| 2005年12月26日 |
出力電圧0.3V、効率90%の降圧型DC-DCコンバータを 実現するICを、
米ベンチャーが開発 |
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図1 降圧型DC-DCコンバータの制御用IC「AV2101-ADJ」 の評価用ボード。出力電圧0.3V、効率90%を実現する。 |
米Aivaka社は、最低出力電圧0.3V、効率90%以上の降圧型DC-DCコンバータを実現する制御用IC「AV2101-ADJ」を開発した(図1)。電池駆動の携帯機器に向ける。
最大出力電圧はVin-0.3V。入力電圧範囲が1.3V〜5.5Vのため、出力電圧が4.2V〜2.8Vの充電式Li電池にも使用できる。
最先端の半導体プロセスは90nmから65nmへと微細化が進行中で、それに伴い動作電圧が1V以下と低くなりつつある。一方で携帯機器は多機能化が進み回路が複雑化することで消費電力が増えつつあるが、電池の長寿命化が求められている。このため効率が高く小型な電源が不可欠になっている。
これまで2V以下という低い動作入力電圧で高効率の降圧型DC-DCコンバータを実現する制御用ICは、ほとんどなかった。IC内部の誤差アンプの安定動作などに2V以上の電圧が必要だったからである。
マイコンの電源がNiMH(ニッケル水素)電池の場合、直列に接続して使っていくうちに出力電圧はほぼ2.4Vから1.3Vまで変化する。マイコンの動作電圧が1.2Vとすると、従来は、いったん2.5V以上の電圧に変換した後に1.2Vまで下げるという手法を使っていた。降圧にはスイッチング方式のコンバータかLDO(Low Drop Out)を使う。このためコンバータを2個必要としていた。しかしスイッチング方式は高価な上、リップルノイズが大きく、LDOは効率がVout/Vinと低い。デジタルカメラの場合、ロジック回路に加えCCDイメージセンサーやLCD駆動用など15個程度のコンバータを使っており、その実装面積が大きかった。
AV2101-ADJを使えば、1つの降圧型DC-DCコンバータで効率が高い。ある日本の大手メーカーで効率を測定した結果92%以上だったという(入力電圧1.5V、出力電圧0.9V)。必要な外付け部品はインダクタ1個と、入出力用でコンデンサ2個、出力電圧の設定抵抗2個であり、コンバータを2つ搭載する場合と比較して実装面積を1/5程度にできる。
新製品を実現できたカギは、フィードバックをかける誤差アンプを等価回路的に見て、フィルタ部分とコンパレータ(比較器)に分離したことだという。誤差アンプのフィードバック系にはRとCのフィルタが複数付いており、それらを除くとアンプ部をコンパレータと見なせる。ただし、その詳細については明らかにしていない。同社は現在、米国特許を取得しており、日本特許を申請している。
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| 図2 「AV2101-ADJ」を使った、5mm角MCM。 |
ユーザーの用途に向けた設計の提案も行っている。例えば実装面積をできるだけ小さくしたいという要求に対しては、5mm角のセラミック基板を使ったMCM(Multi Chip Module)を提案している(図2)。ただし、MCMを自社で製品化する予定はない。技術的な提案はするが、販売はICのみだという。MCMに使用する部品の性能について保証できないためである。
パッケージはQFN-8(3.0mm×3.0mm)。一部のユーザーにサンプル配布中で、量産は2006年7〜8月の予定。
今後は、入出力電圧が低い昇圧型のDC-DCコンバータ制御用ICも発売する。従来は入力電圧が1V以上・出力電圧が2V以上だったが、開発中の新製品は最低入力電圧を1Vより低くし、出力電圧は1.3V以上とする予定だ。2006年7月以降のファースト・シリコン作製を目指す。
(川村 祥子)
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