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pulse Q&A
2006.4
西嶋 貴史氏
Cortex-M3でマイコン市場に進出
ARMコアを内蔵したプロセッサは2005年の1年間で16億7000万個が世界中に出荷された。2006年は新たなアーキテクチャ「ARMv7」をベースとした「Cortex-A8」や「Cortex-M3」、「CervalE」(開発コード名)を搭載したプロセッサが出そろう。英ARM社の日本法人アームの社長を務める西嶋貴史氏に今後の取り組みなどを聞いた。ARMコアを内蔵したプロセッサは2005年の1年間で16億7000万個が世界中に出荷された。2006年は新たなアーキテクチャ「ARMv7」をベースとした「Cortex-A8」や「Cortex-M3」、「CervalE」(開発コード名)を搭載したプロセッサが出そろう。英ARM社の日本法人アームの社長を務める西嶋貴史氏に今後の取り組みなどを聞いた。
2005年の業績は。

A
2005年の業績は前年比14%増の4億1870万米ドルとなった。ARMコアベースのLSI出荷量は2004年の12億個強に対し、2005年は31%増の16億7000万個となった。特に、携帯電話機以外の非モバイル向けが46%増加した。
 開発環境のDevSys部門も29%増加した。日本を含むアジアでARM関連のソフトウエア開発者が増えたためだ。コンパイラやデバッガに加え、SoCを開発するためのシミュレータも売れ始めた。このシミュレータはAxys社の買収によるもので、顧客からの反響も大きい。


Artisan社を買収した効果は。

A
2004年にArtisan社を買収したが、ARMコアとの一括ライセンスや、ARMのチャンネルでArtisanのハードIPコアを販売して、2005年に7件の成果があった。例えば、IBM社には65nmデザインルールのライブラリが採用された。IBM-Chartered連合にも65nmデザインルールのIP技術を供与した。台湾UMC社とは130nmデザインルールのIPで、中国のGrace Semiconductor社とは180/130nmデザインルールのIPで契約を結んだ。半導体ファウンドリ企業は、Artisanのライブラリをそろえることで、設計会社からの受注拡大を狙っているようだ。日本企業も1社含まれている。高速シリアルインターフェースの物理IPコアを得意とするVelocity社のIPも引き合いは強い。
 ArtisanのIPコア技術は社内の開発にも貢献している。Artisanのライブラリを使って、90nmプロセスでチップを製造したところ、ARM1176の動作周波数を750MHzまで高めることができた。Cortex-A8の開発にもArtisanのIPをフルに活用するなど、シナジー効果が出ている。


SoC設計を即時にスタートできるプログラム「Design Start」を2005年4月から始めているが。

A
現在143プロジェクトが設計をスタートしており、2005年11月からテープアウトも始まっている。従来のように半導体設計者がIPのライセンスを事前に取得してASICの開発を行おうとすると契約や予算面などで障壁も高い。今回のシステムは利用希望をウェブ上から申し込み、ARMが合意すれば設計に着手できる。設計スタート時のコストはかからず、台湾のTSMC社などでチップを製造するときにARMとライセンス契約を結び、ファウンドリに対してコストが発生する仕組みだ。
 このサービスを活用しているアプリケーション別の内訳は、デジタルテレビなどホームユース向けが69%で最も多く、モバイル系は18%、エンベデッド関連は6%である。


新しいARMv7アーキテクチャに対する顧客の反応や貴社の取り組みは。

A
1GHz動作で2000DMIPSの性能を持つCortex-A8の反響は大きかった。韓国Samsung社、松下電器、Freescale社、TI社など5社に対しすでにライセンスした。2006年からCortex-A8を内蔵したチップが出てくる。リアルタイム制御向けの次世代ARMコアである「CervalE」(開発コード名)も2006年前半には登場する予定だ。


マイコン市場を狙ったCortex-M3には業界も注目しているが。

A
Cortex-M3もすでにTSMC社でファーストシリコンが出来上がった。2006年にチップが登場する。もともとARMはローパワーを追求してきたが、Cortex-M3で超ローパワーのマイコン市場に進出する。今後、注力していく製品のひとつである。
 ターゲットにする市場は一般マイコンと同じ自動車や白物家電である。16ビットの命令セットであるThumb2テクノロジのみをサポートするCortex-M3は、コード密度が高く同じプログラムでもコンパイルすると従来のARMコードに比べ30%少なくて済む。
 Cortex-M3の事業拡大に向けて、マイコンツールベンダーのKeil社を買収した。Keil社は標準的なマイコンの1つである「8051」用のツールで多くの実績を持つ。Cortex-M3のユーザーも同じ開発環境でプログラムを開発できるため、顧客には大きなメリットとなる。
(聞き手:馬本 隆綱)
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