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LabVIEWの新バージョン、
マルチコアとFPGAへの対応を強化

——『NIWeek 2008』から

[issued: 2008.08.08]

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基調講演会場
写真1 NIWeek 2008の基調講演会場

 米National Instruments(以下、NI)社は、2008年8月5日~7日まで、米国テキサス州オースチンで開催した『NIWeek 2008」において、計測機器の制御や組み込みソフトウエア開発に利用されているグラフィカル開発環境「NI LabVIEW」の最新バージョン「LabVIEW 8.6」の新機能を公開した(写真1)。前年の「NIWeek 2007」で発表した「LabVIEW 8.5」に対して、改変が加えられたポイントは3つある。マルチコアシステムにおける処理速度の向上、FPGAプログラミングにおけるコード記述作業の大幅な簡素化、無線通信によるデータ集録への対応である。

マルチコアシステムにおける処理速度の向上
 LabVIEWのマルチコアシステムへの対応は1998年から始まったが、リアルタイム処理におけるマルチコア対応は2007年発表のLabVIEW 8.5からになる。LabVIEW 8.5では、既存のプログラムをマルチコアシステムに対応させるためには、どの処理をどのコアで行うかということについて再記述する必要があった。それに対し、LabVIEW 8.6では、この再記述の作業を自動化しており、利用者はLabVIEW 8.6にバージョンアップするだけで、既存のプログラムをマルチコアシステムに対応させ、高速な処理が実現できるようになる。また、LabVIEW 8.6ではマルチコアシステムに最適化した解析関数を1200種類以上追加したことにより、処理速度を大幅に向上した。例えば、デュアルコアプロセッサによる画像の畳み込み(image convolution)処理が、従来比で約1.9倍高速になるという。

FPGAプログラミングの簡素化
プログラミングイメージ
図1 LabVIEW 8.6におけるFPGAプログラミングのイメージ
Scan Engine(中央)により、ほとんどのFPGAプログラミングが自動化される。一部自動化できない部分については、従来どおり「LabVIEW FPGA」を使ってプラグラミングを行う。
Single-Board RIO
写真2 NI社の「Single-Board RIO」

 LabVIEWでは、通常はVHDLなどを使ってテキストベースで記述する必要のあるFPGAプラグラミングへの対応を2003年から開始している。NI社は、FPGAを搭載することでI/O制御を自由に構成できる制御コントローラ「NI CompactRIO」を提供しており、これとLabVIEWを連動させた形での運用を推進している。ただし、LabVIEWを使えばグラフィカルプログラミングが可能だとはいえ、FPGAに関するある程度の専門知識は必要だった。LabVIEW 8.6では、FPGAプラグラミングに必要な関数の80%をカバーする「Scan Engine」を利用する。これを利用することにより、CompactRIOのプラグラムに対して必要なI/Oを備えるFPGAの回路を自動的に構成することができ、FPGAプラグラミングをほとんど行わなくてもFPGAを利用できる(図1)。また、パソコン上でFPGAプログラムのシミュレーションが行えるので、実際にコンパイルする前に検証/デバッグすることにより、従来よりも工程数を削減できるようになる。さらに、FPGAにおける機能実現に必要なIP(intellectual property)については、NI社製の新しいIPコアを追加するとともに、既存のVHDL記述によるIPをLabVIEWに直接インポートできる「コンポーネントレベルIP(CLIP)ノード」機能を新たに開発した。

 NI社は、LabVIEWによる組み込みソフトウエア開発における実装段階に対する提案として、性能と生産規模に合わせて、さまざまなFPGA搭載製品を展開している。ただし、生産規模としては、CompactRIOの数十台が最大で、100~1000台規模に対応する製品は持っていなかった。今回、LabVIEW 8.6のFPGAに関する機能拡張に合わせて、米Freescale Semiconductor社のマイコンと米Xilinx社製のFPGAを搭載したシングルボード形状の「Single-Board RIO」を発表した(写真2)。すでに、100枚単位から受注を開始している。

無線通信によるデータ集録
Wi-Fi DAQ
写真3 NI社の「Wi-Fi DAQ」

 無線通信によるデータ集録には、IEEE 802.11gプロトコルの無線LAN接続に対応したデータ集録装置「Wi-Fi DAQ」で対応する(写真3)。WiFi DAQは、無線通信のセキュリティ規格であるIEEE 802.11iに対応することで通信の信頼性を確保する。これを利用すれば、広く普及している同802.11gを含めたWi-Fiのインフラを活用してデータを集録することが可能になる。

 新開発したのは、無線通信を行うソケットの部分だけなので、既存のDAQモジュールを流用することが可能である。LabVIEW側でのプログラム変更も必要ない。LabVIEW 8.6では、CADモデル上に、センサーノードから集録した情報を視覚化するソフトウエアモジュールを新たに設けている。NI社は、Wi-Fi DAQによるセンサーノードの無線接続が重要になるとしている。

(朴 尚洙)

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