とMIMO構成数である。AR9280は2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯に対応し、IEEE 802.11nのほかにIEEE 802.11a/g対応機器との接続が行える。MIMO構成は2×2(送信×受信)であり、送信/受信の物通信速度は最大300メガビット/秒である。一方のAR9281は、AR9280の低価格版であり、2.4GHzの周波数帯だけに対応する。そのため、接続可能なのはIEEE 802.11nのほかにはIEEE 802.11g対応機器のみだ。また、MIMO構成は1×2で、送信/受信の物理速度はそれぞれ150メガビット/秒と300メガビット/秒である。主にノート型/ハンドヘルド型パソコンに向ける。量産は2008年の第1四半期を予定している。
IEEE 802.11n対応の同社従来品は、ベースバンドプロセッサとMACレイヤーチップの2つのチップで構成されていた。そのため、基板上ではMini PCI Cardサイズの実装面積を必要とした。それに対し、新製品は1チップでIEEE 802.11n対応の無線LAN機能を実現し、従来と比較して半分のHalf Mini PCI Cardサイズに抑えられる。
また、新製品はノート型/ハンドヘルド型のパソコンに採用されやすいよう、低消費電力化を目的とした以下のような機能を搭載している。
●Dynamic MIMO Power Save:データ通信量に応じてMIMO構成を変更する
●Unscheduled Automatic Power Save Delivery:受信待機時に行われるポーリングで多くの電力が消費されるため、受信側から通信の開始を知らせるトリガーを送信して無駄な受信待機の時間を削減する
●Wake-on-Wireless:自ら直接、起動パケットを解読し、メインCPUを待機状態にすることができる
大澤氏は、「2008年中に従来のIEEE 802.11a/b/gから802.11nへの移行が始まる。2009年にはIEEE 802.11n対応製品が半数以上になるだろう」と成長への期待を語った。
(小野 明久)
連絡先:代表、03-5501-4100











