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pulse Q&A
2006.5
塚本 克博氏
ベトナムの設計センター、数年以内に500〜1000人規模へ
 ルネサス テクノロジは、コアビジネスと位置づけるマイコンやSoC事業を強化し、再び会社の業績を成長路線に戻していく。その一環として2005年秋には次世代フラッシュメモリーの開発を凍結して、関連の技術者をコアビジネスに集中することを決めた。2006年4月1日付けで社長兼COOに就任した塚本克博氏に、半導体業界でポジションアップするための取り組みなどを聞いた。

マイコン事業の強化策は。

A
マイコンは大きく3つに分類している。ハイエンドではSuperH(SH)ファミリがある。ミッドレンジにはM16CやM32C、H8ファミリがある。ローエンドにはR8Cなどがあり、かなり充実してきた。
 特にマイコン事業での強みはフラッシュメモリーを内蔵していることである。フラッシュメモリーのセル構造は仕様に応じてMONOS技術とHND技術を使い分けしている。例えばハイエンドではMONOS技術を採用している。最大動作周波数が100MHzで、データの読み出しが速い。ミッドレンジやローエンドにはHND技術を使っている。ローエンド向けにはMONOS技術をベースとした低コスト版も開発中である。


MRAMなどの新技術をどう見ているか。

A
マイコンに内蔵するメモリーとしては、MRAMや相変化メモリー技術などの適用を検討している。親会社である日立製作所や三菱電機の先行的な開発力を借りて開発に取り組んでいる。新技術も開発していくが、同時に従来技術も改良され、新材料に代わるのは2010年頃になるだろう。


SoC事業への取り組みは。

A
3つの分野にフォーカスしてSoC事業を展開していく。1つがパソコン周辺とAV機器向けである。デジタルテレビやDVDレコーダ向けの画像処理LSIなどを手がけていく。
 2つ目は携帯電話機向けである。アプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」は国内市場でいいポジションにある。NTTドコモとのプロジェクトでは、W-CDMAとGSMのベースバンドを一体化したLSIを共同開発した。最初のチップを搭載した携帯電話機の出荷が2006年夏から始まる。ベースバンドLSIを含めて世界市場にもビジネスを拡大したい。
 3つ目が自動車向けだ。「SHコア」を搭載したカーナビゲーション用SoCはカーナビ市場で世界シェアが60%あり、隠れたヒット商品である。これを中心に自動車用SoC事業を展開したい。このほかにも、デジカメやプリンタ、MFPなど国内のデジタル情報機器向けカスタムASICに力を入れている。90nmの最先端プロセスで製造しているが、需要もずいぶん伸びてきた。


SoC開発にはかなりの技術者が必要になるのでは。

A
国内ではメモリー設計者をSoC設計などに移しているが、海外でも開発リソースを強化中だ。ベトナムに設計センターを1年前に設立した。現在この人員は80人規模になった。今後も現地大学の電子工学部を卒業した技術者を採用し、数年以内に500人から1000人規模の設計センターにしたい。ベトナムではハードウエア設計の一部を担当してもらう。いずれはチップ全体を一貫して開発できるようにしたい。
 中国には北京と蘇州にマイコンの設計拠点があり、2006年から中国市場にローカライズしたマイコンの派生品を設計している。これとは別に応用技術部の拠点が深センにある。
 このほか、欧州は英国ロンドンやドイツのデュッセルドルフにある開発拠点で自動車向けICやICカード向けマイコンの設計を行っている。フランスにはGSM携帯電話機向けベースバンドLSIの設計拠点がある。


3G携帯電話機向けプラットフォームのインパクトは。

A
デュアルモード対応の1チップLSI「SH-Mobile G series」と基本的なソフトウエアを一体化したプラットフォームを当社から提供することで、携帯電話機メーカーはシステムを差異化するためのソフトウエア開発に集中でき、開発期間を大幅に短縮することが可能となる。
 1チップLSIはNTTドコモと共同開発しているが、プラットフォームの開発にはさらに携帯電話機メーカーの富士通や三菱電機、シャープが加わった。これによって、単なるLSI開発にとどまることなく、システムに近い領域まで踏み込んだビジネスが展開できるようになった。
(聞き手:馬本 隆綱)

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