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NECエレ、自動車用マイコン事業で
2010年にトップシェア目指す
[2007年04月号]
NECエレクトロニクスは、2010年に自動車用マイコン事業で世界トップレベルのシェア獲得を目指すとの方針を打ち出した。同社の2007年3月期自動車用半導体の売上高見込みは1300億円で、そのうちマイコンの売上高は900億円を占める。同社によると自動車用マイコンで世界シェア3位の位置にある。これを2010年までには自動車用半導体で2000億円、このうちマイコンで1400億円の売上高とすることを計画している。
写真1 NECエレクトロニクスの
宮路 吉朗 氏
同社第四システム事業本部自動車システム事業部の事業部長を務める宮路吉朗氏(写真1)は「当社は32ビットマイコンを自動車向けにいち早く投入することで、他社に比べ性能的に先行できた」と語る。それに加え、フラッシュメモリー内蔵マイコンの供給体制をいち早く整えたことや、半導体の品質の高さが自動車/電装品メーカーに評価されたことも大きい。
顧客におけるマイコンの評価は、「アーキテクチャやハードウエアの性能も大切だが、それ以上にチップメーカーが準備している周辺機能がいかにニーズにマッチしているかが重要だ」と宮路氏は付け加える。その上で、マイコン上で動作するソフトウエアの重要性を指摘する。自動車用ECU(電子制御ユニット)に搭載されている32ビットマイコン「V850」用のソフトウエアはすでに数多く世に出ている。ソフトウエアはECUメーカーが開発するが、「ほとんどのECUメーカーがV850を採用している」(同氏)からだ。こうしたソフトウエア資産を強みとしながら、同社は新製品の開発にも積極的に取り組む。
現在、次世代の車内LAN規格であるFlexRayに対応したチップを開発中で、マイコンとトランシーバICを2007年中には発表する予定だ。また、「中国やインドなどBRICsと呼ばれる地域向けの自動車用にLIN(local interconnect network)トランシーバ機能を組み込んだマイコンを2007年春には発表する」(同氏)という。さらに、これまで32ビットマイコンでは100端子パッケージが一般的だったが、新たに64端子の32ビットマイコンもラインアップしていくことを明らかにした。
写真2 画像認識用並列プロセッサ「IMAPCAR」
マイコン以外の自動車用半導体開発にも注力する。2007年からはIPD(intelligent power device)と呼ばれるロジック回路付きのパワー半導体製品事業を強化していく。ヘッドライトのオン/オフや窓ガラスの開閉をマイコンからの命令で直接行うためだ。これによってリレーなどの制御部品を削減できるという。IPD製品はSiP(system in package)技術を用いることで、パワートランジスタとロジックICの2個の機能を積層して1パッケージで供給する。2つの機能を1チップで実現することも可能だが、大電力に対応するチップと小信号を扱うチップを1つのプロセスで作り込むのは大変で、個別に開発したほうが、パワートランジスタのオン抵抗を下げ、消費電力を抑えられる、ロジックICの製造には先端プロセス技術が使える、といったメリットがある。「チップの品質や性能、コスト面を考えると、SiP技術を用いたほうが1チップにするより顧客の要求に応じたデバイスを作ることができる」(同氏)と判断した。
欧州市場ではドイツのデュッセルドルフに約100人の自動車専任の技術部隊がいる。このうちマイコン関連の設計者は約50人だ。32ビットマイコン「V850」の設計を行っている。欧州のメガサプライヤと呼ばれる企業を中心にサポートしており、ECU向けのマイコン設計などを手掛けている。
自動車用半導体に関して、設計品質や製造品質を世界共通に保つため、「プラットフォームデザイン」と呼ぶ開発基盤を日本で開発している。現地で設計するのはその開発基盤をベースに顧客の仕様に合わせて、動作周波数を高めたり、オンチップメモリーの容量を拡大したり、新たな機能を追加したりしている。FlexRay規格に対応するICに関しては、ドイツのRobert Bosch社からIP(intellectual property)のライセンスを受けた。このIPに対して、専任チームが同社のチップ用に最適化を行い、実際のチップに実装する作業は東京の開発チームが担当する。
米国については、ダラスに営業と設計の拠点を置いて、そこから主要な電装品メーカーをサポートしている。陣容は営業が約50人、設計者が約25人である。これらはマイコン関連をサポートする人員で、それ以外にASICをサポートする部隊もいる。
(馬本 隆綱)











