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システムLSIの開発
[2007年06月号]
SiPとSoCには、それぞれにメリット/デメリットがある。筆者らはポータブルオーディオプレーヤ向けシステムLSI製品の開発においてSiPを選択した。本稿では、その開発経過を紹介する。本稿の内容が今後、SiP開発に取り組む方の一助となれば幸いである。
われわれの設計チームは、パフォーマンス面でクリティカルな部分のIP(intellectual property)ブロックを自社開発するとともに、外部ベンダーからIPブロックの提供を受けることで、開発期間を短縮し、コストを軽減しようと試みた。しかし、IPの選定/購買基準を慎重に策定したにもかかわらず、複数のIPブロックの統合に際してはいくつかの問題に直面した。
開発作業においてはさまざまなCADツールを活用したが、それでも十分ではなかった。特にハードウエア/ソフトウエアの協調設計とSiP設計の部分は、市販のツールでは十分な効果が得られなかった。製品のパフォーマンスを最大限に高めるには、ハードウエアチームとソフトウエアチームの密接な協力が必要だった。また、開発の初期段階では、DFT(design for testing)とDFM(design for manufacturing)を重要視した。
設計に求められる要件
製品開発は、販売/マーケティング面での要件を考慮し、競合製品の詳細な分析を行うことから始まった。開発する製品はポータブルオーディオプレーヤをターゲットとし、あらゆるオーディオフォーマットに対応する。また、最新のDRM (digital rights management)技術や、バスブースト/イコライザといったオーディオ機能を提供する。高い柔軟性を確保するために、フラッシュメモリーベースのストレージメディアとハードディスクメディアに接続できるようにした。USB 2.0(High Speedモード)のサポートにより、音楽コンテンツをパソコンから高速でダウンロードできるほか、プレーヤ間での高速ファイル交換を可能にするUSB OTG(on the go)機能も組み込んだ。
低価格のポータブルオーディオプレーヤのほとんどは、録音機能の性能が低く、AA/AAAサイズの電池で駆動される。それに対し、高性能のプレーヤはカラー液晶ディスプレイを搭載し、コンパクトディスク相当の音質での録音が可能だ。リチウムイオン電池で駆動され、外部直流電源またはUSBポートに接続できる充電器も付いている。
開発時にこのような分析を行った結果、1つのSoCですべての要件を満たすことはできず、少なくとも2つの製品が必要になることが分かった。1つはすべての機能を備えたハイエンド製品であり、もう1つは機能を絞った低価格製品だ。2つの製品で大きく異なるのは消費電力である。いうまでもなく、その値はプレーヤで音楽を聴く際の再生時間を決める要素になる。
消費電力を最小限に抑えるために、設計チームはオンチップのRAMとプロセッサコアとして「ARM9」を採用することにした。それにより、DC-DCコンバータ、D-Aコンバータ、ヘッドホンアンプを利用するアプリケーションにも十分に対応できると判断した。
また、チップサイズ、組み立てコスト、統合レベルのほか、外部部品の数とコスト、製造工程における出荷テストの時間、歩留りなどについて検討を加え、総コストをできる限り抑えるように努めた。
設計チームはこの時点までに、SoCとSiPの比較を行っていた。両者を比較した場合のSoCの利点は、組み立てコストを抑えられることだ。ウェーハ状態でテストを行い、組み立て作業に移行するまで、1つのチップを処理するだけでよいからである。また、パッケージの構造もシンプルで、内部でクロスカップリングが起きる可能性も小さい。
低価格のポータブルオーディオプレーヤのほとんどは、録音機能の性能が低く、AA/AAAサイズの電池で駆動される。それに対し、高性能のプレーヤはカラー液晶ディスプレイを搭載し、コンパクトディスク相当の音質での録音が可能だ。リチウムイオン電池で駆動され、外部直流電源またはUSBポートに接続できる充電器も付いている。
開発時にこのような分析を行った結果、1つのSoCですべての要件を満たすことはできず、少なくとも2つの製品が必要になることが分かった。1つはすべての機能を備えたハイエンド製品であり、もう1つは機能を絞った低価格製品だ。2つの製品で大きく異なるのは消費電力である。いうまでもなく、その値はプレーヤで音楽を聴く際の再生時間を決める要素になる。
消費電力を最小限に抑えるために、設計チームはオンチップのRAMとプロセッサコアとして「ARM9」を採用することにした。それにより、DC-DCコンバータ、D-Aコンバータ、ヘッドホンアンプを利用するアプリケーションにも十分に対応できると判断した。
また、チップサイズ、組み立てコスト、統合レベルのほか、外部部品の数とコスト、製造工程における出荷テストの時間、歩留りなどについて検討を加え、総コストをできる限り抑えるように努めた。
設計チームはこの時点までに、SoCとSiPの比較を行っていた。両者を比較した場合のSoCの利点は、組み立てコストを抑えられることだ。ウェーハ状態でテストを行い、組み立て作業に移行するまで、1つのチップを処理するだけでよいからである。また、パッケージの構造もシンプルで、内部でクロスカップリングが起きる可能性も小さい。
図1 SiP製品のチップ構成
設計チームは2003年末にこのプロジェクトをスタートさせた。そして、デジタルチップには130nmのCMOSプロセスを採用することに決めた。その理由としては、製品に対する要件や、製品の位置付け、IPブロック(特に、プロセッサコアと高集積度のオンチップRAM)の入手の容易さ、2005年初めに予定されていた生産開始時点でのプロセス技術の確度/信頼度などが挙げられる。なお、プロセス技術の確度/信頼度については、プロジェクト開始時点に行ったリスク評価に基づいて推測した。
主にオーディオ機能と電力管理機能から成るオーディオチップは、電源電圧が3.3V/5Vで、PIP(polysilicon insulator polysilicon)コンデンサを利用した0.35μmのCMOSプロセスによって実現した。当社は、このプロセスで実績のある、高度に最適化された IPブロックを数多く有している。そのため、ハイエンド製品用/低価格製品用のチップを開発するに当たり、パフォーマンスをより強化し、面積を最小化するよう精査することができた。
マーケッタ、製品マネジャ、デジタル/アナログのハードウエア設計者、ソフトウエア設計者から成るチームにより、システム定義を策定した。彼らは前世代製品からの知識を生かして数多くの改良を行った。事例分析の結果に従い、米Mentor Graphics社製「Seamless」などのツールと、数々のFPGAプロトタイプを使ってアーキテクチャを最適化した。EDAツールの機能だけでは不十分であったため、設計者らはスプレッドシートを使って数多くの計算を行った。









