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このページをホームページに登録第2部:国/地域によって異なる「リファレンス設計」の意義
リファレンス設計を待たずに先陣を切る
Global Report4 Web限定記事4
[2007年12月号]
デジタルテレビ配信技術を開発し、世界中の有料テレビ業界へ製品を供給している英Pace Micro Technology社(以下、Pace社)は、セットトップボックス(STB)や家庭用ビデオレコーダ、衛星/ケーブル/インターネット網を経由して有料テレビ購読配信サービスを行うメディアゲートウェイの設計および製造を行なっている。同社の専門技術は、最新の標準的なHD(高品位)ビデオ復号化やコンテンツと課金システムの暗号化、多重デジタル信号の受信/復調などである。この分野における最先端サプライヤとしての側面を考えると、Pace社は、テレビサービス業界で新たに広がっているビジネスモデルについても先を見通さなければならない。また急速に変動する消費者市場向けの製品設計に対応できる体制を整えなければならない。
設計サイクルが短い家電製品市場で事業を展開するPace社は、リファレンス設計に対して独自の姿勢を見せる。同社半導体事業のスペシャリストであるNadeem Ullah氏は「企業がリファレンス設計を使用する場合、基本的に2通りの利用法がある。1つは、リファレンス設計で提供されるチップまたはチップセットが実際にきちんと機能することである。つまり、その製品に要求した通りの機能があることだ。もう1つは、半導体ベンダーから提示されたリファレンス設計を使用して、それをパッケージにして直接生産に組み込むという利用法だ。当社の場合は前者の姿勢であり、リファレンス設計を実証用として使用している」と語る。
さらに「最先端のSTBメーカーとして、当社は取引するチップベンダーと密な連携を取っている。新規チップの設計が始まると当社はICベンダーが最初のチップを生産するまでただ待っていることはなく、すでに自社製品の設計に取りかかっている。チップベンダーはリファレンス設計を作成してチップが機能することを実証するが、基板設計では、通常、試験個所が多く、チップに比べてさらに大規模で大掛かりなものとなる」と述べる。
Pace社では、チップの仕様に基づいて自社でプリント基板の設計を行なっているため、生産を先行できる。「当社の基板はチップを入手した時点ですぐに完成する。つまり、当社の場合、チップメーカーから最初のチップの提供が可能となった時点ですぐにそれを調達し、当社の基板に組み込むことが可能であり、実際にそのようにしている」と語る。この市場においては、リファレンス設計が提供されるまで待っている余裕などない。「当社の初期段階の基板設計を、ドライバ開発を行っているチップベンダーに提供するというケースがこれまで何度かあったが、これは、当社の基板設計がチップベンダーより早くできあがっていたためである」。
新規に開発するチップ向けのソフトウエア開発はとても重要な問題である。ソフトウエア開発の段階において、初回のチップができあがる時には通常、新規設計用のドライバソフトウエアは完成しておらず、Pace社が設計を行なう際のツールとしてICベンダーが提供するリファレンス設計が使用されている、とUllah氏は言う。
Ullah氏は、ベンダーとの連携の例として、同社のデコードチップ「DS810KP」の立ち上げを挙げる。これは、ドイツのサービスプロバイダであるPremiere社との一例である。伝送方式に「DVB-S2」、映像コーデックに「H.264」を用いた HDサービスの市場投入に向けて提供された。この製品はMPEG-2の標準画質デコーディングおよびDVB-Sにも対応していた。Pace社は納期を決めてDS810KPを提供することとなった。2006年にドイツで開催されたサッカーワールドカップの競技場に設置するため、2005年12月の納品が必須だった。設計の中核はMPEG-4用デコーダチップで、まさにPace社と半導体サプライヤ間の協力関係が活かせる案件であった。「こうした連携こそがPace社の開発活動の特徴である」とUllah氏は言う。チップメーカーのリファレンス設計を待っていたら、観戦者用の高画質スクリーンにサッカーの試合が映し出される見込みはなかったことも示唆している。
