Design Ideas

電池寿命を延ばすために電源を自動的に遮断

[2007年04月号]

By Kieran O'Malley 米ON Semiconductor社
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 充電式電池にはさまざまな利点がある。しかし、完全に放電させてしまうと劣化が進み、寿命が短くなるという問題も抱えている。その対策として図1に示す回路を考案したので紹介する。

図1 ラッチオフ機構を備えた、電源の自動遮断回路
図1 ラッチオフ機構を備えた、電源の自動遮断回路
充電式電池の出力電圧が設定値以下になったら、電源を自動的に遮断する。それにより電池の過放電を防ぐことができ、電池の寿命を延ばすことが可能になる。


 この回路の特徴は、後述するラッチオフ機構を備えていることだ。同機構を持たない電圧コンパレータを利用することでも、電源の自動的な遮断は可能である。ただし、その場合には、電池の負荷が急変することによって電圧にリバウンドが発生したり、コンパレータ内に蓄積される電力によってLEDが再点灯したりするという問題がある。それに対し、図1のようにラッチオフ機構を備えた回路であれば、回路が動作してLEDへの電源が遮断されると、スイッチS1を操作して電源を投入するまで電源オフの状態が保持される。

 この回路の心臓部といえるのはIC1のDC-DCコンバータである。この例では、ON Semiconductor社製の昇圧型コンバータ「NCP1421」を使用している*1)。同製品はPFM(pulse frequency modulation)制御方式の同期整流出力機能を内蔵し、最大出力電流は600mAとなっている。

 この製品を選択した理由は、電池からの出力電圧が下がった際に利用可能な入力端子LBI/EN(low battery input/enable)およびそのことを警告するためのオープンドレイン出力端子LBO(low battery output)を備えていることだ。もちろん、同様の機能を有するものであれば、ほかの製品を使ってもかまわない。

 図1の回路の構成は、通常の昇圧型安定化電源回路と同様である。IC1とインダクタ、入出力用のコンデンサ、電流検出(モニター)抵抗などから成り、AAサイズのNiMH電池2個で動作する。LEDの順方向電圧が抵抗R2とR3によって分圧され、それに電流検出抵抗R1による電圧が加算された電圧がIC1の基準電圧1.2Vとの比較用にフィードバックされる。

 IC1のLBI/EN端子には、電池電圧が抵抗R4、R5、R10によって分圧されて印加される。この入力電圧が1.2V以下になると、LBO端子の出力がローになり、トランジスタQ3がオンしてQ1(デュアルトランジスタ「MBT3946DW1」の片側)のベースに電流が供給される。Q1がオンすると、Q2のベースがローに引かれ、IC2内部でQ1とQ2から構成される仮想的SCR(silicon controlled rectifier:サイリスタ)が導通状態でラッチされる。さらに、Q1によってLBI/EN端子がローにラッチされ、その結果、IC1はシャットダウン状態になり、負荷を取り除いてもオンすることがなくなる。この回路を再起動するには、スイッチS1によって電池からの入力を遮断する必要がある。

 なお、抵抗R4、R5、R10の値はLBI/ EN端子に印加される、電池からの電圧範囲を考慮して設定する。また、抵抗R5は、IC2の仮想的SCRが導通したときに電池から取り出される電流値を規定する。



脚注

*1)

NCP1421 data sheet.

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