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pulse Q&A
2006.10
James J.Truchard氏
米National Instruments社CEO兼社長

システム設計ツールに進化する LabVIEW 8.20
米National Instruments社は今年創立30周年、グラフィカル開発環境「LabVIEW」誕生から20周年を迎えた。記念の年となる2006年8月に発表したLabVIEW 8.20は、ハードウエアやソフトウエア技術者に頼ることなく、システムの専門家が効率良くデータの分析や解析を行えるツールに進化した。CEO兼社長を務めるJames J.Truchard氏に新製品が計測システム業界に与える影響について聞いた。

これまでで、会社の流れを大きく変えた出来事を挙げるとすれば何か。

A
 創立以来、テスト/計測分野の革新に取り組んできたが、一番大きかったのは20年前にLabVIEWを始めたことだ。それまでのGP-IBインターフェースに加え、テスト/計測の分野で幅広くアプリケーションを提供することができるようになった。そして、いろいろなアプリケーションに使ってもらい、その結果顧客の生産性が向上し、顧客が成功を収めることができた。


今後10年、LabVIEWはどのように進化していくのか。

A
 プログラミング言語の歴史を見ると、一般的に50年の寿命があると考えられる。LabVIEWは誕生して20年経過したが、あと30年の寿命がある。直近の5年間はLabVIEWの機能を拡張してGSD(graphical system design)という概念を実現するための開発を行ってきた。その成果がLabVIEW 8.20である。これまでのテストと計測用のツールという位置付けから、システム設計まで行えるツールへ進化させていく第一歩となる。
 GSDは設計、試作、実装という3つの工程をサポートできるツールと 位置付けている。設計工程ではシミュレーション、システム同定、数式の演算、デジタルフィルタの設計などをサポートする。試作工程に向けてはPXIハードウエアやCompact RIOなどを製品として提供している。プログラムの実装工程では、DSP、32ビットプロセッサなどをサポートする。


LabVIEW 8.20は業界にどのようなインパクトを与えるのか。

A
 LabVIEWのトレーニングは簡単かつ短時間で行える。ハードウエア/ソフトウエアのエンジニアではない、医療やメカトロニクス、インダストリなどでドメインエキスパートと呼ばれる専門家がLabVIEWを使いこなしていることでも分かる。これによって製品開発の効率が高まった。
 同じようなことがかつての金融業界でもあった。米Microsoft社の「Excel」が登場する前は金融の専門家がファイナンスの分析、解析を行うためのプログラムをソフトウエアエンジニアに作ってもらい、金融業務を行っていた。十分に使えるようになるまではプログラムの修正なども多く、その開発は非効率的であった。Excelがあれば自分自身でどういう解析や分析をしたいのかが分かっている専門家が直接プログラミングできる。LabVIEW 8.20によって、それと同じインパクトを設計分野に与えたい。


日本市場に対する戦略は。

A
LabVIEWを大学など教育分野でも浸透させて、教育を受けた学生が企業で働くときにも使い続けてもらいたい。そして、計測制御システム分野での効率化に貢献したい。例えば自動車のR&D部門でツールの普及率を高めていきたい。ハードウエアやソフトウエアの選択肢を顧客に与えることで最適なものを使うことができる。日本にはトレーニングを受けた優秀なエンジニアが多く、LabVIEWを使いこなせる技術者がたくさんいる。


アジア市場での戦略は。

A
1998年に中国とインドにR&D拠点を開設した。ソフトウエア開発に重点を置く。一方、価格は営業戦略上、とても重要だ。「LabVIEWとパソコン」という組み合わせは価格を低く抑えられるため、従来の箱型測定器に比べ当社にアドバンテージがある。PXIプラットフォームに選択肢を広げていくことで、低コストを維持しながらパフォーマンスの高いアプリケーションにも応えていける。


今後の企業成長の見通しは。

A
歴史的に売上高の年平均成長率は20%を1つの目標としてきた。そうすれば従業員全員にキャリアパスが十分に生まれる保証ができる。ただし、成長率が40%を超えると組織がその成長について行けない。従って、成長目標は20〜40%だ。
(聞き手:馬本 隆綱)

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