Ullah氏はさらに続けて、「こうしたチップメーカーは、リファレンス設計完了時にはレイアウトなどの問題について精査を終えている」とも語る。「レイアウト上の重要な問題点があるとすれば、それを取り入れて、自社のプリント基板設計に組み込む。しかし、当社のように多種多様な市場に向けて製品の販売を行ない、各市場に適用される規制に準拠することが必須となる企業にとっては、標準リファレンス設計の範囲から外れる重要な作業も多い」のが現状だ。安全性およびEMC対策がそれらに該当する項目である。
設計サイクルが短い家電製品市場で事業を展開するPace社は、リファレンス設計に対して独自の姿勢を見せる。同社半導体事業のスペシャリストであるNadeem Ullah氏は「企業がリファレンス設計を使用する場合、基本的に2通りの利用法がある。1つは、リファレンス設計で提供されるチップまたはチップセットが実際にきちんと機能することである。つまり、その製品に要求した通りの機能があることだ。もう1つは、半導体ベンダーから提示されたリファレンス設計を使用して、それをパッケージにして直接生産に組み込むという利用法だ。当社の場合は前者の姿勢であり、リファレンス設計を実証用として使用している」と語る。
さらに「最先端のSTBメーカーとして、当社は取引するチップベンダーと密な連携を取っている。新規チップの設計が始まると当社はICベンダーが最初のチップを生産するまでただ待っていることはなく、すでに自社製品の設計に取りかかっている。チップベンダーはリファレンス設計を作成してチップが機能することを実証するが、基板設計では、通常、試験個所が多く、チップに比べてさらに大規模で大掛かりなものとなる」と述べる。
Pace社では、チップの仕様に基づいて自社でプリント基板の設計を行なっているため、生産を先行できる。「当社の基板はチップを入手した時点ですぐに完成する。つまり、当社の場合、チップメーカーから最初のチップの提供が可能となった時点ですぐにそれを調達し、当社の基板に組み込むことが可能であり、実際にそのようにしている」と語る。この市場においては、リファレンス設計が提供されるまで待っている余裕などない。「当社の初期段階の基板設計を、ドライバ開発を行っているチップベンダーに提供するというケースがこれまで何度かあったが、これは、当社の基板設計がチップベンダーより早くできあがっていたためである」。
新規に開発するチップ向けのソフトウエア開発はとても重要な問題である。ソフトウエア開発の段階において、初回のチップができあがる時には通常、新規設計用のドライバソフトウエアは完成しておらず、Pace社が設計を行なう際のツールとしてICベンダーが提供するリファレンス設計が使用されている、とUllah氏は言う。
Ullah氏は、ベンダーとの連携の例として、同社のデコードチップ「DS810KP」の立ち上げを挙げる。これは、ドイツのサービスプロバイダであるPremiere社との一例である。伝送方式に「DVB-S2」、映像コーデックに「H.264」を用いた HDサービスの市場投入に向けて提供された。この製品はMPEG-2の標準画質デコーディングおよびDVB-Sにも対応していた。Pace社は納期を決めてDS810KPを提供することとなった。2006年にドイツで開催されたサッカーワールドカップの競技場に設置するため、2005年12月の納品が必須だった。設計の中核はMPEG-4用デコーダチップで、まさにPace社と半導体サプライヤ間の協力関係が活かせる案件であった。「こうした連携こそがPace社の開発活動の特徴である」とUllah氏は言う。チップメーカーのリファレンス設計を待っていたら、観戦者用の高画質スクリーンにサッカーの試合が映し出される見込みはなかったことも示唆している。
Ullah氏はさらに続けて、「こうしたチップメーカーは、リファレンス設計完了時にはレイアウトなどの問題について精査を終えている」とも語る。「レイアウト上の重要な問題点があるとすれば、それを取り入れて、自社のプリント基板設計に組み込む。しかし、当社のように多種多様な市場に向けて製品の販売を行ない、各市場に適用される規制に準拠することが必須となる企業にとっては、標準リファレンス設計の範囲から外れる重要な作業も多い」のが現状だ。安全性およびEMC対策がそれらに該当する項目である。











