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ものづくりにおける“礎石”

[2008年02月号]

By 飴本 健 EDN Japan編集長
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 初めてこのコーナーを担当しますので、まずは自己紹介から。私は大学卒業後、ある総合電機メーカーに入社しました。その会社ではICの開発業務に10年間従事しましたが、その後、IT系出版社に転職し、ソフトウエア開発者向け月刊誌の編集に携わることになりました。周囲の人には理解しづらい転職に感じられたと思いますが、「雑誌の編集者になりたい」という夢を追いかけた形です。

 転職した当時、電機メーカー時代の友人から「お前の仕事は気楽でいいな。何かミスをしても、訂正を載せるだけで済むんだから」とからかわれたことがあります。IC開発ではシミュレーションやマスク検証などの面でコンピュータの力を借りることができますが、何かしらの人為的なミスは起こり得ます。しかも、1つのミスによる損害金額が数百万円にも上るのはザラで、場合によっては、億のレベルにまで達してしまうでしょう。

 それに比べ、雑誌の編集という仕事では、ミスが原因でそれほどまでに大きな金額の損害が発生することは滅多にありません。その意味では、友人の言葉どおり、気楽な仕事とも言えます。しかし、言うまでもなく「損害」というのは金銭的なものだけではありません。製品の質が悪ければ確実に信用を失い、粗悪なものを世に出し続けていれば、あっという間に淘汰されてしまいます(顧客満足の観点からはそうあるべきだとも言えるでしょう)。「ものづくり」というくくりで考えれば、ICの開発でも雑誌の編集でも、重視すべきことは同様です。月刊誌の仕事をIC開発になぞらえて言えば、コンピュータの力を借りず、目視検図だけで毎月マスク発注を行うような心細いものですが、編集者になってからは「いかに質の高い情報を世に送り出すか」ということを目標として時を過ごしました。

 その後、2回目の転職によって再びエレクトロニクス関連の業界に戻ってきました。そして、今号からは本誌の編集長を務めることになりました。対象となる読者が異なるだけで、私の目指すところは前職のときと変わりありません。「良質の記事を良質のエンジニアに無償でお届けする」という本誌発行コンセプトを堅持すべく努めて参りますので、今後もぜひ本誌をご愛読いただきますようお願いいたします。

(飴本 健 amemoto@reedbusiness.jp

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