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英Nujira社CEOに聞く

「出力段の電源電圧制御で、RFパワーアンプの
電力効率を3倍に高める」

[issued: 2008.09.29]

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Tim Haynes氏
写真1 Nujira社CEOのTim Haynes氏

 「通常のRFパワーアンプの電力効率は実質15%程度。つまり、85%の電力は無駄な熱として消費されている」——英Nujira社CEO(最高経営責任者)のTim Haynes氏(写真)は、通信業界が抱える課題をこのように指摘。その上で、「この無駄なエネルギ消費を削減し、ひいては膨大な金銭的コスト削減を実現することが当社の役割だ」と述べた。

 RFパワーアンプの電力効率が低い理由は、その出力段に一定の電源電圧を供給し続けていることだ。通常のパワーアンプは、AB級の出力段を備える。図1に示すように、大振幅の信号を出力する場合、電力効率は高まるが、小振幅の信号を出力する場合には、ほとんどの電力が熱として無駄に消費されてしまう。

信号と電力の関係
図1 通常のAB級アンプにおける信号と電力の関係
信号と電力の関係
図2 Nujira社製品における信号と電力の関係

 それに対し、Nujira社は信号の振幅に応じて、出力段の電源電圧の上げ下げを可能にするパワーアンプ製品群を開発中である(図2)。Haynes氏は、「通常のAB級アンプの効率である15%という値を45%まで高めることができる」と語る。アイデア自体は、1930年代にすでに存在したというが、「この仕組みを実現するには、電源電圧の生成に用いる変調回路を、扱う信号の3~4倍程度の速度で機能させる必要がある。この点が技術的に難しく、これまでに製品化されたものはなかった」(Haynes氏)のだという。Nujira社の製品では、信号のエンベロープ波形を検出し、それに沿った形でパワーアンプの出力段に供給する電源電圧をDC-DCコンバータによって変動させる。同社はこの技術を「HAT技術」と呼んでいる。

 Nujira社がターゲットとしている分野は携帯電話の基地局、テレビ放送局、そして携帯電話端末である。基地局/放送局向けには、70mm角ほどの大きさのパワーアンプモジュールを製品化している。これは、2009年第1四半期に量産が始まる予定である。一方、携帯電話端末向けには、IC化した製品のサンプル出荷を2009年第1四半期に開始する予定だ。基地局/放送局向けのモジュール製品は18社に採用されることが決まっており、16社が契約途上ないしは検討中の段階にあるという。

(飴本 健)

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