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CST社が電磁界解析ソフトウエアを改版、
解析作業の効率化を図る
[issued: 2007.11.21]
エーイーティーは2007年11月、ドイツComputer Simulation Technology(CST)社が開発した電磁界解析ソフトウエア「CST STUDIO SUITE 2008(以下、CST SS 2008)」の販売を開始すると発表した。併せて、同ソフトウエアのシミュレーション時間を短縮するハードウエアアクセラレータ「ClusterInABox D30」の販売開始、同ソフトウエアとNEC情報システムのルールベースEMC(electromagnetic compatibility:電磁環境両立性)抑制設計支援ツール「DEMITASNX」の連携手法などについて発表した。
電磁界解析ソフトウエアの改版
CST SS 2008は、高周波電磁界をFIT(finite integration theory:有限積分法)で計算する「CST MICROWAVE STUDIO(以下、MWS)」とFITに基づいて静電界/静磁界、定常電流、低周波電磁界、熱問題を解析する「CST EM STUDIO」、荷電粒子のモニタリングと電子放出計算などを得意とする「CST PARTICLE STUDIO」、それらを統合するプラットフォームである「CST DESIGN ENVIRONMENT」で構成される。
同社従来製品である「CST STUDIO SUITE 2006B」を改版したものであり、図研や米Mentor Graphics社のプリント配線板設計ソフトウエアとの間でレイアウト/モデルデータなどをやりとりできるインターフェースや、ドイツSimLab Software社や米Sigrity社のEMC/シグナルインテグリティ解析ソフトウエアとの間で解析結果である電流分布データをやりとりできるインターフェース、外部ソフトウエアに対してHSPICEモデルを出力する機能などが追加された。そのことにより、外部ソフトウエアから解析対象のモデルの取り込みや解析結果の流用が容易になり、電磁界の解析作業が効率化できるという。主に、EMC設計エンジニアや無線通信機能を備えた携帯型端末の設計者、システム設計者などの幅広い分野のエンジニアに向ける。すでに出荷を開始しており、販売価格は要問い合わせ。
CST SS 2008では、そのほかにも機能追加や改善が行われている。使い勝手の面では、「Windows Vista」とLinuxへの正式対応や、従来は手作業で行う必要があったアップデートの自動更新を可能にする「CST Software update Manager」の追加、情報の検索を容易にするヘルプとCST社のオンラインサポートページの統合、複数のファイルに分割されていたデザインファイルの集約、デザインの共有化を実現するサブプロジェクト概念の導入などの新機能がある。
性能面では、MWSの時間領域における電磁界解析エンジンである時間領域ソルバーが高速化されている。同社従来製品(CST STUDIO SUITE 2006B)と比較してメッシュ化の速度を30~100倍、シミュレーション速度を10倍に高速化した。この高速化は、演算手法を最適化することによって行ったという。また、米Intel社のマルチコアプロセッサや後述するハードウエアアクセラレータに対応することで、シミュレーション速度をさらに改善している。
MWSの周波数領域における電磁界解析エンジンであるダイレクトソルバーの改変内容は、同社従来製品と比較してメモリー使用量を1/2としたことと、処理時間を20%短縮したことである。また、解析可能な周波数範囲を0Hzまで拡大した。これによって、デジタル信号に対する周波数領域から時間領域への変換の波形再現性が向上するという。同社技術部の安永高志氏は、「デジタル信号の波形では、直流成分の割合が多い。そのため0Hzにおける電磁界解析は、非常に重要である」と説明した。
MWSのモーメント法を用いた解析エンジン「Integral ソルバ」は、大規模な無線通信システムやアンテナ設計、EMC設計の解析などに用いるもので、3D電磁界モニターや遠方界モニターの機能を備える。同社従来製品で遠方界モニターを行う場合、観測したい周波数をあらかじめ決めておいてから解析する必要があり、解析後に観測したい周波数が変わった場合、最初から解析をやり直さなければならなかった。それに対してCST SS 2008は、ポスト処理を行うように改善されており、任意の周波数に対する遠方界を短時間で得られるようになった。
同社従来製品である「CST STUDIO SUITE 2006B」を改版したものであり、図研や米Mentor Graphics社のプリント配線板設計ソフトウエアとの間でレイアウト/モデルデータなどをやりとりできるインターフェースや、ドイツSimLab Software社や米Sigrity社のEMC/シグナルインテグリティ解析ソフトウエアとの間で解析結果である電流分布データをやりとりできるインターフェース、外部ソフトウエアに対してHSPICEモデルを出力する機能などが追加された。そのことにより、外部ソフトウエアから解析対象のモデルの取り込みや解析結果の流用が容易になり、電磁界の解析作業が効率化できるという。主に、EMC設計エンジニアや無線通信機能を備えた携帯型端末の設計者、システム設計者などの幅広い分野のエンジニアに向ける。すでに出荷を開始しており、販売価格は要問い合わせ。
CST SS 2008では、そのほかにも機能追加や改善が行われている。使い勝手の面では、「Windows Vista」とLinuxへの正式対応や、従来は手作業で行う必要があったアップデートの自動更新を可能にする「CST Software update Manager」の追加、情報の検索を容易にするヘルプとCST社のオンラインサポートページの統合、複数のファイルに分割されていたデザインファイルの集約、デザインの共有化を実現するサブプロジェクト概念の導入などの新機能がある。
