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新方式を採用したリニアレギュレータ、並列接続による大電流対応が容易に

[issued: 2007.07.23]

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図1 リニアレギュレータ「LT3080」

 リニアテクノロジーは2007年7月、出力電圧可変型のリニアレギュレータ「LT3080」を発売した(図1)。同製品の特徴は、2本の外付け抵抗によって出力電圧を決める従来の方式に代わり、チップ内蔵の定電流源と1本の外付け抵抗で出力電圧を決める新たな方式を採用したことだ。

 従来の一般的な出力電圧可変型リニアレギュレータでは、誤差アンプの非反転入力端子に、チップ内部で生成した基準電圧を入力する。一方、反転入力端子には、2本の抵抗を使ってレギュレータの出力電圧を分割し、その電圧が基準電圧相当となるようにして入力する。この方式の場合、チップの発熱の問題を抑えつつ、大きな出力電流を得たいと思うなら、複数のリニアレギュレータを同じ出力電圧に設定して並列に接続するのが最も簡単な方法だといえる。しかし、この方法は、内部で発生する基準電圧のチップ間ばらつきが原因で個々のレギュレータが流す電流値に大きな差が出るため、実際にはあまり使用されない。

 LT3080は従来とは異なる方式を採用したことにより、並列接続による大電流出力への対応を容易に実現することができる。図2に示したのは、 LT3080を2つ並列に接続した場合の例である。LT3080では、従来の抵抗分割方式とは異なる方法で出力電圧を制御する。まず、誤差アンプの反転入力端子には、レギュレータ出力を直接入力する。一方、非反転入力端子に入力する基準電圧は、チップ内部の定電流源(I1=I2=10μA)と1本の外付け抵抗R1で生成する。つまり、10μA×R1=出力電圧となるように外付け抵抗の値を選べばよいわけだ。もちろん、10μAという電流値はチップ間でばらつく。しかし、各チップのSET端子には、等しく(I1+I2)×R1という電圧が供給されるため、チップごとに出力電流に大きな差が出るという上述した問題が発生しないのである。

 もちろん、上述した問題に対しては、用途に応じてスイッチングレギュレータを適切に選択するなどの方法で回避することはできる。しかし、リニアテクノロジーは「例えば無線機器や医療機器に代表されるような、スイッチングレギュレータが潜在的に抱えるノイズの問題を避けたい用途では、LT3080 を使う方法も有力な選択肢となり得るはずだ」と説明する。

 LT3080で採用した方式を用いるメリットはほかに2つある。1つは、従来方式では2本必要だった抵抗が1本で済むことである。また、従来方式ではチップ内部で生成する基準電圧以下の出力電圧を得ることはできなかった。それに対し、LT3080では、外付け抵抗と定電流の積で基準電圧を作るため、抵抗値を下げることで基準電圧自体を下げることができる。従って、出力電圧の下限値は0Vとなる。これがもう1つのメリットだ。

 LT3080の入出力電位差は300mVだが、内部回路を正常に動作させるために、VCONTROL端子に出力電圧+1.2V以上の電圧を印加する必要がある。そのため、入力電圧範囲は1.2V~40Vで、出力電圧範囲は0V~40Vとなっている。最大出力電流は1.1Aで、出力ノイズは 100kHzまでの範囲で40μVrmsである。3mm×3mm×0.75mmの8端子DFNや、8端子のMSOP、3端子のSOT-223、その他のパッケージで提供される。1000個購入時の参考単価は、8端子DFN品が241円、8端子MSOP品が249円、3端子SOT-223品が232円となっている。
(飴本 健)


図2 LT3080を並列接続して使う例


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