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先進のデモ機器に見るNI社の組み込み向けソリューション-「NIWeek 2007」から(その3)

[issued: 2007.08.14]

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 米National Instruments(NI)社は、同社の製品を計測だけでなく組み込み機器の開発/設計に応用することを提案している。米SolidWorks社のメカニカルCAD「SolidWorks」とNI社のグラフィカル開発環境「LabVIEW」の連携もそうした例の1つである。例えばロボットなどを設計する際、物理モデルをSolidWorks上で作り、その制御モデルをLabVIEWで設計する。これによって、物理モデルと制御モデルをパソコン上で連携させてシミュレーションするといったことが行える。また、実際にものを作らなくてもアイデアやアルゴリズムを検証できるため、コストや開発工数を大幅に削減することが可能になるという。加えて、プロトタイプの製作期間も短縮でき、実際に試作したメカに対して同社の「NI CompactRIO(以下、CompactRIO)」やPXIプラットフォーム上でプログラムを実行して制御を実現できる。

 NI社が米国テキサス州で8月7日~9日にわたって開催した「NIWeek 2007」では、このような同社の考えを反映した多くの製品やデモがNI社、関連各社から展示された。以下では、それらの中から、興味深いものをいくつかピックアップして紹介する。

人型ロボット
写真1 バージニア工科大学 RoMeLaの人型ロボットDARwin
写真1 バージニア工科大学 RoMeLaの人型ロボットDARwin

 バージニア工科大学のRoMeLa(Robotics and Mechanism Lab)が製作した人型ロボット「DARwin」(写真1)。このロボットは、2004年時点ではフィードバック機構もなく、人間の動作をまねするだけのものであった。そのため、すぐに転倒してしまったという。その後、PC104プラットフォームにLabVIEWリアルタイムモジュールを搭載したことで、モーションジェネレーションや画像認識が可能になった。同ロボットは、2007年に行われているロボットによるサッカー大会「RoboCup 2007」に参加した。

 RoMeLaの教授であるDennis Hong氏は、ロボットに搭載されたカメラが撮影した画像からボールを検出するプログラムを記述した例に挙げ、「LabVIEWについて知らない学生がLabVIEWの画像認識モジュールを用いて2時間でプログラムを作成した」と同製品によるプログラミングの容易さについて説明した。

自律倒立する一輪車
写真2 NI社の自律倒立する一輪車
写真2 NI社の自律倒立する一輪車

 NI社のブースでは、自律倒立する一輪車(補助輪付き)が展示されていた(写真2)。CompactRIOとモータードライブユニットの「NI 9505」、加速度センサー、電池を組み合わせたもので、自律的に転倒を防止するよう車輪に接続されたモーターが制御されている。いわば、「セグウェイ」の一輪車版である。補助輪があるのは、1つの車輪による前後1軸の制御であるため、横方向への傾斜に対応できないからだ。

 LabVIEWのシミュレーションによってアルゴリズムの設計/検証を行い、CompactRIO上で制御プログラムを実行している。NI社の製品を用いれば、アルゴリズムの開発/検証と試作品の製作を迅速に行えるとうたっている通り、開発/設計の期間は約2週間だったという。

ゴルフシミュレータ
写真3 Freescale Semiconductor社のゴルフシミュレータ
写真3 Freescale Semiconductor社のゴルフシミュレータ

 米Freescale Semiconductor社は、同社のDSPが組み込まれたプロセッサ「ColdFire」とMEMS(micro electro mechanical systems)加速度センサー、ZigBeeモジュールを利用したゴルフシミュレータを展示していた(写真3)。これは、ゴルフのクラブを振った際の加速度を検出し、実際のボールの軌道をシミュレーションするものである。クラブのヘッド部分にプロセッサと加速度センサーを組み込み、シャフトの部分にはZigBeeモジュールが組み込まれている(写真4)。加速度のデータを無線(ZigBee)でパソコンに送り、LabVIEWで加速度データを解析してボールの軌道をシミュレーションする(写真5)。展示の説明員はよれば、製作には検討期間を含めて4人で2~3カ月を要したという。

写真4 ゴルフクラブの組み込まれたプロセッサなど
写真4 ゴルフクラブの組み込まれたプロセッサなど
ヘッド部分にプロセッサと加速度センサーが組み込まれている。シャフトの部分に付いているのはZigBeeモジュール。
写真5 ゴルフシミュレータの画面
写真5 ゴルフシミュレータの画面
スイングによるボールの飛距離をシミュレーションする。


神経パルスの検出による音声合成と車椅子制御

 米Ambient社は、のどの神経をセンシングして音声合成と車椅子の制御を行うシステムを紹介していた(写真6)。実際に声を発生しなくても、声を発するために動かす筋肉への神経パルス信号を検出/解析して音声を合成したり、車椅子を操作したりするものだ。同社はこの技術を「Audeo」と呼ぶ。脊髄の麻痺などで移動能力や声を出す能力を失った数百万の人を助ける可能性がある技術だという。その仕組みは、のどに巻きつけたセンサーから人間の神経パルス信号を検出し、コンピュータにそのデータを転送して解析することで音声合成と車椅子の制御を行っている。NI社のLabVIEWは、このアルゴリズムの設計に用いられたという。車椅子の映像は、Ambient社のウェブサイト(http://www.theaudeo.com/tech.html)で閲覧できる。開発期間は3年だが、「LabVIEWを用いなかったらまだ完成していなかっただろう」(同社)とのことだった。
(小野 明久)

写真6 Ambient社のAudeoの概念図
写真6 Ambient社のAudeoの概念図


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