米Ansoft社の社長兼CEOを務めるNicholas Csendes氏は「第3世代携帯電話機や、PDAなどの携帯機器、デジタルビデオレコーダーなどのアプリケーションに向け、RF/ミックスドシグナル回路が増えている。この流れはAnsoft社にとって追い風である」との見解を示し、今後同社の大規模回路シミュレータ「NEXXIM」を中心としたRF IC設計の分野でシェア拡大を目指す方針を明らかにした。
同社は、NEXXIMの実用例としてCMOSプロセスを採用の周波数が60GHzと高いVCO(Voltage Controlled Oscillator :電圧制御発振器)の開発において、NEXXIMを使い高速なシミュレーションを実現した事を挙げた。VCOの設計において、CMOSプロセスを使うと低コスト、低消費電力を実現できるというメリットがあるが、回路規模が巨大化してしまうという問題がある。その上、RF/ミックスドシグナル回路では、時間領域と周波数領域の両方を同時にシミュレーションする必要があり、シミュレーション規模も巨大化してしまう。「従来のツールではシミュレーションの規模が大きすぎて、データを取り込むことすらできない。NEXXIMであれば、データを取り込むだけでなく、解析することができる」という(同社)。
このような大規模な回路では、新たなモデルが必要となり、経験的にライブラリからモデルを作るということはできない。そこで、同社は電磁界を適応する。スパイラルインダクタのサイズを変えながら様々な条件下で電磁界の特性データを精密に取る。それを、回路図にライブラリとして組込む。
また、スパイラルインダクタの構造を3次元的に取り出し、HFSS高周波電磁界シミュレータで解析することもできる。精密な電磁界データをHFSSで取り出し、NEXXIMに戻す。これにより、限りなく実測値に近い正確なシミュレーションを可能にした。
このほかに、素子の数が34万5600個にも及ぶ大規模なA-Dコンバータ回路において、わずか4時間で解析を完了した事例もあるという。「この作業ができるのは、NEXXIMぐらいであろう」と、同社は言う。
同社の電磁界解析ツールAnsoft Designer、Q3D Extractor、SIwaveTなどとも互換性がある。また、Cadence社のツールで作成した回路レイアウトをAnsoftDesignerに取り込んで作業することもできる。
現在、インテル、UMCなどがNEXXIMの採用を積極的に進めている。日本やアジアでも数社が採用を決めているという。同社は、今後SignalIntegrityやEMIの分野だけでなく、RF IC設計の分野でもシェア拡大を目指す。
(伊藤 達哉)
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RF/ミックスドシグナル混載の流れを追い風に
~Ansoft社、大規模回路シミュレータ「NEXXIM」
[issued: 2005.10.19]
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