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アジレントのSI検証ツールキット、
開発段階でジッターの原因を特定
[2007年09月号]
図1 E8828の表示例
E8828で対応した機能は、新しいデジタル信号源やSERDESコンポーネントのモデルをADSライブラリとして用意したこと、ジッター解析ソフトウエアの搭載、暗号化されたHSPICEファイルのサポート、などである。
デジタル信号源としては、「最長符号LFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)」など5つの解析モデルをライブラリとして準備した。回路を設計するユーザーは、このモデルをテンプレートとし、実際に用いる信号源に合わせて、信号の立ち上がりエッジ/降下エッジの形状などを設定することができる。ランダムジッターや周期的ジッターを付加した波形を生成することも可能である。
SERDESチップとしては、エンコーダ/デコーダの「8B10B」や「64B66B」、フィードフォワードイコライザ、ディシジョンフィードバックイコライザなどの解析モデルをライブラリとして用意した。最近のシリアル伝送で用いられているクロックリカバリ機能にも対応している。
ジッター解析ソフトウエアは、同社のオシロスコープで使用している「EZJit Plus」と同じものである。アジレント・テクノロジーは「高速デジタル設計フローにジッター解析ツールを取り込んだのは業界で初めて」と主張する。ジッター解析をシミュレーションで行ったときと、実測して検証したときに差異が生じた場合に、それぞれに用いられるアルゴリズムが異なると、問題の切り分けが困難になる。「どちらにも同じツールを適用することで差異を気にする必要がない」(同社)という。
また、暗号化されたHSPICEファイルのサポートにより、顧客がすでに保有している資産を活用できる環境を整えた。
E8828の参考価格は約84万円から。E8828とすでに発売中のIBIS I/OモデルやブロードバンドSPICEモデルジェネレータなどを含めてパッケージにしたシグナルインテグリティツールセット「E9011」だと700万円弱となる。
今回、ADS自体の機能もバージョンアップした。「ADS 2006アップデート2」と呼ぶ新バージョンでは、3次元の電磁界解析ツールをシームレスな環境で利用できるようにした。また、SystemC解析エンジンをサポートすることで、DSPなどの信号処理系に多く用いられているSystemCモデルへの対応が可能となった。
このように電磁界解析ツールやSystemCモデルとの協調シミュレーションを実現することで、システムレベルでの回路検証の時間を短縮することができる。例えば、高速デジタル伝送路を構成するICチップやパッケージ、ボード上の配線、コネクタなどを個々の回路レベルで検証した場合、システム全体の解析/評価に1週間以上も時間がかかることがあった。これに対し、今回のツールを用いて各ブロックの開発担当者がそのブロックのみを回路レベルで検証し、そのほかの回路ブロックはビヘイビアモデルを使って検証すれば、全体の動作検証が数十分で行えることもあるという。
(馬本 隆綱)
連絡先:計測お客様窓口、0120-421345