性能面では、MWSの時間領域における電磁界解析エンジンである時間領域ソルバーが高速化されている。同社従来製品(CST STUDIO SUITE 2006B)と比較してメッシュ化の速度を30~100倍、シミュレーション速度を10倍に高速化した。この高速化は、演算手法を最適化することによって行ったという。また、米Intel社のマルチコアプロセッサや後述するハードウエアアクセラレータに対応することで、シミュレーション速度をさらに改善している。
MWSの周波数領域における電磁界解析エンジンであるダイレクトソルバーの改変内容は、同社従来製品と比較してメモリー使用量を1/2としたことと、処理時間を20%短縮したことである。また、解析可能な周波数範囲を0Hzまで拡大した。これによって、デジタル信号に対する周波数領域から時間領域への変換の波形再現性が向上するという。同社技術部の安永高志氏は、「デジタル信号の波形では、直流成分の割合が多い。そのため0Hzにおける電磁界解析は、非常に重要である」と説明した。
MWSのモーメント法を用いた解析エンジン「Integral ソルバ」は、大規模な無線通信システムやアンテナ設計、EMC設計の解析などに用いるもので、3D電磁界モニターや遠方界モニターの機能を備える。同社従来製品で遠方界モニターを行う場合、観測したい周波数をあらかじめ決めておいてから解析する必要があり、解析後に観測したい周波数が変わった場合、最初から解析をやり直さなければならなかった。それに対してCST SS 2008は、ポスト処理を行うように改善されており、任意の周波数に対する遠方界を短時間で得られるようになった。
グラフィックスチップを用いたハードウエアアクセラレータ
エーイーティーは、電磁界解析ソフトウエアの演算時間を短縮するためのハードウエアアクセラレータ(開発元はカナダAcceleware社)の販売を行っている。今回新たに、パソコンの外部に接続するハードウエアアクセラレータである「ClusterInABox D30(以下、D30)」の販売を開始することを発表した。MWSの時間領域ソルバーを高速化するために用いるもので、米NVIDIA社の「Teslaデスクサイドスーパーコンピュータ」と同様の概観である。米NVIDIA社グラフィックスチップを搭載した同社従来製品である「Acceleware Accelerator A30(以下、A30)」を2枚収容している。そのグラフィックスチップは、内部に128個のコアを集積し、76.8ギガバイト/秒のメモリー帯域幅を備えている。D30をパソコンに接続した場合、米Intel社の4コアプロセッサ「Woodcrest」のみで処理する場合と比較してシミュレーション時間が1/12に短縮できるという。すでに出荷を開始しており、価格は390万円程度。
同社の安永氏は、「グラフィックスチップは、演算の精度がCPUと比較して劣ると考えられている。しかし、丸め誤差の取り扱いによる違いのみであり、実用上は問題がない」と述べる。その上で、「次世代のグラフィックスチップは、64ビットの倍精度浮動小数点数をサポートする予定だ。従って、より高い精度での解析結果が期待できるだろう」(同氏)とし、アクセラレータにグラフィックスチップを用いるメリットを説明した。
同社の安永氏は、「グラフィックスチップは、演算の精度がCPUと比較して劣ると考えられている。しかし、丸め誤差の取り扱いによる違いのみであり、実用上は問題がない」と述べる。その上で、「次世代のグラフィックスチップは、64ビットの倍精度浮動小数点数をサポートする予定だ。従って、より高い精度での解析結果が期待できるだろう」(同氏)とし、アクセラレータにグラフィックスチップを用いるメリットを説明した。
EMC抑制ツールとMWSの連携
エーイーティーは、NEC情報システムズと共同で、DEMITASNXとMWSを連携させて耐EMC設計を効率化させるワークフローを開発したことも発表した。DEMITASNXは、NEC情報システムズが販売するプリント配線板用のEMC抑制設計支援ソフトウエアである。NECグループの設計経験から抽出された設計ルールと実際の設計内容を比較して、EMCの問題が発生しそうな場所を特定することが可能だ。DEMITASNXとMWSの連携によって、DEMITASNXのルールチェックで「問題あり」と特定された場所の情報を、DEMITASNXから電磁界解析ソフトウエアであるMWSにエキスポートすることが可能になった。エキスポートされるデータは、プリント配線板の3D構造や材質、配線パターンなどである。それにより、特定された場所における電磁界解析を簡単に行うことができるため、効率的な設計が可能になるという。MWSとの連携はDEMITASNX バージョン3.9からサポートし、2008年1月からの販売を予定する。
エーイーティーで技術部本部長を務める清野幹雄氏は、MWSとDEMITASNXとの連携に関して、「設計ルールだけでは解決できない問題に対しては、現実的な対処方法を導き出す必要がある。この連携によってその作業を簡素化できる」と説明した。また同氏は、「当社は、CTS社の単なる販売代理店ではなく、技術的な面でもCST社と密にやりとりをしている。例えば、図研のソフトウエアへのインターフェースやDEMITASNXとの連携は、当社からCST社に要望した結果、追加された機能だ」と述べた。
エーイーティーで技術部本部長を務める清野幹雄氏は、MWSとDEMITASNXとの連携に関して、「設計ルールだけでは解決できない問題に対しては、現実的な対処方法を導き出す必要がある。この連携によってその作業を簡素化できる」と説明した。また同氏は、「当社は、CTS社の単なる販売代理店ではなく、技術的な面でもCST社と密にやりとりをしている。例えば、図研のソフトウエアへのインターフェースやDEMITASNXとの連携は、当社からCST社に要望した結果、追加された機能だ」と述べた。
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