| 2004年01月29日 |
「4年以内に世界のEMS企業トップ20入りを目指す」
――フィリピン最大のEMS企業、IMI社のCEOに聞く |
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IMI(Integrated Microelectronics, Inc.)社*は、フィリピンでは最大のEMS(電子機器製造サービス)企業である。世界のEMS企業では51位にランクされる(2002年の売上高ベース、米Electronic
BUSINESS誌の調査による(注1))。東芝や日立製作所などの日系企業を有力な顧客として抱える。また傘下に設計企業のイージックス社(EAZIX, Inc.)*を有している。両社のCEO(最高経営責任者)を務めるアーサー
R. タン(Arthur R. Tan)氏に、現状と今後の事業展開を尋ねた(聞き手:福田 昭)
――フィリピンにおけるIMI社の位置付けは。
タン フィリピンのコングロマリットであるアヤラ・グループの一翼を担っている。同グループは不動産事業からスタートした。
――IMI社の売上高に占める日本の割合は。
タン 地域別では日系企業が最も多い。65%を日系企業が占める。それから25%が米系企業である。製品分野では、外部記憶装置が主力になる。
――日系企業が半分以上を占める理由は何か。
タン 親会社のアヤラ社は、三菱商事との関係が深い。1つにはこのことがある。
――日系企業が顧客になってからの期間はどのくらいか。
タン 東芝や日立、松下グループなどとの取引関係はすでに10年を超える。われわれは信頼関係に基づく、長期的な取引を重要視している。
――売上高の推移は。
タン 2001年が約8000万米ドル、2002年が約8500万米ドル、2003年が約9500万米ドルである。EMS業界が厳しい状況にある中でも、売上高を伸ばした。2004年には1億2000万米ドルの売上高を計画している。
――事業計画における今後の目標は。
タン 4年後の2008年までに、売上高を5億米ドルに伸ばし、EMS企業ランキングで20位以内に入る。2008年というのはかなり堅めの時期だ。もっと早い時期に目標を達成すべく努力している。
――どのようにして事業規模を拡大するのか。
タン 1つは、製造請け負いの製品分野を広げることだ。現在はパソコン周辺機器、特に外部記憶装置に特化している。産業用機器や車載用機器、通信機器などへと製品の種類を増やす。
もう1つは、米系企業や欧州系企業などの顧客を増やすことだ。理想的には、売上高の比率として顧客別には日系企業が1/3、米系企業が1/3、欧州系企業が1/3という状態を思い描いている。しかし実際には短期間にそこまで比率を変えられないだろう。日系企業が60%、米系企業が20%、欧州系企業が20%という比率が現実的である。日系企業の割合は減少するが、もちろん、売上高そのものを減らすという意味ではない。売り上げを伸ばす勢いが違うということだ。
――EMS業界は競争が激しい。IMI社の強みは何か。
タン 設計から製造まで一通りのサービスを提供できることだ。設計では子会社のイージックスがあるので、設計段階から機器開発を請け負える。また製造ではプリント基板の実装だけでなく金型設計を含めたきょう体の製造や製品としての組み立てまでできる。規模ははるかに小さいものの、EMS大手のトップ5社と同様の機能を備えている。
――設計子会社のイージックス社について尋ねたい。設立の経緯は。
タン IMI社と日本の部品商社であるシークス*が合弁でフィリピンに設立した。
――イージックス社の主な業務は。
タン 3つある。1つは、IMI社の設計部門としての業務だ。プリント基板の設計を変更したりといった業務を担う。もう1つは、自社設計したモジュールのOEM販売である。無線LANモジュールやブルートゥース・モジュールなどを開発し、無線LANアダプター・ベンダーに供給した実績がある。最後は設計サービスである。
――どのような設計サービスが可能なのか。
タン システム設計、ハードウエア設計、組み込みソフトウエア設計、機械設計のサービスを提供している。ソフトウエア設計だけ、ハードウエア設計だけということではなく、機器設計全体を請け負える。
――地域別にみた顧客の割合は。
タン 日系企業と欧州系企業が半々の割合だ。
――イージックス社の強みは何か。
タン 機器設計全体を請け負えることと、要望に応じて製造まで一貫して引き受けられることだ。日本の設計サービス企業との比較で言えば、技術者のコストが低い。賃金は日本の技術者の半分以下だろう。
――日本の電子機器メーカーが設計を委託する場合、日本語でやりとりできないと困るのではないか。
タン その通りだと思う。しかし、通信手段が普及しているので、設計データのやりとりは円滑に進められる。またわれわれフィピン人はみな、英会話は達者だ。
――コストが低いことが強みだと、中国の企業と競合したときに困らないか。
タン 中国語でやりとりするのであれば、中国に業務を委託したときのコストは低いだろう。しかし英語でやりとりするとなると、コストが上がる。
ただし、中国に業務を委託するときには大きな問題がある。機密を保護しづらいことだ。日本のオートバイが中国で大量に模倣されていることは知っているだろう。技術情報が流出し、模倣されてしまう。大変危険だと思う。
――IMI社とイージックス社の場合は、その危険性はないのか。
タン ない。実際にわれわれは、競合する複数の外部記憶装置メーカーから製造を請け負ってきた。顧客の機密情報を保護してきたからだ。設計業務を請け負っても、顧客の情報はもれないように厳密に管理している。われわれは単発の短い取引関係ではなく、信頼に基づく長期的な取引関係を作り上げたいのだ。 |
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