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NECエレがマルチコアでカーナビ用マイコンに本格参入、アルパインの2010年春モデルに採用内定
[issued: 2007.10.03]
写真1 NECエレクトロニクス自動車システム事業部長の金子氏
写真2 アルパイン副CTOの矢澤氏
写真3 NaviEngineの開発ボード
中央にあるNaviEngineのサイズは27mm角、厚さ2.55mmのFCBGAパッケージ。冷却ファンなしで安定して稼働する。
NECエレクトロニクスマイクロコンピュータ事業本部 車システム事業部の事業部長を務める金子博昭氏(写真1)は、「当社は車載用マイコンで2010年にトップシェアを獲得するという目標の下、自動車関連デバイスの製品展開を行っている。現在、車両/車体制御系では世界の主要顧客に対する実績を積んでいるものの、次世代の自動車開発でカーナビなどの情報/安全系システムが制御系と一体化していくことを考えれば、カーナビ用マイコン市場にも参入する必要があった。すでに競合他社が多い分野ではあるが、マルチコア技術で最高性能を実現できるプラットフォームの提案から始めることで、売り上げ拡大を目指す」と語る。今後は、CPUコア数の変更や周辺回路のモジュール化により、普及品から高機能品までカバーできるような製品展開を計画している。「さらなる高機能化は、IPコアを現在のARM11から最新のCortexにすることで対応できる」(金子氏)という。NaviEngineプラットフォームでの売上高目標は、2010年に100億円、2013年に200億円、2015年に世界シェア15%に相当する300億円としている。
発表の席には、アルパインAVNC製品開発副担当兼AVNC-PF開発部長を務める矢澤猛氏(副CTO)も出席した(写真2)。矢澤氏は「NECエレクトロニクスからは、3年前からマルチコアでのカーナビ用マイコンの提案を受けていた。今回発表されたNaviEngineの採用を内定しており、当社は2010年春モデルに搭載できるようにマルチコア対応のアプリケーション開発を推進していく」と語った。2007年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでは、一部顧客にNaviEngineを使った動作デモを公開して高い評価を得たという。
NaviEngineは、400MHz動作時で480MIPSの処理能力を持つARM11コアを4個持つ。カーナビでは初となるSMP(対称マルチプロセッシング)型の並列処理により、最高1920MIPSという高速処理が可能である。一方で消費電力は、高性能カーナビ用マイコンの上限とされる5W以下に抑えた。グラフィックスコアには、英Imagination Technologies社の「SGX535」を採用しており、頂点処理性能が最大で毎秒15メガポリゴン、ピクセル描画性能が毎秒約800メガ画素など、高い2次元/3次元描画性能を達成している。またカーナビ用マイコンでは世界初となるシリアルATAバス内蔵による大容量地図データへの高速アクセスや、カーナビ用に特化した複数レイヤーの表示面を合成できる液晶ディスプレイコントローラを備えることなども特徴となっている。ソフトウエア開発環境については、イーソルのT-KernelベースのOS「eT-Kernel Multi Core Edition」に標準で対応するほか、評価ボード、ICE(インサーキットエミュレータ)、デバッガ、ミドルウエアでパートナ企業との連携を図っているという。
発表会場では、NaviEngineの開発ボード(写真3)と4組のWindows CE6.0を使って、メディアプレーヤによる動画のソフトデコード、3次元描画、独自ミドルウエアを使っての白線認識、Windows CEデスクトップを独立に動作させるデモを行った(図1)。デモをWindows CEで行っていることから、HDDカーナビ用OSでトップシェアのWindows Automotiveを展開するマイクロソフトとの連携もうかがわせた。
(朴 尚洙)
図1 NaviEngineの動作デモ
4組のWindows CE 6.0を動作させている。
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