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2006.7
エンターテインメント系から制御系まで、
車載システムを支えるチップが続々登場
図1 MPC5567
図2 フリースケールのチップを使ったFlexRay通信デモ
 カーナビやDVDなどの車載情報エンターテインメント系から、エンジン制御やブレーキ、エアバッグ、ステアリングなどのパワートレイン系、ボディー系、エアバック系など、自動車のエレクトロニクス化がますます加速している。ここで制御の中心となるのがマイコンやDSP。メモリーを搭載するなど、高性能化が進んでいる。


エンジン、ブレーキ制御向けFlexRay-v2.1対応マイコン

 米Freescale Semiconductor社は、2Mバイトの大容量フラッシュメモリーを内蔵した、FlexRay-v2.1対応の32ビットマイクロコントローラ「MPC5567」開発した(図1)。CPUコアは、動作周波数が132MHzのPowerPC「e200z6」。FlexRayコントローラを内蔵し、デュアルチャンネルで最大10Mビット/秒のフォールトトレラント通信が可能である。自動車のエンジン、ブレーキ、パワーステアリングなどの制御に向ける。
 命令コードやプログラムを格納するフラッシュメモリーのほか、64KバイトのRAMや8Kバイトのキャッシュを内蔵している。「32ビットマイコンで、FlexRay-v2.1に対応し、しかも2Mバイトの組み込みフラッシュメモリーを搭載している製品は、MPC5567だけだ」(同社)という。
 動作可能な温度範囲は−40℃〜125℃と広い。5チャンネルのCANコントローラのほか、2チャンネルのeSCI、3チャンネルのSPIなど各種インターフェースを搭載している。パッケージは324端子あるいは416端子のPBGAで提供する。
 2006年5月24日〜26日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2006」では、同製品とFlexRay-v2.1に対応した16ビットマイコン「S12XFR128」、FlexRay通信コントローラ「MFR4300」の3製品間でデータ通信を行うデモを行った。これらのICを別々のボードに実装し、それぞれ2チャンネル利用しながら同時に10Mビット/秒の通信を行った。FlexRayプロトコルの持つ機能を十分に発揮した(図2)。


車載エンターテインメント向け、フラッシュ搭載高速DSP

図3 ADSP-BF539F
 米Analog Devices社は、動作周波数が500MHzと高く、MOST(media oriented systems transport)規格に準拠した、車載用DSP「ADSP-BF539」と「ADSP-BF539F」を開発した(図3)。同社のDSP「Blackfinファミリ」の新製品群で、DVDやカーナビをはじめとする、自動車内のエンターテインメント機器をターゲットにする。
 ADSP-BF539FはADSP-BF539に米Spansion社のNOR型フラッシュメモリーを組み合わせてシングルパッケージに集積したもので、それ以外の機能は両製品とも共通である。ADSP-BF 539には148KバイトのオンチップRAMが内蔵されている。さらに命令コードやプログラムデータを格納したい場合には、メモリーを外付けすることなく、ADSP-BF539Fで対応できる。
 フラッシュメモリーを同一パッケージに実装するメリットに関して、同社では「単に、ボード上の部品点数やコストを削減できるだけではない。外付けメモリーを使った場合、外乱ノイズによって命令エラーが発生する場合がある。メモリーを内蔵することで、ノイズ対策のための設計負担が軽減するうえ、メモリーインターフェース部で発生する消費電力も低減できる」と強調している。
 フラッシュメモリーを搭載したマイコンやDSPは他社にもある。しかし、「動作周波数が500MHzと高く、かつ容量が大きいフラッシュメモリーを搭載しているDSPは現時点でほかにはない」(同社)という。
 ADSP-BF539Fに搭載したフラッシュメモリー容量は、512Kバイトまたは1Mバイト。そのほか、CAN 2.0Bコントローラを搭載、4シリアルポート、3SPIポート、3UARTなどの機能を持つ。動作温度範囲は−40℃〜105℃と広げ、車載機器での使用を可能にした。パッケージは外形寸法が17mm×17mmの316端子Mini-BGAで提供する。


微弱信号でドアを開閉、車のキーにもマイコン

図4 PCF7952を搭載したボード
外形寸法は5cm×3.5cm。さらなる小型化も可能。
図5 キーを持った人が近づくとランプが点灯
 オランダPhilips Semiconductors社は、キーレスエントリ用のマイコン「PCF7952」を開発し、「人とくるまのテクノロジー展2006」において実演デモを行った。デモでは、同製品を内蔵したキーを持った人が近づくと、車のドアノブ部分のランプが点灯した(図4、5)。このとき、車側から125kHzの微弱信号が送信され、PCF7952が受信する。信号が受信されれば、ドアノブ部のランプが点灯する。
 PCF7952はイモビライザ機能を備えている。ドアノブを握った瞬間に、暗号化された信号が車側から送信され、PCF7952で解読する。暗号が一致すれば車に信号が送り返され、ドアが開くという仕組みである。車体から1mぐらい遠ざかり、PCF7952が電波を受信できなくなると、自動的にロックされる。
 また、RSSI(received signal strength indicator)と呼ぶ信号強度検出機能を使うことで、受信信号の強度レベルを認識し、キーが車の外にあるか中にあるかを認識できる。これを利用して、「鍵が車内にあると認識しなければ、キーを差し込んでもエンジンがかからない」といった安全対策もできる。
 PCF7952には、X、Y、Zの3軸に信号インターフェースがあり、どこからでも信号を受信できる。受信感度は2.5mVppと高い。コマンド入力は最大7つまで設定が可能。RISCコントローラを内蔵し、メモリーは4Kバイトのフラッシュメモリーと8KバイトのROM、512バイトのEEPROM、196バイトのRAMなどを搭載する(図6)。消費電力は5μAと低い。他社にも同様の製品を開発しているところはあるが、「Philips社はイモビライザのシェアで5割以上を占めており、この分野での競争力は圧倒的に高い」(同社)という。
(伊藤 達哉)
図6 PCF7952ブロック図


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フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン テクニカルインフォメーションセンター、0120-191-014
アナログ・デバイセズ 広報、03-5402-8270
日本フィリップス総合窓口、0570-09-7342
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