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基準電圧源を用いてLED駆動回路の効率を改善

[2007年04月号]

By Fons Janssen 米Maxim Integrated Products社
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 高輝度LEDドライバは、図1に示したように、降圧型のDC-DCコンバータ(以下、降圧型コンバータ)を使用して構成することが多い。この回路におけるLEDの駆動電流ILEDは、電流検出(モニター)抵抗の値をRSとし、その端子電圧(検出電圧)に相当するフィードバック電圧をVFBとすると、RS=VFB/ILEDの関係によって決まる。ほとんどの降圧型コンバータはフィードバック電圧として1V程度の比較的高い電圧を必要とするため、図1の方法では電流検出抵抗RSでの消費電力(PSENSE=VFB×ILED)が大きくなるという問題がある。

図1 降圧型コンバータを用いた高輝度LEDドライバ
図1 降圧型コンバータを用いた高輝度LEDドライバ
検出抵抗RSに生成される電圧をフィードバック信号としてLEDを定電流駆動する。


 この電流検出抵抗での消費電力を低減する1つの方法として、電流検出抵抗の値を小さくし、その結果として小さくなる検出電圧を増幅するためにオペアンプを追加する方法がある(図2)

図2 オペアンプを用いた消費電力の低減方法
図2 オペアンプを用いた消費電力の低減方法
オペアンプIC2により検出電圧VSENSEを増幅し、所要のフィードバック電圧VFBを生成する。これにより検出抵抗RSの値を小さくでき、消費電力の低減が可能になる。


 ここではもう1つの方法として、安定な基準電圧出力を持つ降圧型コンバータを用い、その基準電圧を利用して検出電圧を引き上げる方法を紹介する(図3)。

図3 基準電圧を利用した消費電力の低減方法
図3 基準電圧を利用した消費電力の低減方法
基準電圧出力REFを利用して検出電圧VSENSEを所要電圧値まで引き上げることでフィードバック電圧VFBを得る。図2の方法と同様に検出抵抗RSの値を小さくでき、消費電力の低減が可能になる。


 ここで例にとる降圧型コンバータ「MAX1951」(Maxim Integrated Products社製)は、フィードバック電圧として800mVを必要とするが、2Vの基準電圧出力を有しているので、これを利用して検出電圧を引き上げる。図3のように、50kΩの抵抗R1を検出抵抗RSとフィードバック端子FBの間に、また100kΩの抵抗R2を基準電圧出力端子REFとフィードバック端子FBの間に挿入することにより、検出抵抗RSに生じる200mVの検出電圧VSENSEを基に、フィードバック電圧VFBとして必要になる800mVに引き上げることができる。この関係は次式によって表せる。



 つまり、基準電圧VREFは2Vで、その1/3に相当する電圧が、検出電圧VSENSEの200mVの2/3に加算されて800mVのフィードバック電圧VFBが得られる。この結果、抵抗2個の追加というわずかなコストをかけるだけで、検出抵抗での消費電力を1/4に低減できることになる。

 図1の通常のフィードバック方法(以下、通常フィードバック)と図3の基準電圧を使用したフィードバック方法(以下、基準電圧フィードバック)のそれぞれについて、LEDを駆動した際の基本特性を評価した。具体的には、電流の安定性(定電流性と許容入力電圧範囲)ならびに電力効率を計測した。なお、LEDとしては、米Philips Lumileds Lighting社製の「Luxeon K2」を使用した。

図4 入力電圧とLED電流の関係(LED電流が400mAの場合)
図4 入力電圧とLED電流の関係(LED電流が400mAの場合)


図5 入力電圧とLED電流の関係(LED電流が800mAの場合)
図5 入力電圧とLED電流の関係(LED電流が800mAの場合)


 まず、上に示した図4図5に定電流性と入力電圧範囲の計測結果である。これらは、入力電圧の変化に対するLEDの順方向電流(以下、LED電流)の様子を表している。図4はLED電流が400mA近傍にある場合の結果であり、図5はLED電流が800mA近傍の場合の結果である。図4を見ると、入力電圧が4Vから5.5Vに変化したとき、LED電流の変化は通常フィードバックでは1mAであるのに対し、基準電圧フィードバックでは5mAと大きくなった。同様に、図5の800mAのほうでも、通常フィードバックではLED電流の変化が約6mAであるのに対し、基準電圧フィードバックでは22mAとなっている。この点には注意が必要である。一方、LEDを駆動可能な入力電圧範囲(グラフ横軸の電圧範囲に相当)を見ると、図4では基準電圧フィードバックの場合が通常フィードバックの場合に比べて0.5V以上広い。図5においても基準電圧フィードバックのほうが通常フィードバックに比べて約0.7V広くなっている。

図6 回路入力電圧と効率の関係
図6 回路入力電圧と効率の関係
LED電流が400mA、800mAのいずれの場合にも、基準電圧フィードバックのほうが効率が良い。


 上の図6に示したのは歯電力効率の評価結果だ。LEDドライバとしての効率は、入力電力に対するLEDでの消費電力の割合である(以下参照)。



 この効率は、降圧型コンバータの電圧変換効率と検出抵抗での消費電力によって決まる。図6に示す効率の計測結果から分かるように、基準電圧フィードバックを用いることにより、LED電流が400mA/800mAいずれの場合も、効率が10%以上改善する。この効率の改善分は、検出抵抗を小さくした(検出電圧が小さくなった)ことの効果である。なお、図6を見ると、フィードバック方式によらずLED電流が少ないほうが高い効率が得られていることが分かる。その一因は、検出電圧が一定の下では、LED電流が少ないほど検出抵抗での消費電力が小さくなることである。



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