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NECエレの携帯電話機用LSI、
クロック自動制御や電源スイッチで電力を削減

[2007年08月号]

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図1 M2を搭載したデモ機
図1 M2を搭載したデモ機

 NECエレクトロニクスは2007年7月、次世代携帯電話機向けのシステムLSI「M2」を開発し、サンプル出荷を始めた(図1)。現行製品の「M1」に比べてプロセッサの動作周波数を2倍に高めたが、複数の低消費電力化技術を組み合わせたことで、消費電流は同等かそれ以下に抑えた。サンプル価格は5000円。

 M2はベースバンド処理部とアプリケーション処理部を1チップにした製品。ベースバンド処理部はW-CDMAおよび最大3.6メガビット/秒(外付けのアクセラレータを利用すると最大7.2メガビット/秒)の通信速度でデータのダウンロードが可能なHSDPA(high speed downlink packet access)に加え、GSM/GPRSに対応している。アプリケーション処理部は、動作周波数が最大500MHzのARMプロセッサコア「ARM1176JZF-S」、DSPコア、画像処理や音声処理用のエンジンなどで構成されている。

 M2は処理性能の向上に加え、複数の技術で低消費電力化を実現している。その1つがクロック自動制御技術である(図2)。機能マクロごとに用意したモニター回路によってシステムバスとのやりとりの状態を監視し、負荷の小さい機能マクロがあればクロック周波数を自動的に下げたり、クロックを停止したりできる。また、機能マクロ内の動作状態も階層的にモニターし、階層ごとにクロックを自動制御することが可能である。

 リーク電流の削減には主に3つの技術を適用している。1つがオンチップ電源スイッチの搭載である。プロセッサなどの高速機能マクロは処理性能が高い半面、リーク電流も大きい。このため、高速機能マクロの動作停止中(割り込み待ち状態)には、自動的に内部状態をバックアップして電源スイッチを切り、チップ全体のリーク電流を削減する。割り込みが発生したら電源スイッチが自動的にオンになる。スイッチのオン/オフ時間は数マイクロ秒と速い。

 2つ目は閾(しきい)値の異なる3種類のトランジスタを用途によって使い分ける方法である。閾値の高いトランジスタは主にベースバンド処理部に、閾値の低いトランジスタは主にアプリケーション処理部のマイクロプロセッサやDSPでそれぞれ使用した。

 3つ目は基板バイアス制御技術である。ロジック回路にモニター回路を埋め込み、リーク電流を検出する。リーク電流の大きなトランジスタについては、基板バイアスを制御することでリーク電流を抑えることができる。

(馬本 隆綱)

連絡先:半導体ホットライン、info@necel.com

図2 クロック周波数の自動制御ブロック
図2 クロック周波数の自動制御ブロック




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