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2006.4
3G携帯電話機向けプラットフォームで世界展開
 ルネサス テクノロジは、3G携帯電話機向けにデュアルモード対応の1チップLSI「SH-Mobile G series」と基本的なソフトウエアを一体化したプラットフォームを、2007年度第2四半期(7〜9月)までにNTTドコモなどと共同開発する。W-CDMAに加えGSM/GPRSなど海外で普及している通信方式にも対応したプラットフォームを提供することで、SH-Mobile事業の世界展開を加速する。
 3G携帯電話機向けプラットフォームの共同開発で合意したのは、ルネサスとNTTドコモに加え、携帯電話機メーカーである富士通、三菱電機、シャープの5社。
 今回の5社共同開発に先駆け、ルネサスはW-CDMAとGSM/GPRSのデュアルモード対応のベースバンドLSIと、SH-Mobileと呼ぶ同社のアプリケーションプロセッサを1チップにしたLSI「SH-Mobile G1」をNTTドコモと2004年7月から共同開発している。1億8000万個のトランジスタを内蔵し、90nmプロセスで製造する。2006年度第1四半期(4〜6月)から量産に入る予定だ。
 第2弾となる「SH-Mobile G2」は、内蔵するベースバンド部において、同G1で対応した通信方式に加え、最大3.6Mビット/秒の高速通信が可能なHSDPA(high speed downlink packet access)およびEDGEと呼ばれる通信方式をサポートする計画である。
 同G2は2006年度第2四半期(7〜9月)からサンプル出荷を始め、2007年度第2四半期から量産に入る予定だ。製造プロセスは当初90nmでスタートするが、本格量産時は65nmとなる見通し。
 今回の共同開発には携帯電話機メーカー3社がパートナーとして参画したことで、ルネサスはこれまでの1チップLSIに加え、OSや各種ドライバーソフト、通信制御用ソフト、ミドルウエアなど、共通基盤となる基本ソフトウエアも含めたプラットフォームを提供できるようになる(図1)。
 OSはSymbian OSを採用し、NTTドコモが策定した「MOAP」(mobilephone oriented application platform)と呼ばれるFOMA向けソフトウエア・プラットフォームと組み合わせて使う。今後は、Linux OSのサポートも検討していく考えだ。
 競合他社の携帯電話機向けプラットフォームとの違いについて、システムソリューション第二事業部の副事業部長を務める川崎郁也氏は「すでに実績あるIPコアを組み合わせていることだ。3G向けベースバンドLSIはFOMAが、アプリケーションプロセッサはSH-Mobileが、それぞれ市場で先行した」と述べた。

図1 共同開発する携帯電話機向けプラットフォームの概要

アプリ別プラットフォームを展開

 ルネサスは2005年10月に、SoCのチップ開発からシステム開発まで統合したソリューションを提供するプラットフォーム「EXREAL Platform」(エクスリアル・プラットフォーム)を発表した(図2)。携帯電話機、自動車、デジタル家電機器など、同社が注力する分野に対し、アプリケーション別に最適なプラットフォームを構築する。今回、5社で共同開発する3G携帯電話機向けのプラットフォームもその一環。

図2 EXREAL Platformの概要

 システム機器が高性能、多機能化する中で、搭載するSoCは大規模化し、新規のチップ開発の期間は数年にも及ぶ。同時に、組み込みソフトウエアの開発負荷も急速に増大し、ソフト技術者の不足が深刻な問題になりつつある。こうした中で、システム開発の基盤となるプラットフォームを活用することで「新規チップの開発期間はこれまでより最大40%短縮することが可能となり、ソフトウエア資産を再利用すれば顧客のソフトウエア開発効率も飛躍的に向上する」(常務取締役を務める稲吉秀夫氏)と見ている。
 EXREAL Platformは、ハードウエア・インターコネクト技術やソフトウエア・インターコネクト技術、評価検証技術をベースにしている。これによってハードウエア、ソフトウエアの継承性、SoCに組み込まれるCPUコアやIPの拡張性および接続性などを提供する。
 同プラットフォームでハードウエアの核となるSoCも準備している。携帯電話機向けのデュアルモード対応1チップLSIの第1弾はすでにサンプル出荷中で、近く量産出荷を始める。次世代カーナビゲーション向けのCIS用1チップLSIやデジタルテレビ向けシステムLSIは現在開発中だ。2008年には新たに開発する大規模SoCでシステムLSIを実現していく予定である。
(馬本 隆綱)
連絡先:ルネサス テクノロジ、03-6250-5554
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