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理化学研が有機モットFETの研究成果を発表、
電界効果移動度は従来の900倍超

[issued: 2008.06.30]

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 独立行政法人 理化学研究所は2008年6月、有機モット絶縁体を用いてFET(電解効果トランジスタ)を作製し、94cm2/Vsの電解効果移動度を実現したと発表した。これまでの有機モットFETの電解効果移動度の最大値である0.1cm2/Vsに比べ、940倍向上したことになる。

 モット絶縁体とは、電気伝導を担う電子が多数存在しているのににもかかわらず、電子同士の斥力相互作用によって絶縁体となっている物質のことである。電界を加えることにより、この状態を脱し、電気伝導体に変化するのではないかと考えられている。

 理化学研究所は、BEDT-TTF(bis[ethylenedithio]tetrathiafulvalene)と呼ばれる有機分子と銅イオン、ジシアノアミドイオン、および臭化物イオンで形成されたBEDT-TTF錯体を用いて、独自の手法で有機モットFETを作製した。

 まず、有機物のモット絶縁体であるBEDT-TTF錯体の単結晶薄膜(厚さ1µm以下)を、アルコール中でシリコン基板に載せて引き上げる。アルコールが乾くに連れ、単結晶薄膜は、電気的な力によって自然と基板に貼り付いていく。基板上にあらかじめ電極を形成しておけば、この作業だけでFETが形成できるという。

 この方法で作製したFETは、電界によって電極間の電気伝導度が1000万倍以上上昇する。その結果、FETの特性を表す電界効果移動度として94cm2/Vsという値が得られたという。-269℃における結果ではあるが、シリコンFETの電界効果移動度がおよそ1000cm2/Vsなので、約1/10の値が実現できたことになる。

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