Design Ideas

白色LEDの出力を光フィードバック回路で安定化

[2008年02月号]

By Dhananjay V Gadre インド ネタジスバス技術研究所
この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

 LEDは種々の発光色を実現する高出力/高効率の光源として利用できることから、多くの分野で脚光を浴びている*1)。安定した発光出力を得るために、多くの場合、LEDに流す電流を制御する。LEDから効率良く光出力を取り出すには、通常、DC電圧を得るために、降圧型または昇圧型のスイッチングレギュレータ(以下、それぞれ降圧コンバータ、昇圧コンバータ)を用いることになる。

 図1に示すのは、白色LEDの駆動回路の一般的な例である。LEDと直列に接続する抵抗Rは、LEDの駆動電流を設定するために使用する。この抵抗の値は、LEDに流すべき電流値と降圧/昇圧コンバータの制御に必要なフィードバック電圧の値を基に設定する。例えば、LEDを流れる電流が100mA、必要なフィードバック電圧が1.23Vである場合、抵抗Rの値は12Ωとなる。

図1 白色LEDの駆動回路(その1)
図1 白色LEDの駆動回路(その1)
使用可能な入力DC電圧に応じて、降圧コンバータ(a)または昇圧コンバータ(b)が使用される。
 


 この抵抗で消費される電力を低減する目的で、図2に示す回路もよく使用される。この回路構成であれば、抵抗での消費電力はアンプの効果により減少する。アンプの増幅度がAであるとすると、この部分での消費電力は図1の場合に比べて1/Aとなる。

図2 白色LEDの駆動回路(その2)
図2 白色LEDの駆動回路(その2)
LEDに直列に接続した抵抗からの電圧を増幅して用いることで、抵抗で消費する電力を低減できる。


 図1、2の回路構成によるLED電流の安定化機能は、LED周辺の温度が一定に保たれる場合には良好に働く。しかし、LEDは発光色によらず周囲温度が変わると発光出力が著しく変化する*2)。典型的な出力変化率は100℃の温度変化に対して40~150%に達する。従って、周囲温度の変動が予想される場合には、LEDに流す電流を安定化するだけでは不十分となる。

 このような問題への対処策として、光を利用したフィードバック回路を用いる方法がある*3)。これを実現するには、通常であれば高価な光センサーとアンプ回路が必要となる。しかし、これについてはLEDを光センサーとして用いる方法*4)により解決できる。本稿では、この手法を利用し、LEDを安定に駆動する回路を紹介する(図3)。

図3 白色LEDの出力を安定化するためのフィードバック回路
図3 白色LEDの出力を安定化するためのフィードバック回路
この回路では白色LEDからの光出力を赤色LEDにより検出し、それを増幅して降圧コンバータの出力を制御する。


 この回路では、白色LEDの駆動用降圧コンバータとして「LM2575」を使用した。白色LED(直径10mm)からの発光出力の検出には透明パッケージの赤色LED(直径3mm)を用いる。白色LEDの発光波長範囲は十分に広いので、赤色LEDでも十分に検知可能である。60mAの電流で駆動した白色LEDからの光の照射を受けると、赤色LEDには約40mVの電圧が発生する。この回路では、赤色LEDに発生する電圧を降圧コンバータのフィードバック電圧として使用するので、赤色LEDの出力は降圧コンバータが必要とする1.23Vに整合するよう増幅度30のアンプ回路で増幅する。

 アンプ回路にはデュアルオペアンプ「LM358」を使用し、抵抗R1、R2、R3によって増幅度を設定する。オペアンプの電源には降圧コンバータへの入力となるDC電源をそのまま使用する。R1、R2、R3の値はそれぞれ270kΩ、560kΩ、10kΩである。これらのうち、R2は可変抵抗であり、この値を変更して増幅度を変えると、白色LEDに流れる電流量を調整できる。言い換えれば、R2は光出力の調整用として用いることが可能である。なお、アンプ回路の増幅度はR2の値に応じて28~84の範囲で変更できる。

 赤色LEDは白色LEDの出力を受光できるよう白色LEDの側面に取り付ける。赤色LEDのパッケージの頭の部分をヤスリによって平面状にし、白色LEDの片側面に強力な接着剤で張り付ければ動作が確実になる。

 降圧コンバータのLM2575はデューティサイクルを制御して出力電圧を安定化する。周囲温度が上昇して白色LEDの発光出力が低下した場合、その低下量に比例して赤色LEDの出力電圧が低下する。この出力電圧を降圧コンバータのフィードバック端子(4番端子)に入力すると、降圧コンバータのデューティサイクルが上昇し、出力電圧が上昇する。これに伴って、白色LEDの光出力の低下分が補われ、安定化が図られる。逆に周囲温度が低下した場合には、白色LEDの光出力が増大し、それに対応して降圧コンバータの出力電圧が低下する。これにより、光出力の安定化が実現される。

design ideas
ご寄稿のお願い

「design ideas」は米EDNの「名物コラム」です。このコラムは、電子機器設計や電子回路設計などの現場で働く技術者の皆さまからのご寄稿により成り立っています。そこで、「EDN Japan」でも半導体メーカーや電子機器メーカーの電子技術者のほか、大学などの研究者、コンサルタント業務に携わる技術者などの皆さまからのご寄稿を募集します。

【記事内容】
  • 電気/電子回路の新たな提案とその説明。
  • 半導体製品に搭載した新たな回路の紹介。
  • 半導体/電子部品の新しい使い方。
  • 半導体/電子回路の性能を引き出す、あるいは部品の弱点を補う回路の提案。
などです。上記以外のテーマについては、別途ご相談ください。

【原稿の長さ】
  • 1~2ページ。文字数は1000~1500、図版は1~2点です。
【原稿料】
  • 採用原稿に対して、400字当たり3000円(税抜き)。
【注意点など】
  • 未発表のものに限定します。
  • ご寄稿いただいた原稿は、EDN Japanで選考して、採用/不採用を決めさせていただきます。ご寄稿いただいた原稿は、お返しできません。
  • ご寄稿いただいた原稿に対して、加筆、改筆をお願いする場合がございます。
  • 掲載した原稿の版権はEDN Japanに帰属します。
  • ご寄稿いただいた原稿は、EDN Japanのほか、EDNやEDN Asia、EDN China、EDN Europeに掲載される可能性があります。

design ideasへのご寄稿に関するご質問、ご要望などは、
EDN Japan編集部、
住所:〒107-0051東京都港区元赤坂1-7-10 元赤坂ビル8F
電話:03-3402-0076、FAX:03-3402-0029
e-mail:ednjreader@reedbusiness.jp

脚注

*1)

Saab, Alfredo H, and Steve Logan, "High-power LED drivers require no external switches," EDN, July 19, 2007, p.78.

*2)

"Specifications for Nichia Warm White LED," Nichia Corp.

*3)

Santos, Bjoy, "Optical feedback extends white LEDs' operating life," EDN, Jan 18, 2007, p.84.

*4)

Gadre, Dhananjay, and Sheetal Vashist, "LED senses and displays ambient-light intensity," EDN, Nov 9, 2006, p.125.

この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

Partner Solutions

EDN RESOURCE CENTER


新着ホワイトペーパー情報




アナログ・デバイセズ - 22件
インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン - 1件
ナショナル セミコンダクター ジャパン - 9件
リニアテクノロジー - 15件
日本アルテラ - 4件
リード・ビジネス・インフォメーション - 1件