Pulse

MEMS発振器で水晶からの置き換え狙う、
SiTime社が新製品を投入

[2007年11月号]

この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る
 米SiTime社は、同社独自の「MEMS First」プロセスで製造するMEMS(micro electro mechanical systems)発振器の新製品、「SiT8102」および「SiT8002UT」を発表した。2007年11月から順次、サンプル出荷を開始するという。

 SiT8102は、高速シリアル通信市場やストレージ市場向けに開発されたプログラマブル発振器。1MHz~200MHzの任意の発振周波数を設定することができる。水晶(クォーツ)を利用した一般的なプログラマブル発振器のジッターが15ps~25ps rmsなのに対し、同製品では5ps rmsの低ジッターを実現している。パッケージは2.5mm×2.0mm×0.8mmのQFNで、水晶発振器と比べて小型である。100万個購入時の単価は1米ドル以下を予定している。

写真1 厚さ0.37mmを実現した「SiT8002UT」
写真1 厚さ0.37mmを実現した「SiT8002UT」

 一方、SiT8002UTは、1MHz~125MHzの周波数に対応したプログラマブル発振器。その厚さは0.37mmで、同社従来品の「SiT8002」と比べて15%の薄型化を実現している(写真1)。同社によれば、水晶やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの従来の材料は、機械的な衝撃や振動に弱く、0.8mm以下の厚さでは信頼性が低下するという課題があったという。それに対し、同製品は、3万Gの衝撃や、5kHz~20kHzの振動数における40Gの車載部品用振動試験にも合格しており、周波数の安定性については工業用途の温度範囲(-40~85℃)において±100ppmの性能を達成している。厚さ、信頼性の両面から、HDD(ハードディスクドライブ)や携帯電話機のほか、クレジットカードやSIM(subscriber identity module)カードなどへの搭載も可能になり、既存の発振器では困難であった新たな市場の開拓も期待できるという。

 さらに、SiTime社ではCMOS回路と発振子を同一のシリコンウェーハ上に形成した試作デバイスを発表した。同社マーケティング/営業担当バイスプレジデントのJohn McDonald氏は、「MEMS発振子はCMOSなどと同じようにシリコンウェーハ上に形成できる。発振子とCMOS回路を1チップ化した製品を実現することがわれわれの最終的な目標だ」と述べる。1チップ化することでさらなる薄型化も可能になるという。2009年の出荷を目標として製品化を進めていく。

 現在、自動車やパソコンなど、あらゆる電子機器では、主に水晶発振器を用いたクロックデバイスが採用されている。その市場は数量ベースで100億個、金額ベースでは30億米ドル規模と見られる。

 SiTime社はファブレス企業であり、MEMS(発振子)部の製造は、米Jazz Semiconductor社、CMOS部の製造は台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社、実装およびテストはマレーシアのCarsem社で行っている。すでに20万個/週の量産体制を確保しているという。

 SiTime社は今後、新製品の投入などにより本格量産を加速させ、あらゆる発振器の市場で水晶からの置き換えを目指す。

(鉄井 亮一 Semiconductor International Japan編集部)

連絡先:サイタイム、03-4360-5692



この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

Partner Solutions

EDN RESOURCE CENTER


新着ホワイトペーパー情報




アナログ・デバイセズ - 22件
インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン - 1件
ナショナル セミコンダクター ジャパン - 9件
リニアテクノロジー - 15件
日本アルテラ - 4件
リード・ビジネス・インフォメーション - 1件