松下電工が次世代製品の柱と位置付けているのが、3D実装デバイス「MIPTEC(microchip integrated processing technology)」である。成形品の表面に電気回路を立体的に形成するMID(molded interconnect devices)技術を基に、同社独自の成形表面活性化処理技術や、レーザーによるパターニング技術などを組み合わせる。誤差が±30µmという高精度なレーザー加工により、微細なパターニングを実現する。ライン幅/スペース幅(以下、L/S)は従来工法の200/200µmから70/70µmに低減した。このL/Sで、成形表面6面、および成形内面へのパターニングが可能となった。また、プログラムを書き換えるだけで容易にパターンを変更できるため、開発スピードの向上や、コストの削減にも貢献するという。プラズマ活性処理と、同社独自の成形材料により、パターン部の平滑性と回路密着性を向上させた。このため、ベアチップや各種部品を直接実装することが可能となった。
樹脂のみでなく、セラミックの表面にも微細なパターンを形成できる。そのため、セラミックの特性を生かした優れた高周波特性や放熱性を備えるセラミック部品を開発することもできる。さらに同社は、新世代のパッケージとして、多層セラミックとMIPTECを融合した高密度3次元回路の形成を実現した(図1)。それぞれの利点を生かし、パターン精度と微細なL/Sを保ったまま、斜面や側面に回路を形成することが可能になる。
MIPTECの特徴を端的に表すと、部品を立体的に構成したり、複数の部品(機能)を1パッケージ化したりすることにより、小型化を実現できるということだ。現在、MIPTECが最も多く利用されているアプリケーションは、人体検知センサーである。MIPTECを利用することにより、従来品に比較して体積を1/10に低減した。また、例えば指紋センサーモジュールにおいて、シールドや接続コネクタなどを1パッケージ化することで、部品点数を削減するといったことが可能となっている。今後は、車のヘッドライトに使用される高輝度LEDなどの市場において、MIPTECのシェア拡大に力を入れていくという。
News Center
松下電工が次世代3D実装デバイス
「MIPTEC」などを展示
——『JPCA Show 2008』から
[issued: 2008.06.11]
2008年6月11日~13日の3日間にわたって開催される『JPCA Show 2008 第38回国際電子回路産業展』(東京ビッグサイト)において、松下電工は、半導体、通信/ネットワーク用機器、車載、およびモバイル機器の4分野に焦点を当て、「MEGTRON」、「HIPER」などの基板材料や、同社次世代製品の柱として位置付けている3D実装デバイス「MIPTEC」などを出展した。ここでは、同社製品群の概要と特徴を紹介する。
3次元で微細パターニングが可能なMIPTEC
多様なニーズに対応する基板材料
図2 「MEGTRON6」シリーズの外観
「MEGTRON4」シリーズと「MEGTRON6」シリーズは、通信/ネットワーク機器の用途に向けたプリント配線板用材料である(図2)。同じ「MEGTRON」という名称だが、こちらは高周波特性を特徴としている。伝送損失や熱膨張係数が小さく、高速で大容量のデータ送信に適している。また、耐熱性も高いので、鉛入りはんだよりも融点の高い鉛フリーはんだも利用することができる。
通常、車載用途のIC、特にエンジン周り(ECU:engine control unit)で用いられるICには、優れた耐熱性が要求される。これに対応しているプリント配線板用材料が「HIPER」シリーズの「R-1755D」や「R-1755C」である。一般的なガラスエポキシ基板であるFR-4のガラス転移温度(Tg)が140℃であるのに対し、R-1755Dは163℃を実現している(いずれも示差走査熱量測定器[DSC:differential scanning calorimetry]で測定した場合の値)。
携帯電話機のヒンジ部など、柔軟性が要求される用途向けには、14µmのポリイミド層を持つフレキシブル銅張積層板「FELIOS」シリーズを展開している。寸法変化率が低く、優れた耐屈曲性を持つことが特徴だ。片面、および両面の回路形成が可能で、500mm幅でのロール回路形成などにも対応できる。
(村尾 麻悠子)
Sponsor Links
TOP 10 ページ
- 「ムーアの法則」の終わりが近づく?
- NECエレが垂直磁化方式のMRAMを開発、 微細プロセスに適したセル構造を実現
- 「新たなプロセッサコアを2009年後半に投入」 ——ARM社がマルチコアの展開を拡大
- Cypress社の宇宙用途CMOSイメージセンサー、 NEC東芝スペースシステム向けに開発
- 8チャンネルのオーディオD-Aコンバータ、 THDは-93dB
- Soitec社が22nmプロセス向けSOI技術を発表
- 「アナログ設計者の育成と半導体応用技術の 開発に注力」
- コイル一体型のDC/DCコンバータIC、 外形寸法は2.5mm×2.0mm×1.0mm
- パテントトロール問題を受け、新たなIPビジネスが急増
- 4.7μHの巻き線型パワーインダクタ、 直流重畳許容電流値は2.0A










