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CoWare社が「ESL2.0」を提唱、
それに向けて開発環境を改版

[2007年12月号]

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 米CoWare社は、LSIの設計に用いる従来のESL(electronic system level)設計手法を、より幅広い分野でも使えるように進化させた「ESL2.0」を提唱、それに向けて同社のESL設計環境を改版することを発表した。

図1 ESL2.0のロゴ
図1 ESL2.0のロゴ

 ESL2.0は、LSIの設計者が用いる手法である従来のESLをソフトウエア開発者やシステム設計者、テストエンジニアなどに向けて拡張したことや、使いやすさを高めるために操作性/処理速度を向上させたこと、ESLを用いた仮想ハードウエアプラットフォームをマーケティング分野で活用可能にしたことを特徴とする。「Web 2.0」と同様に、ESLが次世代に進化したことを表している(図1)。CoWare社は、このESL2.0を実現する設計環境として、「CoWare Platform Architect(以下、PA)」、「CoWare Virtual Platform(以下、VP)」、「CoWare Processor Designer(以下、PD)」、「CoWare Signal Processing Designer(以下、SPD)」、「CoWare IP Model Libraries(以下、IML)」の5つのソフトウエア群を改版する。これにより、設計/開発期間の短縮や、操作性/生産性/設計品質の向上、利用者の拡大などが期待できるという。

 それぞれのソフトウエアの改版内容は、以下のようになる。

 PAは、システム全体のモデリングやデバッグ/解析を行うためのSystemCベースのグラフィカル開発環境である(図2)。追加/更新された機能は、多数のサンプルシステムを用いて同ソフトウエアの使用方法の習得に要する時間を短縮可能なデザインスタータキットや、アドレスマップとバスプロトコルを設定するだけでバス接続が可能になる「Bus Library Wizards」、IP(intellectual property)や機能ブロックを接続するだけで自動的にトランザクタが挿入される「Easy Connect」、自動テストベンチ生成機能の「SystemC Component Wizard」、ブロックインターフェースレベルでのデバッグと解析、収集データの解析を容易にする「メッセージシーケンシャルチャート」と波形ビューワなどである。

図2 PAの操作画面
図2 PAの操作画面

 VPは、ソフトウエア開発に用いられるハードウエアのシミュレーション環境である。改版によってシミュレーションエンジンが最適化され、実行速度が従来の2倍に向上している。また、同環境は、ソフトウエア開発者に配布可能なパッケージングされたシミュレーション環境を生成する機能を備えており、改版によってそのパッケージからハードウエアの詳細を知られないようにセキュア性を高めつつ、ソフトウエアのデバッグに必要なレジスタやメモリーの情報を観測できるようにした。従来のIC/IPベンダーの営業部門は顧客を獲得するためにデータシートを配布していたが、VPで生成したシミュレーション環境を配布することで、IC/IPの開発初期段階における効果的なマーケティング活動が可能になるという。

 PDは、プロセッサ記述言語LISA(language for instruction set architecture)2.0を用いる特定用途向けプロセッサの開発環境である。改版によって、クロックゲーティング手法を適用することが可能になり、RTL(register transfer level)コードとして出力されるプロセッサの消費電力を同社従来品を用いた場合と比較して半分に削減できる。また、プロセッサ単体のシミュレーション速度を同社従来品を用いた場合の4倍に高速化している。そのほかに、マルチサイクルメモリーアクセスや分散レジスタファイルなどのアーキテクチャにも対応した。

 SPDは、DSPやエンコーダなどの用途に向けた信号処理プロセッサの開発環境である。この製品も、同社従来品よりシミュレーション速度が向上している。また、W-CDMA用のライブラリがLTE(long term evolution)に対応した。

 IMLは、さまざまなIPをSystemCによって実現したモデルのライブラリである。改版によって英ARM社の「Cortex-R4 CA」や「ARM946」、「ARM946ES」、「ARM11 MPCore」、米IBM社の「PPC440」、米Tensilica社の「Xtensa」、「Diamond Core」などのIPが追加される。

 同社でマーケティングディレクタを務めるMarc Serughetti氏は、「最近の電子機器は、NoC(network on chip)のようなインテリジェントな内部バスや階層メモリー、マルチコアプロセッサ、複数の階層に分かれたソフトウエアスタックなどを採用しており、ソフトウエアが複雑かつ大規模で開発に長い期間を要する。従って、ハードウエアが完成するのを待ってからソフトウエア開発を始めるのでは、製品の市場投入が遅くなってしまう」と従来の設計手法における問題点を挙げた。同氏は、「この問題に対しては新たな手法が必要とされている」と述べ、「VPによるシミュレーション環境を用いれば、ソフトウエア開発を早期に始めることが可能だ。また、IPベンダーが自社のIPのシミュレーション環境を配布することで、最終製品の市場投入時期を早めることもできる」と同社開発環境の有用性を強調した。

(小野 明久)

連絡先:コーウェア 営業技術部、03-5768-6982




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