| 2005年05月12日 |
フリースケールが仙台デザイン研究開発センターを公開
―自動車用センサーやSoCの設計拠点となる |
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| 図1 仙台デザイン研究開発センター |
フリースケール・セミコンダクタジャパンは、同社の仙台デザイン研究開発センターと同社の製造会社である東北セミコンダクタを、2005年4月末に行政関係者およびメディアに対して公開した(図1)。同センターは仙台市泉区の工業センター内にあり、主にアナログ・デジタル混載設計(ミックスドシグナル)やSoCの設計を行っている。また、同社の製品品質を管理する品質管理センターもあり、名古屋品質・テストセンターで受け付けた不具合品などの解析なども行う。
ミックスドシグナル設計においては、アナログ・デジタル・パワー半導体の混載技術である「SMARTMOS」やMEMS(micro electro-mechanical systems)を利用した圧力センサーや加速度センサーの設計が中心である。
一方、SoCの設計においては、同社のプロセッサである「PowerPC」を用いたセミカスタム設計が中心となる。同社では「プラットフォームSoC」と呼んでいる。オンチップバスの標準化を行ったことで、同じインターフェースを用いて各種IPを搭載でき、設計期間を3〜6ヶ月短縮できるという。さらにソフト・ハードの協調検証を行うことで、2〜4ヶ月のさらなる短縮も図れるとしている。
同センターでは、SoCの開発に当たり、シミュレーションなどの作業効率を上げるために2001年に同センターにあるコンピュータを統一して、複数のコンピュータを分散処理して使うグリッド・コンピューティング方式を採用した。現在SUN Linuxを用いた16Tバイト、200CPUのコンピューティング・グリッドが稼動中である。その結果、約23日間必要であった950本のシミュレーション処理が、約9時間で行えるようになったという。具体的な設計事例としては、光ネットワークの家庭用ゲートウェイであるONU(optical network unit)に搭載されるBPON(broadband passive optical network) LSIが挙げられる(図2)。
MEMSを応用したセンサーの開発に関しては、同センターが信号処理用のIC設計を分担している。例えば、加速度センサーの場合、センサーそのものは、米アリゾナ州にあるTempで設計されているが、その周辺回路であるアナログ−デジタル変換用ICの設計を担当している。具体的には、2枚の固定電極の間にある可動電極が動くことでそれぞれに容量変化が生じる。その変化を電圧に変換し、信号補正を行ったうえでデジタル信号として出力するICである。センサー部と同一チップ上に集積される。また、圧力センサーを利用したタイヤ圧力監視システムのデモも行われた。タイヤの圧力が減ると警告が表示される(図3) (MEMSの動画 出典:フリースケール[5.64MB])。
そのほか、SMARTMOS製品では3相ブラシレス・モータードライバなどが開発されている。オーディオ機器のモータードライバやソニーのロボット「AIBO」の足の駆動などに利用されているという(図4)。
東北セミコンダクタは、MEMSセンサーや自動車向け半導体を主として生産している。少量多品種生産に対応したファブである。ウエーハサイズは6インチであり、最新鋭の装置はそんなに設置されていないが、MEMSなど従来の設備で十分な製品の生産という特色を活かした工場である。仙台デザイン研究開発センターの近傍にあるため地の利を活かした生産が行えているという。
フリースケール・セミコンダクタは、東京ラボがデジタル民生機器や携帯電話機用半導体などの応用技術開発を中心に行い、仙台が素子開発と品質管理、名古屋品質・テストセンターが自動車用半導体の品質窓口を行うという国内の体制が整った。(渡辺 二之) |
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