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アナログICの大手メーカーが
日本の自動車市場に攻勢
[issued: 2007.12.10]
アナログICの大手メーカーが、日本の自動車市場に攻勢をかけている。自動車部品の電子化を先導し、品質要求が最も厳しい日本の自動車メーカーに食い込むことで、同分野における事業の拡大を図るとともに、顧客のニーズを次期製品の開発に結び付けていきたい考えだ。半導体各社は数年後に、自動車向け半導体事業を経営の大きな柱の1つに育てていく方針である。
2008年度の自動車向け売上高比率、Linear社が16%を見込む
写真1 Linear Technology社の
CEOを務めるLothar Maier氏
同社の2007年6月期の売上高は10億8300万米ドルで、このうち、自動車向けは全売上高の8%を占めた。日本市場ではその構成比はすでに16%と高い。Linear Technology社のCEOを務めるLothar Maier氏は、「2007年7~9月期の自動車向け売り上げ比率はすでに全売上高の10%に達している。WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)がまとめた市場予測を見ると、自動車向け半導体市場は2006年から2010年までの年平均成長率が50%と高い。当社は自動車向けICチップ事業を本格的に始めたばかりで、売上高はまだまだ伸びる」と、自動車向けICチップ市場の将来性について述べた。
同社はまず、カーナビゲーションシステムなどカーインフォテインメント機器向けのアナログICを中心に自動車市場に参入し、自動車向けICチップの売り上げを拡大してきた。最近では、レーダーシステムやヘッドアップディスプレイ、ヘッドライト、ブレーキランプ、パワーステアリングなど、アナログICを利用する用途が広がっている。こうした動きに対してMaier氏は「これまでメカニカルな制御を行ってきた部分もエレクトロニクス制御に移行している。当社では数年前からこのような電子化の動きを認識しており、これらの用途に適用できるアナログICを市場に投入する準備ができている」という。
自動車用ICチップは使用温度範囲などの面で特別な仕様が求められる。特に日本の自動車メーカーはICチップの信頼性や品質に対する要求が厳しい。この要求に応えるため同社では特別な自動車業界向けプログラムを2006年に策定している。自動車向けICチップに関しては、製造ロットごとにワイヤーボンディングした部分を走査電子顕微鏡で検査するなど、従来よりさらに厳しい検査を行って出荷している。
「当社はすべての製品分野において顧客の要求を開発にフィードバックしている。信頼性や品質などの点でも顧客の要求に基づいて継続的な改良を行っていく」(Maier氏)という。自動車向けICチップ事業においてもこうした企業文化を踏襲していく。
Maxim社の自動車向け半導体事業、5年後に売上高5億米ドルを目指す
写真2 Maxim社のバイスプレジデントを
務めるKen Huening氏
Maxim社のバイスプレジデントを務めるKen Huening氏(写真2)は、「全社売上高は2007年6月期の約20億米ドルに対して、2012年6月期には50億米ドルを予測している」と語る。5年間で2.5倍の売り上げ拡大を見込む中期事業計画の中で、最も成長を期待している分野の1つが自動車向け半導体事業である。Huening氏によると、自動車向け半導体市場の中で、「当社がカバーしようとしている製品領域の市場規模は約30億米ドル」と試算する。この市場に対して同社は2012年までに5億600万米ドルの売上高を計画している。
この事業計画を達成するために、同社は自動車向け半導体事業に特化した組織として「オートモーティブグループ」を立ち上げている。現在このグループには50人が所属するが、2008年末までには100人規模に増員する予定である。また、「当社は全社で年間500品種以上の新製品を開発する設計能力を有しているが、この設計能力の10%を自動車向けICチップの開発に充てている」(Huening氏)という。
自動車向け半導体事業で同社がこれまで主力にしてきた用途は、カーナビゲーションシステムやカーオーディオなどのインフォテインメント機器向けで、電源ICや無線レシーバICなどのアナログICを供給してきた。今後は、こうしたアナログICに加えて、低消費電流のマイクロコントローラ「MAXQシリーズ」の提案にも力を入れる。CAN(controller area network)やLIN(local interconnect network)といった車載ネットワーク規格に対応するインターフェース技術やEMI(electromagnetic compatibility)ノイズを削減する技術などを組み合わせて、ボディ制御ユニット向けに拡販していく考えである。
(馬本 隆綱)
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