「東京モーターショー2007」では、パイオニアがIDB-1394のベース規格であるIEEE 1394を使った情報系車載ネットワークの参考展示を行った。
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情報系車載ネットワーク規格では、
映像対応が焦点に
[2007年12月号]
車載ネットワークは、エンジンやブレーキなど自動車の運転に対応する制御系と、カーナビゲーションや音楽/映像などに対応する情報系の2つの用途に分かれる。これらのうち、情報系車載ネットワーク規格であるMOST(media oriented systems transport)とIDB-1394について、映像対応を中心にした新製品の発表が相次いだ。
欧州中心に採用進むMOST
MOSTは、ドイツBMW社や同Daimler社など欧州の自動車/自動車部品メーカーが参加する「MOST Corporation」が規格化しており、半導体IPの設計は米SMSC(Standard Microsystems Corporation)社が2005年に買収したOASIS SiliconSystems社が行っている。各機器を1系列で接続するリングネットワーク、音楽や映像などのストリーミングデータをTDMA(time division multiple access:時分割多元接続)により同期転送するため遅延時間を完全に予測できる点などが特徴である。帯域幅が25メガビット/秒のMOST25は、欧州の自動車メーカーを中心に2001年から50車種以上に採用されている。
SMSC社は2007年10月、帯域幅が150メガビット/秒の新規格MOST150に対応したネットワークコントローラIC「OS81110」を発表した。MOST25と比べて6倍高速化するだけでなく、動画転送に対応するために、「アイソクロナスチャンネル」と「イーサーネットチャンネル」という2つの機能を追加している。
アイソクロナスチャンネルでは、ネットワークのフレーム周波数をCDの44.1kHzで規定している場合でも、DVDビデオなどのように48kHzでサンプリングされたデータを変換することなくネットワーク上で伝送することができる。「MOST25では、CDのデジタル音楽データに加えてDVDビデオの音声データを伝送するためにはサンプリングレートコンバータが必要だった」(SMSC社)という。
イーサーネットチャンネルでは、従来アプリケーション側でMOSTパケットに変換していたイーサーネットフレームのデータ転送を、MAC(media access control)アドレスをサポートすることで変換不要にした。イーサーネット対応の外部機器との接続が容易であり、ワイヤレスLANなどを利用した無線通信システムとの接続も視野に入れた機能拡張となっている。
SMSC社は2007年10月、帯域幅が150メガビット/秒の新規格MOST150に対応したネットワークコントローラIC「OS81110」を発表した。MOST25と比べて6倍高速化するだけでなく、動画転送に対応するために、「アイソクロナスチャンネル」と「イーサーネットチャンネル」という2つの機能を追加している。
アイソクロナスチャンネルでは、ネットワークのフレーム周波数をCDの44.1kHzで規定している場合でも、DVDビデオなどのように48kHzでサンプリングされたデータを変換することなくネットワーク上で伝送することができる。「MOST25では、CDのデジタル音楽データに加えてDVDビデオの音声データを伝送するためにはサンプリングレートコンバータが必要だった」(SMSC社)という。
イーサーネットチャンネルでは、従来アプリケーション側でMOSTパケットに変換していたイーサーネットフレームのデータ転送を、MAC(media access control)アドレスをサポートすることで変換不要にした。イーサーネット対応の外部機器との接続が容易であり、ワイヤレスLANなどを利用した無線通信システムとの接続も視野に入れた機能拡張となっている。
IDB-1394も本格採用へ
IDB-1394は、パソコンやデジタル家電で利用されているIEEE 1394をベースに、車載向けの機能を追加して2002年に策定された規格である。400メガビット/秒という広い帯域幅と外部機器との高い接続性を特徴としている。
富士通は2007年11月、IDB-1394に準拠するとともに専用の映像圧縮/復元を行うコーデック「SmartCODEC」を搭載したネットワークコントローラIC「MB88388A」を発表した。自動車の後部座席で映像視聴やカーナビゲーションの操作を行う「リアシートエンターテインメント」用途を中心に展開を進める。サンプル価格は2000円で、2008年後半から月産10万個で量産を開始する予定である。日米欧7社の自動車メーカーが採用を検討しており、2009年発売の新車から採用される見込みだ。
富士通は、2005年にIDB-1394対応のコントローラICを発表したが、自動車メーカーの採用に向けた動きは鈍かった。この原因について、同社は「映像の伝送を行うのであれば、ネットワークコントローラだけでなく、映像の圧縮/復元を行うコーデックについても一緒に提案する必要があった」と分析する。MB88388Aが搭載するSmart CODECは、富士通研究所が2006年9月に開発した、1画素ずつ圧縮する予測符号化方式の映像コーデックで、IDB-1394向けで唯一認定されている。圧縮率は約1/3と低いものの、圧縮/復元の遅延時間が2ms~3msと短く、画質劣化もほぼない。「VGA以上の高解像度ナビゲーション映像を遅延なく高画質で伝送できるのは、IDB-1394とSmartCODECの組み合わせしかない」(富士通)という。
今後は、SmartCODECの高圧縮化や800メガビット/秒の高速化への対応を行い、安全系などで用いられる外部カメラとのネットワーク接続も行えるようにする。
富士通は2007年11月、IDB-1394に準拠するとともに専用の映像圧縮/復元を行うコーデック「SmartCODEC」を搭載したネットワークコントローラIC「MB88388A」を発表した。自動車の後部座席で映像視聴やカーナビゲーションの操作を行う「リアシートエンターテインメント」用途を中心に展開を進める。サンプル価格は2000円で、2008年後半から月産10万個で量産を開始する予定である。日米欧7社の自動車メーカーが採用を検討しており、2009年発売の新車から採用される見込みだ。
富士通は、2005年にIDB-1394対応のコントローラICを発表したが、自動車メーカーの採用に向けた動きは鈍かった。この原因について、同社は「映像の伝送を行うのであれば、ネットワークコントローラだけでなく、映像の圧縮/復元を行うコーデックについても一緒に提案する必要があった」と分析する。MB88388Aが搭載するSmart CODECは、富士通研究所が2006年9月に開発した、1画素ずつ圧縮する予測符号化方式の映像コーデックで、IDB-1394向けで唯一認定されている。圧縮率は約1/3と低いものの、圧縮/復元の遅延時間が2ms~3msと短く、画質劣化もほぼない。「VGA以上の高解像度ナビゲーション映像を遅延なく高画質で伝送できるのは、IDB-1394とSmartCODECの組み合わせしかない」(富士通)という。
今後は、SmartCODECの高圧縮化や800メガビット/秒の高速化への対応を行い、安全系などで用いられる外部カメラとのネットワーク接続も行えるようにする。
パイオニアの開発事例
展示では、各機器を1対1で接続する従来のシステムと比べて、IEEE 1394によりケーブル類の使用量を大幅に削減できることを示すとともに(図1)、フルHD映像伝送のデモンストレーションも行った。このデモは1ギガビット/秒相当の帯域幅になる1080iのフルHD映像を、アイベックス・テクノロジーの技術を基にMPEGコーデックを使って50メガビット/秒に圧縮/復元するというもので、遅延時間は8msである。IEEE 1394のインターフェースは米Texas Instruments社が担当し、接続ケーブルとコネクタは矢崎総業が担当した。パイオニアは「ディーラオプションなど、後付け接続に対する設計自由度が高いIEEE 1394ベースの技術は、当社の開発課題になり得る」としている。
(朴 尚洙)
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