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2006.10
素材技術をベースにカスタム対応を強化
 TDKは、素材技術などをコアテクノロジとして、カスタム対応品の開発を強化していく。また、次々世代の薄膜技術の研究などでは大学との連携にも引き続き注力し、中国や米国での産学共同の開発プロジェクトを今後増やしていく考えである。
 TDKはフェライトをベースにした素材技術、プロセス技術、評価シミュレーション技術をコアテクノロジとして、情報家電や高速/大容量ネットワーク、カーエレクトロニクスの重点3分野に向けた製品を開発している。
 こうした中で、同社の上釜健宏社長(写真)は「マーケティング戦略を変える。カタログ品よりも、これからはカスタム品のビジネスにチャレンジしていく」と述べた。さらに「当社に声をかけてくれた顧客に対して、その要求仕様をどうしても実現できないとお断りしたときは経営会議にかけてその問題点を探る。そして、どこの企業が受注に成功したかも明確にする。ギブアップした理由をはっきりさせることで、当社の弱点が見える」と続けた。
 上釜氏は2006年6月末に社長に就任した。新社長としてこれからの企業運営について「強い分野をもっと強くして、社員に自信を持たせる。赤字の事業は他社に負けている理由が何かあるはずだ」と語り、企業の強みと弱みを徹底的に追求していく考えだ。
 TDKは素材技術をベースに電子部品事業を手掛ける数少ないエレクトロニクス企業の1社である。「事業の柱は素材から部品を作ることである。磁性体で差別化した商品で事業を行ってきた。この分野ではどこにも負けない」といい切る。つまり磁性材の薄膜技術を中心としたプロセス技術が独自の製品開発と市場競争力を生み出す源泉となる。そのためにも磁性材でしっかりした素材や工法を開発して量産に結び付けていくことが大事となる。
 材料技術の開発で先行するには、共同開発も重要となる。その1つが大学との連携である。「現在、国内を中心に約50のプロジェクトが活動している。今後も力を入れたいと思っている。その一環として中国や米国など海外でも共同開発のプロジェクトを増やしていきたい。材料の薄膜技術など次々世代の研究が必要である」と見ている。もちろん共同開発のすべてが成果につながるとは限らない。それでも「そこから派生して情報が入ってくるだけでもよい」というのが上釜氏の持論である。
 TDKはR&Dに対する投資として売上高の5%を充てる。電子部品メーカーの中では決して少なくない。「開発や研究は10年スパンで考えていく。材料という観点から見ると長期的になるのは当然で、成果が出るまで最低でも5年はかかる」として、長期的な視点で取り組んでいく。
(馬本 隆綱)
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