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「Microprocessor Forum 2007」リポート(その4)
車載用プロセッサに求められる性能とは?

[issued: 2007.05.]

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 米国サンノゼで開催中の「Microprocessor Forum 2007」。2日目(5月22日)の午後は、「車載プロセッサ」をテーマとしたセッションが行われた。


写真1 デンソーの石原秀昭氏

 基調講演に登壇したのはデンソーのIC技術1部IP開発室長 石原秀昭氏(写真1)。「自動車エレクトロニクスの将来展望とマイクロプロセッサ技術への期待」と題した講演を行った。

 石原氏は、「1955年の時点では、自動車には、センサーやECU(electronic control Unit)がまったく使用されていなかった。しかし、2004年になると、ある自動車では100個のセンサーと70個のECUが使われていた」と、車載電装システムの歴史を振り返る。その上で「こうした電子デバイスは、環境対策、安全性、快適さを実現するために、自動車にとってより重要なものとなってきた。それを提供することがデンソーの役割だ」と説明した。

 最新の自動車では、図1のように多くの個所に電子デバイスが使用されている。こうしたシステムで用いるプロセッサに対する要求はさまざまだが、「例えばエアバッグに組み込むプロセッサにおいては、高機能であることはコストが高くつく要因になるため必須ではない。そうではなく、リアルタイム性や低消費電力であることが求められる」 (石原氏)という。

 石原氏は、将来の車載用プロセッサにおいて重要となることとして3つのポイントを挙げた。1つは、ソフトウエアの再利用性を高めるに何らかの標準化を実施すること。2つ目は、デバッグが容易であること。そしてもう1つは、センサーシステムやアクチュエータに組み込みやすいようにSoC (system on chip)として作られていることである。

車載用のマルチコアプロセッサ

写真2 Freescale Semiconductor社の Jeff Maguire氏

 米Freescale Semiconductor社でチーフアーキテクトを務めるJeff Maguire氏(写真2)は、「テレマティックス、ナビゲーション向けの車載品質のマルチコアプロセッサ」と題した講演を行った。同氏は、民生機器用と車載用におけるプロセッサへの要求事項の違いを、コスト、消費電力(リーク電流)、製品寿命、周囲環境、設計手法などの観点から説明。その上で、リーク電流の少ないプロセス技術を用いた車載用SoC「MPC5121e」を発表した。

 MPC5121eは、POWERアーキテクチャのプロセッサとグラフィックスアクセラレーションコア、マルチメディアアクセラレーションコアを備えるマルチコアのSoCである(図2)。主にナビゲーションシステムなどの用途に向けたものだ。

 POWERアーキテクチャを採用したプロセッサのパイプライン構成は、4ステージ(2命令同時発行)のアウトオブオーダーである。グラフィックスアクセラレーションコアには、英Imagination Technologies社のPowerVR MBX Liteを採用しており、処理能力は135メガピクセル/秒、1.7メガトライアングル/秒となっている。マルチメディアアクセラレーションコアは RISCベースのプロセッサであり、主にオーディオデータのデコードやサンプリングレートの変換などの処理を行う。

 Maguire氏は、MPC5121eにおけるアーキテクチャの設計手法や、コスト/消費電力/不良率を抑えるために行った回路の簡素化手法についての説明を加えて講演を締めくくった。

38.4ギガOPSの画像認識エンジンを搭載

写真3 ルネサス テクノロジの馬路徹氏

写真3 ルネサス テクノロジの馬路徹氏 写真3 ルネサス テクノロジの馬路徹氏  ルネサス テクノロジの自動車事業部 自動車応用技術第2部 部長を務める馬路徹氏は、「38.4ギガOPS(オペレーション/秒)の画像認識エンジンを備えたカーナビ用プロセッサ」と題する講演を行った(写真3)。  同氏は、自動車では「事故回避や快適な運転のために周囲の情報を得ることが重要になっている」ことを指摘。その用途に用いるプロセッサには、「リアルタイム性と堅牢さが重要」(同氏)だとし、この用途には10ギガ命令/秒の演算能力が求められると説明した(図3)。  馬路氏は、この高い演算能力を実現するプロセッサとして「SH-Navi2V」を紹介した(図4)。同製品は、CPUコア「SH-4A」と38.4ギガOPSの処理能力を備えた画像認識エンジンを備えることを特徴とする。この画像認識エンジンは、画像認識アルゴリズムを高速に処理するために最適化されており、16個のGSEU(gray-scale search engine unit)を備える。このGSEUは、1クロックで8個の処理を行うことが可能である。300MHzで動作するため、38.4ギガOPS(8×16× 300MHz)の性能を実現できる。同氏は、高い演算能力に見合ったバス帯域を確保するマルチレイヤーバス技術の「SuperHywy」や階層メモリーアービトレーションスキームなどについても説明を行った。

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