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車載用アンプ出力のための過電圧保護回路
[2007年10月号]この種の機器に使用されるアンプ(オーディオ用のパワーアンプ)は、3.3V~5Vの電源電圧で動作する。そして、この電源電圧よりも高いバッテリ電圧が印加された場合でも、故障しないように保護しなければならない。図1に示したのがそのための保護回路の例である。この回路は、ほかの車載用機器に対する保護回路を含めてネットワーク化することも可能だ。
図1において、IC1は車載警報用オーディオアンプとして使用される1.4W型のAB級アンプである。このIC1の出力端子OUT+、OUT-のいずれかにケーブルを経由して高電圧が加わると、2系統のnチャンネルMOS FET(Q1AとQ1B)がアンプの出力とケーブルとの間の接続を遮断する。通常動作時には、2つのMOS FETは、それぞれのゲートがツェナーダイオードD4を利用して約11Vにバイアスされてオンになる。D3の2個のダイオードがアンプの出力端子に対しOR結合され、それらの導通状態によってシャントレギュレータIC2の出力が決まる。この動作により、IC1は保護される。
通常動作時には、アンプ出力のDCレベルは電源電圧VCCの1/2、すなわちVCCが5Vであれば2.5Vになる。このとき、2つのMOS FETはゲートに11Vが印加されて完全なエンハンス状態(導通状態)になる。また、IC2の出力は、FB端子の電圧が内部の閾(しきい)値電圧である0.6V以下なのでオフになる。ここで、アンプ出力電圧のいずれかが5Vを超えると、D3が導通し、その電流が抵抗R5、R6に流れてIC2のフィードバック入力(FB端子)に加わる電圧が閾値よりも高くなる。それにより、IC2の出力端子がほぼグラウンドレベルになる。これに伴って、2つのMOS FETはゲート電圧が11Vからほぼグラウンドレベルに低下するのでオフになる。その結果、アンプ出力に加わっていた高電圧が遮断される。MOS FETはバッテリの電圧が連続して印加されても正常に動作するので、過電圧の原因である短絡が治まれば回路は正常動作に復帰する。
なお、上記の回路保護動作には遅延があるので、短絡が発生した瞬間の保護のためにツェナーダイオードD1、D2を使用している。
図1の回路の主要なノードの信号波形を図2に示した。①は一方のアンプ出力の波形であり、2.5VDCに1kHzの正弦波が重畳している。②はケーブル端子の波形である。この波形は、始めはアンプ出力と同じで、200μs経過後に18Vの電源に短絡した様子を表している。③はシャントレギュレータIC2の出力端子の波形であり、始めは11Vだが、200μs経過後の過電圧印加に対応してグラウンドレベルに低下している。④はケーブルに流れる電流の波形である。最初は正弦波形だが、過電圧発生後は0になる。
図1の回路で使用している部品の定数は、アンプが電源電圧5Vで動作することを前提として設計したものだ。電源電圧の条件が異なる場合には、抵抗R3とR4の値を調整する。シャントレギュレータとしては、出力端子と独立した電源入力端子を有するタイプのものを使用すべきだ。ちなみに、この回路は28Vの電源ラインに繰り返し短絡しても破損することはない。
図2 主要なノードの信号波形











