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NIMSが液晶バックライト向け
白色LEDの試作に成功

[issued: 2008.03.24]

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βサイアロン緑色蛍光体
図1 βサイアロン緑色蛍光体


CaAlSiN3赤色蛍光体
図2 CaAlSiN3赤色蛍光体

 独立行政法人の物質・材料研究機構(NIMS)は2008年3月、液晶ディスプレイのバックライトの用途に適した白色LEDを開発したと発表した。開発された白色LEDは、1つの青色LED素子とCaAlSiN3赤色蛍光体(図1)、βサイアロン緑色蛍光体(図2)とから構成され、光の3原色である赤、緑、青を組み合わせて白色の光を発する。その特徴は、LED素子が1つであることと、赤/緑/青の3原色以外の色成分が少ないため、カラーフィルタと組み合わせることで純度の高い3原色を取り出すことが可能なことである。

 現在、液晶ディスプレイのバックライトには冷陰極蛍光ランプや、青/黄色の2個のLED、青/赤/緑の3個のLEDを組み合わせたものが用いられている。しかし、これらの方法にはそれぞれに問題がある。1つ目の冷陰極蛍光ランプは水銀を含むので、環境面の問題がある。2つ目の青/黄色に発光するLEDを組み合わせたバックライトは緑/赤の色成分が少ないため、色再現性が低い。3つ目の青/赤/緑の3個のLEDを組み合わせたものは高い色再現性を実現するが、駆動回路が複雑になりコストが高くなる。白色LEDによるバックライトは、小さい環境負荷と高い色再現性、安価な駆動回路を実現できると期待されており、NIMSが開発した白色LEDによってその実用化が大きく前進したという。

CIE 1976色度図上の色空間範囲
図3 CIE 1976色度図上の色空間範囲
青い線がNTSCの色空間を表している。開発された白色LEDの色空間がNTSC比91%(上図の白い線)で、従来品LEDの色空間がNTSC比72%(下図の白い線)。


 NIMSは、この白色LEDを用いた液晶ディスプレイによって再現可能な色空間のシミュレーションを行った。従来の青/黄色のLED素子を用いた場合、NTSC比は72%であったが、開発した白色LEDであればNTSC比は91%に達したという(図3)。

 この白色LEDに用いられているCaAlSiN3赤色蛍光体は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化カルシウム、酸化ユーロピウム粉末を混合したもの。それらを窒化ホウ素製のるつぼに入れ、10気圧の窒素中において1800℃で反応させることにより合成している。もう一方のβサイアロン緑色蛍光体は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ユーロピウム粉末を混合し、窒化ホウ素製のるつぼに入れて、10気圧の窒素中で1900℃で反応させることにより合成した。これらの蛍光体によって、青色LEDが放つ光を波長が650nmの赤色と540nmの緑色に変換し、赤/緑/青の三原色成分の発光を得る。この方式では赤/緑/青の光成分の比を自由に変えられることから、カラーフィルタの特性に応じてチューニングした光源を設計できる利点がある。

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