Design Ideas

DC-DCコンバータの周辺部品削減と安定化

[2007年06月号]

By Grant Smith 米National Semiconductor社
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 PWM方式絶縁型DC-DCコンバータの高性能フィードバック回路には、多くの場合、誤差増幅器が使用される。図1の誤差増幅器では、後段のオペアンプIC1Bが誤差成分を反転し、グラウンドを基準レベルとするフォトカプラーIC2を駆動することによりフィードバック信号を生成する。この場合、フィードバック経路に電源出力(DC-DCコンバータからの出力)からのノイズが混入して発振するのを防ぐには、電源電圧変動除去特性(PSRR)の良好なオペアンプを使用するとともに、その基準レベルをグラウンドレベルに確実に保持する工夫が必要である。


図1 誤差増幅器を使用した通常のフィードバック回路
この構成では、オペアンプ2個と10個余りの受動素子が必要となる。


 図1において、その他の回路の役割は次のようになる。まず電源出力の電圧が抵抗R1とR2で分圧されてアンプIC1Aの反転入力端子に入力される。この電圧は高精度のシャント型基準電圧源IC3(図1では「LM4040」を使用)からの基準電圧と比較される。コンデンサC2、C3、抵抗R3は、電源系の安定化を図るための周波数補償に用いられる。このような構成の場合、2個のオペアンプ、1個の高精度基準電圧源、4個または5個のコンデンサ(多くの場合、5個目のコンデンサを用意し、抵抗R6と並列接続する必要がある)、7個の抵抗が部品として必要になる。

 図2に示したのは、部品点数を削減し、なおかつ安定性を高めることを目的とした代替回路である。この回路では、IC3がフォトカプラーIC2を駆動し、駆動電流が広範囲に変化した場合でも一定の基準電圧が供給されるようになっている。基準電圧は抵抗R2、R3により分圧され、この電圧が、抵抗R1経由でIC1の反転入力端子に入力される電源出力の電圧と比較される。このような構成とすることにより、電源出力からのノイズを抑制できる。すなわち、オペアンプの入力において基準電圧と電源出力の電圧変動が同相であるためノイズ耐性が高くなるのだ。また、この回路で必要となるのは1個のオペアンプと高精度の基準電圧源、4個のコンデンサ、6個の抵抗であり、図1の回路に対して部品点数を削減することができる。


図2 改良後のフィードバック回路
IC4のPWMコントローラにはカレントミラー回路が内蔵されている。この回路の働きによりフォトトランジスタの出力電圧が一定値にクランプされ、フィードバックループの応答速度が改善される。


 図2の回路には、上述したことに加え、もう1つの工夫を盛り込んでいる。

 フォトカプラーを構成するフォトトランジスタは、ベース‐コレクタ間の接合領域が広く、その容量値が大きくなる。さらにこの容量値は、ミラー効果(Miller effect)によって見かけ上、より増幅される。その結果、帯域を制限するポールが形成され、回路の応答速度が顕著に低下してしまうのだ。この問題は、フォトトランジスタのコレクタ‐エミッタ間電圧を一定に維持しつつ、コレクタ‐エミッタ間電流だけが変化するようにすることで解決でき、応答速度が1桁向上する。

 アクティブクランプ方式の電流モードPWMコントローラ「LM5026」(National Semiconductor社製)をIC4として使用すると、ミラー効果に起因するフォトカプラーの応答速度の低下を簡単に防止できる。図2には、LM5026内部において、通常は周波数補償用として用いられるカレントミラー回路を示してある。図の通り、フォトカプラーIC2のコレクタとエミッタは、LM5026内部のカレントミラー回路と基準電圧源に直接接続してある。この接続によりミラー効果が低減され、その結果として帯域を制限するポールの位置が変わり、応答速度と過渡応答特性が改善される。

 図2に示したC2、C3、R1、R3の各値は、この回路条件にのみ有効なものである。条件が異なる場合には、以下の考え方に従って調整を行う。まず、R1はオペアンプの両入力端子のインピーダンスが等しくなるように選定する。C2は高周波ノイズに対するフィルタとして機能するので、条件に応じて値を変更する。C3とR3の値は、DC-DCコンバータのループゲインを計測し、その結果からゲインと位相応答が適正になるように計算して設定する。



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