第2部:国/地域によって異なる「リファレンス設計」の意義

リファレンスソフトウエア

Global Report4 Web限定記事2

[2007年12月号]

By Nicholas Cravotta
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 ソフトウエアはハードウエアと同等に重要なものだが、業界では今でも各製品のコストはハードウエアによって生じるものであるとの認識がある。つまり、ソフトウエアは生産する製品にかかわらず比較的固定的なコストと考えられている。これに対してNIH型のOEM企業では、ソフトウエアをIP投資ととらえ、新規市場参入を狙う企業に対して参入障壁の機能を果たすものと位置付けている。こうしたOEM企業は、部品ベンダーから数多くのソフトウエアを入手しようとはしない。多くのソフトウエアを所有すればするほど、これまでのソフトウエア投資の価値を急速に目減りさせていくことになるからだ。ソフトウエアに目を向けるとすれば、それは重大なミスがないかどうか、または、実装が優れているかどうかを確認するためである。

 強気な中国企業およびインド企業では、市場投入までの期間に重点を置いている。しかし、その大きな障壁となるのがソフトウエアである。設計技術者の人件費が安価であっても、ソフトウエア開発に要する時間が問題となる。こうした企業にとっては、すでに完成しているソフトウエアをすぐに入手できるか否かが重要なのだ。

 ソフトウエアはモジュール方式で容易に開発できる優位性がある。そのため、例えば、EEPROMドライバなどの小さなエレメントや、モーターコントローラなどのサブシステム、組み込みウェブサーバ向けのTCP/IPスタックなどのように、IPとしてカプセル化することが可能となる。詳細の多くはAPI (application programming interface)により隠されている。またソフトウエアはコストパフォーマンスの点で自由度が高い。例えば、低速モデムを使う場合は無料、高性能モデムを採用する場合はライセンス料が必要といった具合である。さらにソフトウエアの使用料を支払えば、ソースコードも併せて入手できるので、技術者にとってはその内容を学ぶ良い機会となる。

 米Texas Instruments社のデジタルイメージングマーケティングマネジャを務めるKanika Carver氏は「中国や台湾の企業は、最終製品の市場投入時期を早めることにあまり関心がないのと同様に、独自の機能を付け加えることについても関心がない。サプライヤにとっては、設計における変動要素をいかに減らすことができるかどうかがすべてである」と語る。例えば、カメラの設計にはイメージキャプチャ、圧縮、保存機能が実装されているが、手振れ防止や高画質録画といった高機能は最初から使用可能な状態にはなっていない可能性がある。そこで、設計者が考えるのは、自分でやらなければならないものがどれだけ残っていて、どれだけのものを入手または設計できるのか、という点である。

 設計者が意見を交換しなければならない企業数が減少すれば、価値を増すということである。設計者にとっては、複数企業を相手にソフトウエアを使うための交渉を行なうより、すべのソフトウエアを統合したリファレンス設計を使った方が、設計の開始と完了がより容易となる。



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