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  2006.7
中村 公彦氏
端末全体で消費電力の低減に取り組む
携帯電話機の多機能化が進む。携帯電話のキャリアにとって、付加価値の高いサービスを提供していくことがユーザー獲得につながる。一方、限られた電池容量で多機能化する端末の使用時間を延ばしていけるかは、大きな課題の1つである。KDDIでau商品開発本部移動機開発部長を務める中村公彦氏は「端末全体で消費電力の低減に取り組む」と語る。

最近の携帯電話機の課題は何ですか。

A
リチウムイオン電池の容量不足が深刻になっている。通話の時に比べ消費電流の多いアプリケーションがたくさん出てきた。例えば、1セグの地上デジタル放送やハローメッセンジャと呼ぶトランシーバ型のマルチコミュニケーションサービスなどだ。これらのアプリケーションが増えることで電池の使用条件は厳しくなっている。 1セグの地上デジタル放送は現状だと1回の充電で3時間しか連続視聴ができない。テレビの受信以外に通話や待ち受け、メール、ウェブ閲覧など従来の用途もある。このため、電池容量の取り合いになっているのが現状だ。


燃料電池の開発も進んでいるようだが。

A
リチウムイオン電池はこれから容量が現在の2倍になるとは考えにくい。従来に比べその技術進化は緩やかになってきた。そういった意味で新たな電池に活路を求めなければならないかもしれない。ただ、注目されている燃料電池も、燃料の安全性や販売経路など商用化に向けて課題も残されている。コストの問題もあり、これらの課題をどのように解決していくかだ。すぐにリチウムイオン電池から置き換えるのは難しいだろうが、燃料電池が最初に商用化される場合には、リチウムイオン電池の充電用補助電源として使われるだろう。


携帯電話機向け半導体チップの課題は。

A
プロセッサ自体が高速、高機能になっており、このままでは電池の実力(容量)以上に消費電力がどんどん増えてしまう。しかし、消費電力の増加は、主要なプロセッサだけの問題ではない。ディスプレイや音源回りなどの周辺回路の消費電力も無視できない。加えて、ソフトウエアも待ち受け時に動いているアプリケーションがあり、今後は端末全体で消費電力の低減に取り組んでいかないといけない。


その対策は。

A
半導体チップに関しては、リーク電流を抑える工夫が大切だ。また、プロセッサのクロックサイクルを負荷に応じてダイナミックに制御していく。アプリケーションに応じたパワーマネジメントを行うことで、電池の実力にあった連続使用時間が得られるだろう。携帯電話機は待ち受けの時間が長いので、その時に10%のパワーセーブができれば待ち受け時間はその分延びる。 画像系のアプリケーションを実行すると消費電力も大きくなる。地上デジタル放送などマルチメディア系のサービスが本格化すれば、電力を最も消費する1つがディスプレイになる。ディスプレイの明るさ(バックライト)も、利用状況に応じて調整すれば無駄を省くことができる。地上デジタル放送に対応するチューナモジュールの消費電力もまだ大きい。モジュールメーカーの今後の努力に期待したい。
(聞き手:馬本 隆綱)


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