Design Ideas

電流比を周波数に変換する高精度積分回路

[2007年09月号]

By Stefano Salvatori/Gennaro Conte
この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

 図1の回路では、高精度積分回路「IVC102」(米Texas Instruments社製)を用い、その入力を1端子にするか、2端子にして各入力電流を加算するかをスイッチS1により選択できるようにしてある。この機能により、2本の入力端子への入力電流の比率に比例する周波数のパルス出力信号が得られる。その出力信号は回路の定数にほとんど影響を受けることがなく正確である。

 回路の動作は2段階に分けることができる。

 第1段階の動作は、IVC102の出力電圧がコンパレータ「LM311」の閾(しきい)値よりも少し高くなったときから始まる。このとき、コンパレータは降下信号を出力し、その信号によりタイマーIC「NE555」がトリガーされる。同ICの出力がハイになり、それに伴ってスイッチS1が閉じる。S1が閉じると入力電流の合計は(I2-I1)となり、その積分出力はI2がI1よりも大きければ負方向に変化するランプ波形になる。この積分出力電圧は、時間ΔTAの後に最終的な電圧レベルに到達する。このとき、|VFIN-VTH|=(I2-I1)ΔTA/ CINTが成り立つ。ここでCINTはIVC102が備える積分用の容量である。

 NE555の出力がローになると第2段階の動作が始まる。つまり、S1がオープンして入力電流がI1だけとなり、このI1によりCINTが放電する。放電によって、IVC102の出力電圧が閾値電圧のレベルまで低下するまでの時間をΔTBとすると、ΔTB=CINT|VFIN-VTH|/I1となる。この時間ΔTBの後にコンパレータからパルスが出力され、それによりNE555がトリガーされて、新しいサイクルが始まる。

 上に示した2つ式を変形すると、I1/I2=ΔTAfが得られる。ここでf=1/(ΔTA+ΔTB)である。fは出力パルス列の周波数であり、これが電流比I1/I2に比例することになる。

 この動作の正確さはタイマーICの安定性によって決まる。言い換えれば、積分回路の容量やコンパレータの閾値レベルは、それらの値が1/fの時間より短い時間内に変動しなければ動作に影響しない。

図1 電流比を周波数に変換する回路
図1 電流比を周波数に変換する回路
この回路は2本の端子からの入力電流I1とI2の比率に比例する周波数のパルス列を出力する。


この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

Partner Solutions

EDN RESOURCE CENTER


新着ホワイトペーパー情報




アナログ・デバイセズ - 22件
インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン - 1件
ナショナル セミコンダクター ジャパン - 9件
リニアテクノロジー - 15件
日本アルテラ - 4件
リード・ビジネス・インフォメーション - 1件